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SufY.105:南の大海原へ!黄金糖航路の開拓と「カラメル海」の伝説

第一章:初陣の風と甘い潮香

ドバァァァァァンッ!!

全天候型インサイド造船ドック『にんじんっ要塞ドック港』の巨大な白銀水門が滑らかに上がり、解き放たれた『にんじんっ型キャラベル級探検艦・1号艦プリンセス・キャロット号』は、一陣の疾風となって南の大海原『にんじんっ大平洋(仮)』へと踊り出た!

「ふはははは!見るのです、猫二くん!世界はこんなにも広くて、こんなにも青いのですっ!」

艦首のバウスプリット(船首斜め柱)の最先端に仁王立ちし、風にたなびく髪を押さえながら佩刀『符凛刀(ぷりんとう)』を天にかざすのは、我らが最高指揮官・咲姫(さき)である!
その目には、未知の水平線に対する圧倒的な好奇心と、全自動で世界を書き換える不敵な笑みが宿っていた。

「おい咲姫!船首の先っぽに立つのは危ねぇって!船が波を跨ぐたびに跳ねてるんだから降りてこい!」

甲板の中央、操舵輪の脇で航海図と六分儀を必死に抱え直しているのは、常識人の猫二(ねこじ)だ。
船底を力強く叩く白波の感触は、従来の木造船とは明らかに違っていた。重厚でありながら、まるで滑るように波を切り裂いていく。

「しかし......冗談抜きで速ぇな、この船。白銀と音鉄のフレームだからズッシリ重いはずなのに、波の抵抗をほとんど感じねぇぞ」

猫二の呟きに、甲板の点検口から顔を出した技犬士のわんわんが、尻尾をブンブンと振りながら答えた。

「ふふん、それこそが咲姫様の授けし『改良型カラメルタール(RCT-Mk2)』の力だワン!船底に塗りたくられた高濃度カラメル層が、海水の摩擦抵抗を極限まで打ち消し、滑らかな流動パラメータを形成しているんだワン!」

「だから理論が意味不明なんだよ!!カラメルだぞ!?砂糖と水煮詰めたやつだぞ!?なんで海水に入って溶け出すどころか、摩擦ゼロのハイテクコーティングみたいになってんだよ!」

「ふにゃ~~♪溶けるどころか、船のうしろに甘~い匂いの綺麗なスジができてるお~~♪」

背中に白金酒樽を背負った代表・うさちぁんが、船尾のデッキにちょこんと腰掛け、ひしゃくでお酒を飲みながら海面を指差した。

猫二が振り返って船尾の航跡(ウェイキ)を覗き込むと、思わず絶句した。《プリンセス・キャロット号》が通り過ぎたあとの海面は、白波が消えたあとも、うっすらと黄金色の光沢を帯びたトロリとした質感を保ち、太陽の光を浴びてキラキラと輝いていたのだ。

「な......なんだありゃあぁぁぁぁっ!?海がプリンのカラメルソースみたいに光ってるじゃねーか!!」

「ふむ!あれこそが『黄金糖航路』なのですっ!」
咲姫がドヤ顔で胸を張る!

「咲姫たちが航行した証として、海が甘く美味しく固定されているのです!これさえあれば、後ろからついてくる後続の輸送艦や大型艦たちも、道に迷わず爆速で航行できるのですっ!」

「海流そのものを恒久的に書き換えてんじゃねーよ!!これ他国の船が通ったら『なんだこの甘い海流は!?』って絶対パニックになるだろ!!」


第二章:海賊艦隊との遭遇

出航から数時間。
《プリンセス・キャロット号》は順調に南下を続け、未知の島々が点在する『甘味諸島沖』へと差し掛かっていた。

竪穴(たてあな)から持ってきたお弁当とお味噌汁を甲板で味わっていたその時――マストの上の見張り台から、木切専用鎌を手に持った伐採士の木鎌太郎が叫び声をあげた!

「前方より多数の船影接近!単縦陣でこちらを包囲しようとしていますだす!」

「なんだと!?」

猫二が望遠鏡を覗き込む。視界に飛び込んできたのは、黒い帆に不吉な頭蓋骨の紋章を掲げた、数隻の物々しいガレアス級強襲艦とジーベック級私掠艦の艦隊だった。

「へへへ......見ねぇ顔の珍妙なフォルムの船だなあ!」
「白銀でピカピカ光ってやがる!宝の山だ!捕獲して売り払え!!」

海賊たちの汚いダミ声が、風に乗って響いてくる。

「ゲッ!海賊だ!しかも結構な大世帯じゃねーか!」
猫二が冷や汗を流して佩刀『謝心攻聖刀』の柄に手をかける。
「おい咲姫!初航海でいきなり実戦だぞ!どうする!?」

だが、咲姫の表情には焦りなど微塵もなかった。
それどころか、お味噌汁のお椀をサヨに預けると、待ってましたと言わんばかりに『符凛刀』を鞘ごと肩に担いだ。

「ふむ......!咲姫たちの輝かしい大航海時代の記念すべき第1号のお客様(試し斬り用)なのです!」

「試すのは斬撃じゃなくて砲撃だろ!わんわん、雷電、長短刀鍛冶!砲撃準備だ!」

「おうよ!砲門開けだすーーーッ!」

鍛冶ギルド長の長短刀鍛冶と、力将士の雷電、掘啄士の考平が、右舷の砲門を豪快に押し開く!

そこに鎮座するのは、最新鋭の試作兵器――『概念破壊大砲Royal-Concept-Breaker』である!

「敵船、射程に入っただす!」
考平が鶴嘴刀を構えて照準を合わせる。

対する海賊船の船長は、甲板で高笑いをあげていた。
「ハハハ!小さな探検船が一隻で抵抗か!撃ち尽くせ!船体を粉々に砕いてやれ!」

ドドドドドカンッ!!

海賊船の側砲が一斉に火を吹き、無数の鉄球が《プリンセス・キャロット号》へ向かって飛来した!

「危ねぇ!!」
猫二が叫んだ瞬間――!

キィィィィン......ッ!!

飛来した鉄球群が《プリンセス・キャロット号》の船体に命中した......はずだった。しかし、激しい破壊音も、木片が飛び散る音も起こらない。

鉄球は、船底および側面に塗装された『改良型カラメルタール(RCT-Mk2)』の弾性粘着層に触れた瞬間、ポヨンッという奇妙な音を立てて威力を吸収され、海へボチャンと虚しく落ちていったのである。

「「「......えっ???」」」

海賊たちが全員、鳩が豆鉄砲を食べたような顔で固まった。

「な......なんだ今の!?大砲が効いてねぇぞ!?」
「装甲が弾いたんじゃない......まるで波みたいに衝撃を吸い込みやがった!?」

「ふふん!無駄なのです!」
咲姫がバウスプリットの上で胸を張る!
「咲姫たちのカラメル塗装は、ただのタールとはワケが違うのです!衝撃も魔力もすべて『ぷりにんっ因子(Pn)』が美しく分散吸収(概念相殺)してしまうのですっ!」

「敵さん、呆気にとられてるだすよ!」
長短刀鍛冶がニヤリと笑う。

「よし!次はこちらの番なのです!概念破壊大砲、全門開放......発射なのですっ!」


第三章:不気味な絶望――「船ではなくなった」

「『特殊カラメル砲弾(CBC)』装填完了だワン!」
わんわんが撃発ロープを引っ張った!

ズドォォォォォンッ!!ズドォォォォォンッ!!

《プリンセス・キャロット号》の側砲から打ち出されたのは、爆発的な火光ではなく、不思議な黄金色の光を纏った特大の砲弾だった。

砲弾は美しい弧を描き、真っ先に突っ込んできていた海賊旗艦のメインマストと操舵室周辺へ正確無比に吸い込まれていく。

「く、来るぞ!衝撃に備えろ――」
海賊船長が身構えた。
だが――ドカン!という爆発音は鳴らなかった。

ペチャッ!!ゴロゴロゴロ......ッ!!

「......ん?爆発しない......不発弾か?」

海賊たちが首をかしげた、次の瞬間だった。

着弾した砲弾がパカッと割れ、中から超高粘度の黒褐色液体――『カラメレン濃縮液(Cm12)』が、まるで生き物のような猛烈な勢いで飛散したのである!

ズズズズズズ......ッッ!!

「うわあぁぁぁっ!?なんだこのベタベタする液体は!?」
「帆が......帆が折りたたまねぇ!固まってる!?」
「待て!滑車が動かん!ロープが引きちぎれるぞ!」
「舵だ!舵輪がビクともしねぇ!誰かテコを持ってこい!」

海賊船の甲板は地獄絵図と化した。

爆発による死傷者はゼロ。船体にも傷一つ付いていない。
しかし、風を受けて船を進めるはずの『帆』船を操るはずの『舵』大砲の向きを変える『滑車』錨を下ろす『揚錨機』――船のあらゆる“可動部”が、カチカチに固まった超高粘度カラメルによってロック(FunctionLock)されてしまったのだ!

「撃て!撃ち返せ!大砲を向けろ!」
海賊船長が血相を変えて叫ぶ。

「だ、ダメです船長!大砲の砲門が固着して動きません!導火線にもドロッとしたカラメルがまとわりついて火がつきません!」

「船底のスクリューもペラも全部固まってます!船が......船が風に乗っているのに、ピタリと止まって動かないんです!!」

海賊船長は、絶望の表情で自分の手を見た。船体は頑丈なままそこにある。自分たちも全員生きている。しかし、この船はもう、1ミリたりとも動くことができない。風を捉えることも、舵を切ることも、攻撃することも、逃げることすらできないのだ。

「そんな......バカな......。船は壊れていない......穴一つ空いていないんだぞ......!?」

海賊船長は膝から崩れ落ち、震える声で呟いた。

「船は無傷だ......だが......これはもう、船じゃない......!!」


第四章:甘い噂と海賊たちの恐怖

「ふむ!見事な『機能固着(FunctionLock)』なのですっ!」咲姫が満足そうに頷く。隣で望遠鏡を見ていた猫二は、鳥肌が立つのを感じていた。「......なるほどな。ドカンと爆破して沈めるより、ある意味で何倍も恐ろしいぜ。物理的には船の形をしているのに、一切の機能を奪われて海に浮かぶ『ただの巨大な木箱』に変えちまうんだからな......」

「これぞ『概念破壊大砲Royal-Concept-Breaker』の真骨頂ですわ」
アリシアが帳簿にペンを走らせながら微笑む。
「船体を傷つけないということは、後で回収して我が社の戦利品や商業船として再利用できるということですもの。極めて合理的で無駄がありませんわ!」

「商人魂がたくましすぎるだろ!!」

その時、動けなくなった海賊船の甲板から、新たな悲鳴が上がり始めた。

「ひぃぃぃぃっ!?なんか甘い匂いがするぞ!?」
「おい!海から巨大な魚や海獣が集まってきてるぞ!!」
「船員たちが......船員たちが『なんか甘いものが食べたい』ってうわ言を言い始めたぁぁぁっ!?」

「「「????」」」

猫二たちが首を傾げていると、技犬士のわんわんが羊皮紙のデータシートを見せながら説明した。

「あ、それは『ぷりにんっ病(PDD)』の初期症状と、カラメル弾(CBC)の副次効果だワン!特殊カラメル弾を大量に浴びると、周囲の空間の『ぷりにんっ因子(Pn)』濃度が急上昇して、脳が強力にプリンを欲するようになるんだワン!」

「精神攻撃まで付与されてんのかよ!!」

「ふにゃ~~♪可哀想だから、あいつらにも『治療用プリン(RMP)』を投げてやるといいお~♪」
うさちぁんが酔っ払いながら、船尾からプニプニのプリンを海賊船へ向けてポンポン投げ入れる。

海賊たちは流れてきたプリンを貪るように食べ、
「う、うまい......!」
「俺たちは一体何と戦っていたんだ......?」
「もう海賊なんてやめてプリン屋さんになりたい......」
と、戦意を喪失して改心し始めていた。

「戦意という概念まで破壊されてるじゃねーか!!」
猫二のツッコミが南の海に虚しく響き渡るのであった。


第五章:黄金糖航路の開拓と次なる

冒険戦闘(という名の概念破壊)を終えた《プリンセス・キャロット号》は、海賊船群をそのまま拿捕・回収タグロープで繋ぎ止めながら、再び南への航海を続けた。

夕暮れ時。
南の海の空が鮮やかな茜色に染まり、海面は《プリンセス・キャロット号》が残していった『黄金糖航路』のカラメル光沢と混ざり合って、まるで黄金色のスープのように美しい輝きを放っていた。

「あらあら、咲姫様、皆様。夕食のお時間ですわよ」

割烹着姿の調燕士・サヨと農雀士の真紀子が、竪穴補給ラインから送られてきたばかりの新鮮な海の幸と、採れたて野菜の熱々お味噌汁、そして特製の『艦載医療プリン(FMP)』を甲板の特設テーブルへ並べた。

「おー!ご飯なのですっ!」
咲姫がお味噌汁を美味しそうに啜り、ぷはーっと息を吐く。

「ふむ......!探検艦の性能も、概念破壊大砲の実戦テストも完璧だったのです!これなら南の大海原のどこへ行っても負ける気が出ないのですっ!」

「まあ、確かにあの戦闘力と防御力なら、どんな海域でも無敵だろうけどな......」
猫二がお刺身をつつきながら苦笑する。
「だが咲姫、俺たちの目的は海賊退治じゃないぞ。未知の島々を探検して、星図を作り、新しい貿易ルートを拓くことだ」

「分かっているのです、猫二くん!」
咲姫は『符凛刀』をキラリと輝かせ、遥か南の水平線を指差した!

「咲姫の目が捉えているのです!あの水平線の彼方には、見たこともない巨大な未知の大陸と、美味しいお宝がたくさん眠っているのですっ!」

「ふにゃ~~♪未知の大陸で飲むお酒、楽しみだお~~♪」
うさちぁんが白金酒樽からひしゃくでお酒を汲み上げ、みんなで高らかに乾杯を交わす。

余剰鉱石で造り上げた無敵の要塞ドック港から飛び出し、船底カラメル塗装と概念破壊大砲という不条理な超技術を引っ提げて大海原へ乗り出した『にんじんっ酒樽合同会社』

彼らが描き出す黄金の航跡は、これから始まる大航海時代の歴史を、どこまでも甘く、楽しく、ハチャメチャに塗り替えていくのであった!

「全速前進なのですっ!目指すは南の果ての未開の大陸なのですっ!」

「「「おーっっ!!咲姫艦隊、大海原へ向かって突進だおーーーーっっ!!」」」


■今回の新規獲得・反映設定メモ

艦載1号艦:『にんじんっ型キャラベル級探検艦・1号艦プリンセス・キャロット号』
実戦兵器:『概念破壊大砲Royal-Concept-Breaker』(特殊カラメル弾CBC仕様)
戦闘実績:海賊艦隊の可動部をカラメル固着(FunctionLock)させ、船体無傷で完全無力化・戦意喪失。
航跡現象:航海した海域に『黄金糖航路(カラメル海)』が形成され、後続艦の航行効率が上昇。
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SufY.104:大航海時代の幕開け!余剰鉱石とカラメル技術で建造する第1号船
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クラフトアルケミスト~大航海時代~作者:モカルドルラテ
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SufY.105:南の大海原へ!黄金糖航路の開拓と「カラメル海」の伝説

第一章:初陣の風と甘い潮香

ドバァァァァァンッ!!

全天候型インサイド造船ドック『にんじんっ要塞ドック港』の巨大な白銀水門が滑らかに上がり、解き放たれた『にんじんっ型キャラベル級探検艦・1号艦プリンセス・キャロット号』は、一陣の疾風となって南の大海原『にんじんっ大平洋(仮)』へと踊り出た!

「ふはははは!見るのです、猫二くん!世界はこんなにも広くて、こんなにも青いのですっ!」

艦首のバウスプリット(船首斜め柱)の最先端に仁王立ちし、風にたなびく髪を押さえながら佩刀『符凛刀(ぷりんとう)』を天にかざすのは、我らが最高指揮官・咲姫(さき)である!
その目には、未知の水平線に対する圧倒的な好奇心と、全自動で世界を書き換える不敵な笑みが宿っていた。

「おい咲姫!船首の先っぽに立つのは危ねぇって!船が波を跨ぐたびに跳ねてるんだから降りてこい!」

甲板の中央、操舵輪の脇で航海図と六分儀を必死に抱え直しているのは、常識人の猫二(ねこじ)だ。
船底を力強く叩く白波の感触は、従来の木造船とは明らかに違っていた。重厚でありながら、まるで滑るように波を切り裂いていく。

「しかし......冗談抜きで速ぇな、この船。白銀と音鉄のフレームだからズッシリ重いはずなのに、波の抵抗をほとんど感じねぇぞ」

猫二の呟きに、甲板の点検口から顔を出した技犬士のわんわんが、尻尾をブンブンと振りながら答えた。

「ふふん、それこそが咲姫様の授けし『改良型カラメルタール(RCT-Mk2)』の力だワン!船底に塗りたくられた高濃度カラメル層が、海水の摩擦抵抗を極限まで打ち消し、滑らかな流動パラメータを形成しているんだワン!」

「だから理論が意味不明なんだよ!!カラメルだぞ!?砂糖と水煮詰めたやつだぞ!?なんで海水に入って溶け出すどころか、摩擦ゼロのハイテクコーティングみたいになってんだよ!」

「ふにゃ~~♪溶けるどころか、船のうしろに甘~い匂いの綺麗なスジができてるお~~♪」

背中に白金酒樽を背負った代表・うさちぁんが、船尾のデッキにちょこんと腰掛け、ひしゃくでお酒を飲みながら海面を指差した。

猫二が振り返って船尾の航跡(ウェイキ)を覗き込むと、思わず絶句した。《プリンセス・キャロット号》が通り過ぎたあとの海面は、白波が消えたあとも、うっすらと黄金色の光沢を帯びたトロリとした質感を保ち、太陽の光を浴びてキラキラと輝いていたのだ。

「な......なんだありゃあぁぁぁぁっ!?海がプリンのカラメルソースみたいに光ってるじゃねーか!!」

「ふむ!あれこそが『黄金糖航路』なのですっ!」
咲姫がドヤ顔で胸を張る!

「咲姫たちが航行した証として、海が甘く美味しく固定されているのです!これさえあれば、後ろからついてくる後続の輸送艦や大型艦たちも、道に迷わず爆速で航行できるのですっ!」

「海流そのものを恒久的に書き換えてんじゃねーよ!!これ他国の船が通ったら『なんだこの甘い海流は!?』って絶対パニックになるだろ!!」


第二章:海賊艦隊との遭遇

出航から数時間。
《プリンセス・キャロット号》は順調に南下を続け、未知の島々が点在する『甘味諸島沖』へと差し掛かっていた。

竪穴(たてあな)から持ってきたお弁当とお味噌汁を甲板で味わっていたその時――マストの上の見張り台から、木切専用鎌を手に持った伐採士の木鎌太郎が叫び声をあげた!

「前方より多数の船影接近!単縦陣でこちらを包囲しようとしていますだす!」

「なんだと!?」

猫二が望遠鏡を覗き込む。視界に飛び込んできたのは、黒い帆に不吉な頭蓋骨の紋章を掲げた、数隻の物々しいガレアス級強襲艦とジーベック級私掠艦の艦隊だった。

「へへへ......見ねぇ顔の珍妙なフォルムの船だなあ!」
「白銀でピカピカ光ってやがる!宝の山だ!捕獲して売り払え!!」

海賊たちの汚いダミ声が、風に乗って響いてくる。

「ゲッ!海賊だ!しかも結構な大世帯じゃねーか!」
猫二が冷や汗を流して佩刀『謝心攻聖刀』の柄に手をかける。
「おい咲姫!初航海でいきなり実戦だぞ!どうする!?」

だが、咲姫の表情には焦りなど微塵もなかった。
それどころか、お味噌汁のお椀をサヨに預けると、待ってましたと言わんばかりに『符凛刀』を鞘ごと肩に担いだ。

「ふむ......!咲姫たちの輝かしい大航海時代の記念すべき第1号のお客様(試し斬り用)なのです!」

「試すのは斬撃じゃなくて砲撃だろ!わんわん、雷電、長短刀鍛冶!砲撃準備だ!」

「おうよ!砲門開けだすーーーッ!」

鍛冶ギルド長の長短刀鍛冶と、力将士の雷電、掘啄士の考平が、右舷の砲門を豪快に押し開く!

そこに鎮座するのは、最新鋭の試作兵器――『概念破壊大砲Royal-Concept-Breaker』である!

「敵船、射程に入っただす!」
考平が鶴嘴刀を構えて照準を合わせる。

対する海賊船の船長は、甲板で高笑いをあげていた。
「ハハハ!小さな探検船が一隻で抵抗か!撃ち尽くせ!船体を粉々に砕いてやれ!」

ドドドドドカンッ!!

海賊船の側砲が一斉に火を吹き、無数の鉄球が《プリンセス・キャロット号》へ向かって飛来した!

「危ねぇ!!」
猫二が叫んだ瞬間――!

キィィィィン......ッ!!

飛来した鉄球群が《プリンセス・キャロット号》の船体に命中した......はずだった。しかし、激しい破壊音も、木片が飛び散る音も起こらない。

鉄球は、船底および側面に塗装された『改良型カラメルタール(RCT-Mk2)』の弾性粘着層に触れた瞬間、ポヨンッという奇妙な音を立てて威力を吸収され、海へボチャンと虚しく落ちていったのである。

「「「......えっ???」」」

海賊たちが全員、鳩が豆鉄砲を食べたような顔で固まった。

「な......なんだ今の!?大砲が効いてねぇぞ!?」
「装甲が弾いたんじゃない......まるで波みたいに衝撃を吸い込みやがった!?」

「ふふん!無駄なのです!」
咲姫がバウスプリットの上で胸を張る!
「咲姫たちのカラメル塗装は、ただのタールとはワケが違うのです!衝撃も魔力もすべて『ぷりにんっ因子(Pn)』が美しく分散吸収(概念相殺)してしまうのですっ!」

「敵さん、呆気にとられてるだすよ!」
長短刀鍛冶がニヤリと笑う。

「よし!次はこちらの番なのです!概念破壊大砲、全門開放......発射なのですっ!」


第三章:不気味な絶望――「船ではなくなった」

「『特殊カラメル砲弾(CBC)』装填完了だワン!」
わんわんが撃発ロープを引っ張った!

ズドォォォォォンッ!!ズドォォォォォンッ!!

《プリンセス・キャロット号》の側砲から打ち出されたのは、爆発的な火光ではなく、不思議な黄金色の光を纏った特大の砲弾だった。

砲弾は美しい弧を描き、真っ先に突っ込んできていた海賊旗艦のメインマストと操舵室周辺へ正確無比に吸い込まれていく。

「く、来るぞ!衝撃に備えろ――」
海賊船長が身構えた。
だが――ドカン!という爆発音は鳴らなかった。

ペチャッ!!ゴロゴロゴロ......ッ!!

「......ん?爆発しない......不発弾か?」

海賊たちが首をかしげた、次の瞬間だった。

着弾した砲弾がパカッと割れ、中から超高粘度の黒褐色液体――『カラメレン濃縮液(Cm12)』が、まるで生き物のような猛烈な勢いで飛散したのである!

ズズズズズズ......ッッ!!

「うわあぁぁぁっ!?なんだこのベタベタする液体は!?」
「帆が......帆が折りたたまねぇ!固まってる!?」
「待て!滑車が動かん!ロープが引きちぎれるぞ!」
「舵だ!舵輪がビクともしねぇ!誰かテコを持ってこい!」

海賊船の甲板は地獄絵図と化した。

爆発による死傷者はゼロ。船体にも傷一つ付いていない。
しかし、風を受けて船を進めるはずの『帆』船を操るはずの『舵』大砲の向きを変える『滑車』錨を下ろす『揚錨機』――船のあらゆる“可動部”が、カチカチに固まった超高粘度カラメルによってロック(FunctionLock)されてしまったのだ!

「撃て!撃ち返せ!大砲を向けろ!」
海賊船長が血相を変えて叫ぶ。

「だ、ダメです船長!大砲の砲門が固着して動きません!導火線にもドロッとしたカラメルがまとわりついて火がつきません!」

「船底のスクリューもペラも全部固まってます!船が......船が風に乗っているのに、ピタリと止まって動かないんです!!」

海賊船長は、絶望の表情で自分の手を見た。船体は頑丈なままそこにある。自分たちも全員生きている。しかし、この船はもう、1ミリたりとも動くことができない。風を捉えることも、舵を切ることも、攻撃することも、逃げることすらできないのだ。

「そんな......バカな......。船は壊れていない......穴一つ空いていないんだぞ......!?」

海賊船長は膝から崩れ落ち、震える声で呟いた。

「船は無傷だ......だが......これはもう、船じゃない......!!」


第四章:甘い噂と海賊たちの恐怖

「ふむ!見事な『機能固着(FunctionLock)』なのですっ!」咲姫が満足そうに頷く。隣で望遠鏡を見ていた猫二は、鳥肌が立つのを感じていた。「......なるほどな。ドカンと爆破して沈めるより、ある意味で何倍も恐ろしいぜ。物理的には船の形をしているのに、一切の機能を奪われて海に浮かぶ『ただの巨大な木箱』に変えちまうんだからな......」

「これぞ『概念破壊大砲Royal-Concept-Breaker』の真骨頂ですわ」
アリシアが帳簿にペンを走らせながら微笑む。
「船体を傷つけないということは、後で回収して我が社の戦利品や商業船として再利用できるということですもの。極めて合理的で無駄がありませんわ!」

「商人魂がたくましすぎるだろ!!」

その時、動けなくなった海賊船の甲板から、新たな悲鳴が上がり始めた。

「ひぃぃぃぃっ!?なんか甘い匂いがするぞ!?」
「おい!海から巨大な魚や海獣が集まってきてるぞ!!」
「船員たちが......船員たちが『なんか甘いものが食べたい』ってうわ言を言い始めたぁぁぁっ!?」

「「「????」」」

猫二たちが首を傾げていると、技犬士のわんわんが羊皮紙のデータシートを見せながら説明した。

「あ、それは『ぷりにんっ病(PDD)』の初期症状と、カラメル弾(CBC)の副次効果だワン!特殊カラメル弾を大量に浴びると、周囲の空間の『ぷりにんっ因子(Pn)』濃度が急上昇して、脳が強力にプリンを欲するようになるんだワン!」

「精神攻撃まで付与されてんのかよ!!」

「ふにゃ~~♪可哀想だから、あいつらにも『治療用プリン(RMP)』を投げてやるといいお~♪」
うさちぁんが酔っ払いながら、船尾からプニプニのプリンを海賊船へ向けてポンポン投げ入れる。

海賊たちは流れてきたプリンを貪るように食べ、
「う、うまい......!」
「俺たちは一体何と戦っていたんだ......?」
「もう海賊なんてやめてプリン屋さんになりたい......」
と、戦意を喪失して改心し始めていた。

「戦意という概念まで破壊されてるじゃねーか!!」
猫二のツッコミが南の海に虚しく響き渡るのであった。


第五章:黄金糖航路の開拓と次なる

冒険戦闘(という名の概念破壊)を終えた《プリンセス・キャロット号》は、海賊船群をそのまま拿捕・回収タグロープで繋ぎ止めながら、再び南への航海を続けた。

夕暮れ時。
南の海の空が鮮やかな茜色に染まり、海面は《プリンセス・キャロット号》が残していった『黄金糖航路』のカラメル光沢と混ざり合って、まるで黄金色のスープのように美しい輝きを放っていた。

「あらあら、咲姫様、皆様。夕食のお時間ですわよ」

割烹着姿の調燕士・サヨと農雀士の真紀子が、竪穴補給ラインから送られてきたばかりの新鮮な海の幸と、採れたて野菜の熱々お味噌汁、そして特製の『艦載医療プリン(FMP)』を甲板の特設テーブルへ並べた。

「おー!ご飯なのですっ!」
咲姫がお味噌汁を美味しそうに啜り、ぷはーっと息を吐く。

「ふむ......!探検艦の性能も、概念破壊大砲の実戦テストも完璧だったのです!これなら南の大海原のどこへ行っても負ける気が出ないのですっ!」

「まあ、確かにあの戦闘力と防御力なら、どんな海域でも無敵だろうけどな......」
猫二がお刺身をつつきながら苦笑する。
「だが咲姫、俺たちの目的は海賊退治じゃないぞ。未知の島々を探検して、星図を作り、新しい貿易ルートを拓くことだ」

「分かっているのです、猫二くん!」
咲姫は『符凛刀』をキラリと輝かせ、遥か南の水平線を指差した!

「咲姫の目が捉えているのです!あの水平線の彼方には、見たこともない巨大な未知の大陸と、美味しいお宝がたくさん眠っているのですっ!」

「ふにゃ~~♪未知の大陸で飲むお酒、楽しみだお~~♪」
うさちぁんが白金酒樽からひしゃくでお酒を汲み上げ、みんなで高らかに乾杯を交わす。

余剰鉱石で造り上げた無敵の要塞ドック港から飛び出し、船底カラメル塗装と概念破壊大砲という不条理な超技術を引っ提げて大海原へ乗り出した『にんじんっ酒樽合同会社』

彼らが描き出す黄金の航跡は、これから始まる大航海時代の歴史を、どこまでも甘く、楽しく、ハチャメチャに塗り替えていくのであった!

「全速前進なのですっ!目指すは南の果ての未開の大陸なのですっ!」

「「「おーっっ!!咲姫艦隊、大海原へ向かって突進だおーーーーっっ!!」」」


■今回の新規獲得・反映設定メモ

艦載1号艦:『にんじんっ型キャラベル級探検艦・1号艦プリンセス・キャロット号』
実戦兵器:『概念破壊大砲Royal-Concept-Breaker』(特殊カラメル弾CBC仕様)
戦闘実績:海賊艦隊の可動部をカラメル固着(FunctionLock)させ、船体無傷で完全無力化・戦意喪失。
航跡現象:航海した海域に『黄金糖航路(カラメル海)』が形成され、後続艦の航行効率が上昇。
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クラフトアルケミスト~大航海時代~作者:モカルドルラテ
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