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第13話 名を呼ぶ者

潮帳しおちょう――初めて潮帳に自分の名を書いた日を、失くした。

 イサナが立ち上がるより先に、わたしは瓢箪をつかんでいた。
 戸口の暗がりに、潮霊しおだまが立っているのだと思った。白い髪が、水の泡に見えた。

「......ひとりで来た」

 暗がりが言った。
 ウツロだった。両手を、胸の前で開いてみせた。何も持っていない、という形だった。

「ユラ姉さまの潮読みしおよみが、わたしたちに何の用」
「あなたにじゃ、ない」

 ウツロは、イサナを見ていた。

「この人に」

 イサナが、わたしの手の瓢箪に、自分の手を重ねた。下ろせ、という合図だった。
 わたしは、瓢箪を膝に戻した。


◇


 ウツロは、戸口の段に腰を下ろさなかった。
 土間の端に、膝を揃えて座った。わたしたちから、少し離れて。潮溜まりの縁に落ちたハルの櫛を、じっと見ていた。

 わたしは、瓢箪の横に置いていた小さな灯りを、少しだけ彼女の方へ寄せた。
 灯りの輪の中で、ウツロの手が見えた。指の節という節が、塩でひび割れていた。爪の間に、黒い砂が詰まっていた。

「ユラ姉さまは」
「神殿で、祈ってる。朝まで」

 ウツロは、櫛から目を上げなかった。

「抜けてきた。私がいないこと、あの人は気づかない。祈ってるあいだは」

 イサナは、壁にもたれたまま動かなかった。
 けれど、膝の上の手が、潮帳のある懐の辺りに置かれていた。


◇


「大潮司おおしおつかささまに、言われた」

 ウツロが言った。
 平らな声だった。坂のない道を、同じ速さで歩いていくような。

「祭りの前の晩。淵が引いたら、北の岩場を読め、と。白潮院しらしおいんの崖の下の、浅いところ。そこに、十歳のイサナから溶けたものがある。全部読んで、持って帰れ、と」

 わたしは、息を止めた。
 イサナの手が、懐の上で、指を握った。

「二日目の朝、読んだ。岩場が干上がったから。ユラさまが祈ってるあいだに」
「......それで」

 イサナの声は、掠れていた。

「潮瓶しおがめを、渡されてた。読んだら、吐き戻せ。祭りのあとで、届けろ、と」

 ウツロは、懐から小さな瓶を出した。
 蓋をしたままの、空の潮瓶だった。灯りの中で、素焼きの肌が鈍く光った。

「吐き戻さなかった」
「なんで」
「中に、子どもがいた」

 ウツロは、初めて顔を上げた。
 灰色の目が、イサナを見た。宴のときと同じ、まばたきをしない目だった。

「あなたの記憶の中に、女の子がいた。養い所やしないじょの、塀の中。あなたと同じくらいの背で、いつも、あなたの後ろにいた。あなたは、その子を、ナズナと呼んでた」

 土間の潮溜まりの縁で、水が一滴、落ちる音がした。

「私は、自分の名前を知らない」

 ウツロは言った。

「ウツロは、潮司庁しおつかさちょうでつけられた名前。空ろ、のウツロ。奥で使われるようになってから、そう呼ばれた。その前の名前は、ない。私の中に、ない」

 彼女は、空の潮瓶を膝の上に置いた。

 わたしは、帳面の、契約の写しに続く頁を思い出していた。酒場で、イサナの潮帳から写した何十行のうちの一行。
 初めて潮帳に自分の名を書いた日を、失くした。
 この土間にいる二人は、どちらも、自分の名前の始まりを持っていなかった。

「少しだけ、先に言う。嘘じゃないと、分かるように」

 ウツロは、指で土間の土をなぞった。

「あなたは、その子に、字を教えてた。塀の中の、砂の上に。その子は、字が書けなかった。あなたが、一画ずつ、書いてみせた。その子の名前を」

 わたしは、息を止めた。
 崖の下の浜。砂の上の、震えた二文字。コ、チ。
 誰に習った、と彼は聞いた。あなたよ、とわたしは答えた。

 イサナは、何も言わなかった。
 けれど、膝の上の指が、ほんの少しだけ動いた。見えない砂の上に、何かを書くように。

「中身を、教える。そのかわり、答えて」

 イサナを、まっすぐに見た。

「あなたの記憶の中に、ナズナという子がいた。......それは、私?」


◇


 イサナは、長いこと答えなかった。
 灯りの炎が、小さく揺れた。

「覚えてねえ」

 やがて、彼は言った。

「あんたの顔も、ナズナって名前も、覚えてねえ。俺の中には、何もねえ。答えようがねえよ」
「知ってる」

 ウツロは、頷いた。

「だから、先に、教える。聞いてから、答えて。聞いても分からなければ、それでいい」

 イサナは、懐に手を入れた。
 潮帳を出した。油紙の包みを解いて、最初の頁を開いた。

 わたしは、その頁を知っていた。
 港の防波堤で、頁をめくる風に一瞬だけ見えた、子どもの字。線が震えて、墨が滲んでいた。

 家族を思い出そうとするな

 イサナは、その一行を見ていた。
 指で、字の上をなぞった。一度。二度。名簿の朱を、酒場でなぞったときと同じように。

「十の俺が、書いた」

 彼は、誰に言うでもなく言った。

「思い出そうとするな、と。十の俺は、何を知ってたんだ。......何を知ってて、これを書いた」

 ウツロは、答えなかった。
 答えを持っているのは、彼女だった。そして、それを差し出すかどうかは、イサナが決めることだった。


◇


 わたしは、自分の帳面を開いていた。
 一頁目。契約の写し。

 読むかどうかは、俺が決める。
 玉座の淵には、潜らない。

 その下に、何も書き足していなかった。
 あの晩、彼が欲しがったのは、封の先にある自分の過去だった。わたしが王になれば、封を開けられる。それが、彼がわたしと来る理由の、半分だった。

 今夜、彼がそれをウツロから受け取ったら。
 理由は、半分になる。

 わたしは、帳面を閉じた。
 閉じてから、口を開いた。

「ウツロ」

 ウツロが、わたしを見た。

「あなたが読んだものは、あと何日、あなたの中に残るの」
「......二日。たぶん。もう、端から、薄くなってる」
「なら、口で言うだけじゃだめ」

 わたしは、背負い袋から、まだ何も書いていない紙の束を出した。書庫で写しものをするために持ってきた、上等な紙だった。筆と墨も、一緒に土間に置いた。

「書いて。読んだとおりに、潮記しおふみにして。考えたことは書かないで。見たとおりにだけ。字にすれば、あなたの中から消えても、残る」

 ウツロは、紙の束を見た。
 それから、わたしを見た。

「大潮司さまに、逆らうことになる」
「あなたは、平気なの」
「分からない」

 ウツロは、空の潮瓶を指先で撫でた。

「ユラさまは、大潮司さまの言うとおりにする。私も、ずっと、そうしてきた。言われたとおりに読んで、言われたとおりに吐き戻した。何を読んだかも、すぐ忘れた。......今夜だけ、しない」

「あなたは、なぜ」
「潮司庁の証言録は、誰かが書き直してた。わたしは、あれを読んだの。だから、書き直されない潮記が、一冊くらいあってもいいでしょう」

 わたしは、イサナの方を向いた。

「でも、聞くかどうかは、あなたが決めなさい。読むかどうかを、あなたが決めるのと同じ。聞かないなら、この紙は、わたしがしまう」

 イサナは、わたしを見た。
 灯りの向こうで、彼の顔の半分だけが見えた。港の、あの晩と同じだった。

「......あんたは、それでいいのか」

 彼は、低く言った。

「俺がこれを聞いたら、封を開けてもらう理由が、ひとつ減る」
「知ってるわ」
「なら、なんで紙を出す」
「払わせた分の勘定は、払わせた方がつけるものでしょう」

 わたしは言った。自分の声が、思っていたより落ち着いていた。

「あなたは、わたしのために読んで、わたしとの朝を失くした。その勘定を、封と引き換えにしか払えないなんて、筋が通らないわ」


◇


 イサナは、潮帳の最初の頁に目を落とした。
 家族を思い出そうとするな。

 十歳の子どもが、自分に向けて書いた字。
 その字を、十六の彼は、指でなぞっていた。

「十の俺には、悪いがな」

 彼は、潮帳を閉じた。

「俺は、聞く」

 ウツロの肩から、少しだけ力が抜けたように見えた。
 彼女は、紙の束を膝の前に引き寄せた。筆を取った。墨を含ませた。

「長くなる」
「かまわねえ」
「書き終わるまで、夜半まで、かかる」
「待つ」

 イサナは、壁にもたれ直した。
 目は、ウツロの筆先から離れなかった。

 ウツロは、紙の一枚目に、最初の行を書いた。
 字は、細くて、まっすぐだった。語尾を省いた、短い行。灯りの輪の中で、墨が、ゆっくりと乾いていった。

 わたしは、その横顔を見ていた。
 そして、自分の帳面の新しい頁を開いた。今夜、彼は何も失くしていない。書き写すものは、ない。
 それでも、一行だけ書いた。

 三日目の夜。イサナは、聞くと決めた。

 外で、遅い月が、ようやく石工の町の屋根を越えた。
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【完結】第七王女は海に沈まない—泳げないわたしと、王位継承の七日間—作者:甕星 慶(ミカボシケイ)
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第13話 名を呼ぶ者

潮帳しおちょう――初めて潮帳に自分の名を書いた日を、失くした。

 イサナが立ち上がるより先に、わたしは瓢箪をつかんでいた。
 戸口の暗がりに、潮霊しおだまが立っているのだと思った。白い髪が、水の泡に見えた。

「......ひとりで来た」

 暗がりが言った。
 ウツロだった。両手を、胸の前で開いてみせた。何も持っていない、という形だった。

「ユラ姉さまの潮読みしおよみが、わたしたちに何の用」
「あなたにじゃ、ない」

 ウツロは、イサナを見ていた。

「この人に」

 イサナが、わたしの手の瓢箪に、自分の手を重ねた。下ろせ、という合図だった。
 わたしは、瓢箪を膝に戻した。


◇


 ウツロは、戸口の段に腰を下ろさなかった。
 土間の端に、膝を揃えて座った。わたしたちから、少し離れて。潮溜まりの縁に落ちたハルの櫛を、じっと見ていた。

 わたしは、瓢箪の横に置いていた小さな灯りを、少しだけ彼女の方へ寄せた。
 灯りの輪の中で、ウツロの手が見えた。指の節という節が、塩でひび割れていた。爪の間に、黒い砂が詰まっていた。

「ユラ姉さまは」
「神殿で、祈ってる。朝まで」

 ウツロは、櫛から目を上げなかった。

「抜けてきた。私がいないこと、あの人は気づかない。祈ってるあいだは」

 イサナは、壁にもたれたまま動かなかった。
 けれど、膝の上の手が、潮帳のある懐の辺りに置かれていた。


◇


「大潮司おおしおつかささまに、言われた」

 ウツロが言った。
 平らな声だった。坂のない道を、同じ速さで歩いていくような。

「祭りの前の晩。淵が引いたら、北の岩場を読め、と。白潮院しらしおいんの崖の下の、浅いところ。そこに、十歳のイサナから溶けたものがある。全部読んで、持って帰れ、と」

 わたしは、息を止めた。
 イサナの手が、懐の上で、指を握った。

「二日目の朝、読んだ。岩場が干上がったから。ユラさまが祈ってるあいだに」
「......それで」

 イサナの声は、掠れていた。

「潮瓶しおがめを、渡されてた。読んだら、吐き戻せ。祭りのあとで、届けろ、と」

 ウツロは、懐から小さな瓶を出した。
 蓋をしたままの、空の潮瓶だった。灯りの中で、素焼きの肌が鈍く光った。

「吐き戻さなかった」
「なんで」
「中に、子どもがいた」

 ウツロは、初めて顔を上げた。
 灰色の目が、イサナを見た。宴のときと同じ、まばたきをしない目だった。

「あなたの記憶の中に、女の子がいた。養い所やしないじょの、塀の中。あなたと同じくらいの背で、いつも、あなたの後ろにいた。あなたは、その子を、ナズナと呼んでた」

 土間の潮溜まりの縁で、水が一滴、落ちる音がした。

「私は、自分の名前を知らない」

 ウツロは言った。

「ウツロは、潮司庁しおつかさちょうでつけられた名前。空ろ、のウツロ。奥で使われるようになってから、そう呼ばれた。その前の名前は、ない。私の中に、ない」

 彼女は、空の潮瓶を膝の上に置いた。

 わたしは、帳面の、契約の写しに続く頁を思い出していた。酒場で、イサナの潮帳から写した何十行のうちの一行。
 初めて潮帳に自分の名を書いた日を、失くした。
 この土間にいる二人は、どちらも、自分の名前の始まりを持っていなかった。

「少しだけ、先に言う。嘘じゃないと、分かるように」

 ウツロは、指で土間の土をなぞった。

「あなたは、その子に、字を教えてた。塀の中の、砂の上に。その子は、字が書けなかった。あなたが、一画ずつ、書いてみせた。その子の名前を」

 わたしは、息を止めた。
 崖の下の浜。砂の上の、震えた二文字。コ、チ。
 誰に習った、と彼は聞いた。あなたよ、とわたしは答えた。

 イサナは、何も言わなかった。
 けれど、膝の上の指が、ほんの少しだけ動いた。見えない砂の上に、何かを書くように。

「中身を、教える。そのかわり、答えて」

 イサナを、まっすぐに見た。

「あなたの記憶の中に、ナズナという子がいた。......それは、私?」


◇


 イサナは、長いこと答えなかった。
 灯りの炎が、小さく揺れた。

「覚えてねえ」

 やがて、彼は言った。

「あんたの顔も、ナズナって名前も、覚えてねえ。俺の中には、何もねえ。答えようがねえよ」
「知ってる」

 ウツロは、頷いた。

「だから、先に、教える。聞いてから、答えて。聞いても分からなければ、それでいい」

 イサナは、懐に手を入れた。
 潮帳を出した。油紙の包みを解いて、最初の頁を開いた。

 わたしは、その頁を知っていた。
 港の防波堤で、頁をめくる風に一瞬だけ見えた、子どもの字。線が震えて、墨が滲んでいた。

 家族を思い出そうとするな

 イサナは、その一行を見ていた。
 指で、字の上をなぞった。一度。二度。名簿の朱を、酒場でなぞったときと同じように。

「十の俺が、書いた」

 彼は、誰に言うでもなく言った。

「思い出そうとするな、と。十の俺は、何を知ってたんだ。......何を知ってて、これを書いた」

 ウツロは、答えなかった。
 答えを持っているのは、彼女だった。そして、それを差し出すかどうかは、イサナが決めることだった。


◇


 わたしは、自分の帳面を開いていた。
 一頁目。契約の写し。

 読むかどうかは、俺が決める。
 玉座の淵には、潜らない。

 その下に、何も書き足していなかった。
 あの晩、彼が欲しがったのは、封の先にある自分の過去だった。わたしが王になれば、封を開けられる。それが、彼がわたしと来る理由の、半分だった。

 今夜、彼がそれをウツロから受け取ったら。
 理由は、半分になる。

 わたしは、帳面を閉じた。
 閉じてから、口を開いた。

「ウツロ」

 ウツロが、わたしを見た。

「あなたが読んだものは、あと何日、あなたの中に残るの」
「......二日。たぶん。もう、端から、薄くなってる」
「なら、口で言うだけじゃだめ」

 わたしは、背負い袋から、まだ何も書いていない紙の束を出した。書庫で写しものをするために持ってきた、上等な紙だった。筆と墨も、一緒に土間に置いた。

「書いて。読んだとおりに、潮記しおふみにして。考えたことは書かないで。見たとおりにだけ。字にすれば、あなたの中から消えても、残る」

 ウツロは、紙の束を見た。
 それから、わたしを見た。

「大潮司さまに、逆らうことになる」
「あなたは、平気なの」
「分からない」

 ウツロは、空の潮瓶を指先で撫でた。

「ユラさまは、大潮司さまの言うとおりにする。私も、ずっと、そうしてきた。言われたとおりに読んで、言われたとおりに吐き戻した。何を読んだかも、すぐ忘れた。......今夜だけ、しない」

「あなたは、なぜ」
「潮司庁の証言録は、誰かが書き直してた。わたしは、あれを読んだの。だから、書き直されない潮記が、一冊くらいあってもいいでしょう」

 わたしは、イサナの方を向いた。

「でも、聞くかどうかは、あなたが決めなさい。読むかどうかを、あなたが決めるのと同じ。聞かないなら、この紙は、わたしがしまう」

 イサナは、わたしを見た。
 灯りの向こうで、彼の顔の半分だけが見えた。港の、あの晩と同じだった。

「......あんたは、それでいいのか」

 彼は、低く言った。

「俺がこれを聞いたら、封を開けてもらう理由が、ひとつ減る」
「知ってるわ」
「なら、なんで紙を出す」
「払わせた分の勘定は、払わせた方がつけるものでしょう」

 わたしは言った。自分の声が、思っていたより落ち着いていた。

「あなたは、わたしのために読んで、わたしとの朝を失くした。その勘定を、封と引き換えにしか払えないなんて、筋が通らないわ」


◇


 イサナは、潮帳の最初の頁に目を落とした。
 家族を思い出そうとするな。

 十歳の子どもが、自分に向けて書いた字。
 その字を、十六の彼は、指でなぞっていた。

「十の俺には、悪いがな」

 彼は、潮帳を閉じた。

「俺は、聞く」

 ウツロの肩から、少しだけ力が抜けたように見えた。
 彼女は、紙の束を膝の前に引き寄せた。筆を取った。墨を含ませた。

「長くなる」
「かまわねえ」
「書き終わるまで、夜半まで、かかる」
「待つ」

 イサナは、壁にもたれ直した。
 目は、ウツロの筆先から離れなかった。

 ウツロは、紙の一枚目に、最初の行を書いた。
 字は、細くて、まっすぐだった。語尾を省いた、短い行。灯りの輪の中で、墨が、ゆっくりと乾いていった。

 わたしは、その横顔を見ていた。
 そして、自分の帳面の新しい頁を開いた。今夜、彼は何も失くしていない。書き写すものは、ない。
 それでも、一行だけ書いた。

 三日目の夜。イサナは、聞くと決めた。

 外で、遅い月が、ようやく石工の町の屋根を越えた。
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【完結】第七王女は海に沈まない—泳げないわたしと、王位継承の七日間—作者:甕星 慶(ミカボシケイ)
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