ep.354 スタッフ紹介、空舞う鳩と地獄の裏方たち
「にゃうにゃあ...。作品の質を決めるのは役者だけではないのです。それを支えるスタッフの『阿鼻叫喚』こそが、最高のメイキング映像になるのですー!!」 咲姫は自前のディレクターズチェア(玉葱のコンテナ製)に座り、メガホンを片手に現場を見渡す。今作の撮影を支えるのは、前作を生き抜いた精鋭と、新たに「捕獲」された新戦力だ。
「...ピジョンさん! もっと高度を下げて、餡子熊王さんの毛並みに付着した玉葱の粉塵をクローズアップするのですー!」 「ひ、ひえぇ! 無理です監督! 目が、目が開かないのですーっ!!」 上空で羽ばたくのは、新加入のピジョン(鳩獣人)。背中に真っ白な羽を持つ彼女は、空撮担当として採用されたが、上昇気流に乗って漂ってくる玉葱の催涙成分に直撃され、空中でもがき苦しんでいた。
「...さらっと。ピジョンさんの墜落保険料は給与から天引き済みです。皆様、撮影を続行してください」 冷静にタブレットを叩くのは、財務担当のアリシア。その横では、果林とサヤが「もっとドラマチックな爆発を!」と、玉葱を火薬で煮詰めた特殊効果用の「催涙手榴弾」を量産している。
「監督、カメラのピントが玉葱の汁でボヤけるニャ! でも、このボケ味が『地獄の臨場感』を演出してるニャ!」 重いカメラを抱えて走り回る猫二。その後ろでは、わんわんが「ワンワン!(もっと絶望を!)」と吠えながら、逃げ出そうとするスタッフの尻を噛んで引き止めている。
そして現場の最前線、泥まみれで玉葱を運び続けるのは、もはや風景の一部と化した騎士一家と怪獣リーダーたちだ。 「...騎士さん、重いものは私たちが持ちます。あなたは...その美しいみじん切りのフォームだけを維持してください」 「そうですよ騎士さん、筋肉の躍動を計算に入れた搬入計画、立ててありますから!」 サヨとアリスの過剰なサポートを受けながら、騎士は無言で玉葱の海に消えていく。
「あはは、みんな良い仕事してるねぇ~。特にピジョンちゃん、羽をむしられないうちに、この『気付け薬(度数90%)』飲んどく?」 うさちぁんが、宙吊りになったピジョンに地上から酒瓶を差し出す。
「これなのです! 全員が極限! 全員が狂気! このスタッフたちの『生』の記録こそが、『玉ねぎは天国の使者か地獄の生者か』の真の姿なのですー!!」 咲姫の「見」の瞳が、現場のすべてを容赦なく切り取っていく。
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【見の章:進捗状況 2/8】
咲姫(総監督):スタッフの苦痛を「演出」として再定義し、撮影を強行。
ピジョン(鳩獣人):空撮担当だが、催涙ガスに弱すぎて常に墜落の危機。
新人(監修):16エトスの重みでネギと玉葱の配置を厳格に指示。
騎士一家:過酷な現場でなぜか絆(と狂気)を深めていく。
うさちぁん:スタッフ向けに「目の洗浄液(という名の激辛リキュール)」を販売。
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次回、ep.355「メイキング本編:地獄のクランクイン、餡子の深淵」