ep.334 厳粛なる茶番、あるいは正義の執行
「いいか。これは『遊び』ではない。我々は、銀河に正しい倫理観を提示するプロフェッショナルなのだ」 騎士が、これ以上ないほど厳粛な面持ちで、アイロンの効いた「悪の参謀」の衣装に袖を通した。
昨夜の魔法の酒による乱痴気騒ぎは、アリシアの手によって「さらっと」アーカイブの奥底へ封印された。今、ステージに立つのは、冷徹な悪役を演じる騎士と、それに立ち向かう「勇者」たちである。
「悪逆非道な参謀...! 私が、エルフの誇りにかけて、あなたの不真面目な行いを裁いてみせます!」 サヨが、氷のように冷たく、それでいて透き通るような「正しい勇者」の声で宣言する。 その隣には、純白のドレス(戦闘服)を纏ったアリスが、聖剣を厳かに掲げた。 「その通りです! あなたが隠し持っていた『お粥の具材(高級ネギ)』を、今すぐ民衆(新人)に返しなさい!」
内容は極めて不真面目だが、彼女たちの表情は真剣そのもの。これぞ、咲姫が再建計画の柱に据えた【高付加価値・本格演劇バトル】である。
「ふん、このネギは既に私の胃袋という名の暗黒次元へ消えた...。返して欲しくば、私を倒してみろ。ただし、床に一滴の汗も落とさずにな」 騎士の無茶苦茶な要求に、観客の富豪たちは「これぞ究極のストイックさ!」と、かつてない額の投げ銭を投じる。
新人は、舞台の端で「返せー! 僕のネギを返せー!」と、本気で涙を流しながら叫んでいた。その「真に迫った演技(本音)」が、さらに舞台の完成度を高めていく。
うさちぁんは、舞台袖で「正義の味方の差し入れ」を装った、度数の高いエルフ酒をアリスに手渡した。 「はい勇者様、これは『聖水』だよぉ。これを飲んで、もっと不真面目な正義を執行しちゃってぇ~」
「にゃうにゃ! 素晴らしい...! この『真顔でバカげたことを全力でやる』緊張感! これこそが、芸術なのですー!」 咲姫は鼻血をティッシュで押さえ、真面目に感動の涙を流していた。
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【興の章:進捗状況 6/8】
咲姫:百合を封印し、「シリアスな笑い」という新たな鉱脈を発見。興奮で家計簿が再び赤字になりかける。
うさちぁん:「正義の酒」と称して怪しい度数の酒を配り歩き、舞台のテンションを無理やり維持させる。
サヤ:「ささっと」舞台上で破壊された小道具(高級ネギ)の代金を、騎士の給料から天引き。
アリシア:「さらっと」この舞台を『銀河正義教育プログラム』として登録。公的な補助金を申請。
わんわん:「さくっと」勇者が勝利した瞬間に吹き上がる「聖なる紙吹雪(実は請求書)」を準備。
果林:「くいっと」サヨの迫真の演技に「...あんた、意外と役者ね。将来はこっち(酒場)に引き抜こうかしら」と一考。
猫二:常務取締役として、背景の「悪の要塞」を段ボールで制作中。低コスト・高クオリティを目指すニャ。
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