ep.335 衝撃の愛告白、悪役は困惑
「ふん、この高級ネギは、私個人のコレクションだ。諦めろ、勇者ども!」 騎士が、悪の参謀として冷酷に言い放つ。サヨとアリスの二人は、疲れ切った顔で聖剣を構えていた。
「そんなことはさせません! そのネギは、苦しい生活を強いられている民衆...新人の大切な食料なんです!」 サヨが、気高きエルフの勇者として、正論を突きつける。アリスもまた、芯の強い瞳で騎士を睨みつけた。 「その通りです! そのネギは、昨夜の興行で新人が稼いだ、かけがえのない12エトスの結晶なんです!」
舞台裏で「返せー! 僕のネギを返せー!」と叫んでいた新人(観客富豪からは「名もなき民衆A」と認識されている)も、その言葉にさらに熱演する。完璧な勧善懲悪劇。 ...しかし、その時だった。
モニター越しの咲姫が、突然、狂ったように叫んだ。 「にゃうにゃー! ここで脚本変更なのですー! 騎士! その勇者に、愛の告白をするのです! 『お前を倒す気にはなれない。私だけの勇者になってくれ』って言うのですー!」
「はぁっ!?」 騎士が、悪役の仮面の下で素っ頓狂な声を上げた。しかし、耳元に装着されたアリシア製の通信機からは、「さらっと。脚本は絶対です。拒否権はありません」と冷酷な声が響く。
「くっ...!」 騎士は、屈辱に顔を歪ませながら、サヨに向かって膝を折った。 「...勇者よ。私は、貴様を、倒す気にはなれない。私の、闇の王国を...私だけの勇者として、支配してくれ...!」
「えっ...?」 真面目な顔で正義を執行していたサヨは、まさかの展開に凍り付く。アリスもまた、聖剣を構えたまま固まっていた。 「は、ははは! 悪役め、ついに狂ったか!」と、新人が舞台の端で、なぜか満面の笑みで叫ぶ。
うさちぁんは、舞台袖でゲラゲラと笑いながら、舞台上に「愛の告白」用の薔薇を投げ入れた。 「あはは、最高に不真面目だねぇ~。咲姫ちゃん、この脚本、もっと早く出すべきだったよぉ~!」
「にゃうにゃ! これなのです! 正義と悪が混じり合う、禁断の愛...! 私のプリンがなくても生きていけるのですー!」 咲姫は、興奮のあまり、再び鼻血を出しながら絶叫した。
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【興の章:進捗状況 7/8】
咲姫:百合だけでなく、BL(?)やまさかの愛憎劇にも手を広げ、演出家としての才能(?)を開花。
うさちぁん:騎士の困惑ぶりを見て、さらに「聖水(ただのウォッカ)」を舞台上に撒き散らす。
サヤ:「ささっと」この「衝撃の愛告白シーン」を抜き出して、新たな有料コンテンツとして販売。
アリシア:「さらっと」騎士の労働契約に「シナリオ変更への絶対服従」の条項を追加。
わんわん:「さくっと」騎士が膝をついた場所に、ハート型の照明を設置。
果林:「くいっと」サヨの困惑顔を見て、「...これは、なかなか良い『味』が出るわね」と意味深な笑み。
猫二:常務取締役として、背景の「悪の要塞」に急遽「愛のデコレーション」を施すよう怪獣たちに指示。
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