ep.389 地底の熱源、あるいは酒の権化の聖域
「にゃうにゃあ! 水上、水中、泥中、断崖...すべて埋まったのです! 残るフロンティアは、この星系の熱源...地底のマグマのすぐそばなのですー!!」
咲姫が不敵に笑い、地質調査用のドリルを島の中央に突き立てる。アリシアが計算機を叩き、この星系で最も過酷かつ「極」まった居住区のプランを読み上げた。
「...さらっと。うさちぁん様、および果林様の社宅『灼熱の地底湖テラス』を公開します。
立地:地表から遥か下。マグマ層まで残り150mという限界地点。
構造:圧力で沸騰寸前の地底湖に浮かぶ二階建て。
特殊仕様:1階は「水中(地底湖内)」2階は「水上」天然の熱圧により、常に極上の燗酒が自動生成される仕組みです」
「あはは、最高だねぇ~。何もしなくても酒が温まるし、この圧力...酒の熟成にはもってこいさぁ~」うさちぁんは、汗一つかかずに周囲の熱気を楽しみ、早くも巨大な酒樽を地底湖に沈め始めた。
「うさちぁん様の仰る通りです!最高の環境ですね!私は一生、うさちぁん様についていきますっ!」果林はうさちぁんへの心酔ゆえに、地熱でゆらゆらと揺れる視界すら「聖なる光」と捉え、喜び勇んで1階の水中キッチンへ飛び込んでいく。
「地底湖の1階で料理...!?気圧と熱で鍋が爆発するニャ!果林、目を覚ますニャーー!!」総務部長・猫二が通信機越しに絶叫するが、地底の熱気にかき消される。
「...ふむ。地底の酒場。これまた演出的に『極(Kiwami)』だ。騎士よ、あちらのマグマの熱で焼いた『餡子石焼餅』を、果林の娘に作らせるよう手配しろ。...ズズッ」餡子熊王は、涼しい浮島の屋敷から地底のライブ映像を眺め、満足そうに餡子を啜っている。
「にゃうにゃあ!うさちぁん、果林!そこで最高の酒を造り、スタッフ全員の給料を回収...もとい、やる気を引き出すのです!20時の日没までに地底湖の温度調整を終わらせるのですー!!」
「...さらっと。超新人様、猫二部長。地底への階段1万段の清掃も追加任務です。もちろん、マグマの熱によるサウナ代として、時給から 木貨1NkQ ずつ徴収させていただきます」
「働かされてお金を取られるニャーー!!逆立ち作業の次はサウナ地獄ニャーー!!」白金貨(100,000NkQ)クラスの負債を抱えた猫二の悲鳴が、地底のマグマに共鳴して星系全体を震わせた。
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咲姫(総監修):地底150mのマグマ近傍に社宅を構えるという、もはや住居ではないレベルのTRANSFORMを敢行。
うさちぁん:地底湖の熱と圧力を利用し、経済をさらにボロボロにする「極」の酒造りを開始。
果林:うさちぁんの世話係として地底湖へ。過酷な環境を「愛の試練」と勘違いし、1階の水中で炊事。
猫二(総務部長):サウナ代天引きという鬼の沙汰に、いよいよ精神の「極」へ。
超新人:時給3NkQからサウナ代を引かれ、実質 時給2NkQ(パン2個分)で1万段の階段を掃除する。
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