ep.297 絶対清浄のソリ遊び。氷の惑星のホワイトアウト
『銀河しれっと特急』が次に向かったのは、視界のすべてが眩い白に染まる惑星『スノー・スフィア』 ここは咲姫の「一年中雪合戦がしたい」という願いを叶えるため、地表の100%が極上のパウダースノーで覆われた、美しくも過酷な氷の別荘だ。
「わあぁ! ふかふかなのです! サヤ、ここにかまくらを作って、最高に美味しいホットココアを飲むのです!」 「畏まりました。...ささっと」
サヤが指を弾くと、しれっと周囲の雪が渦を巻き、一瞬にして内装まで完璧な「豪華スイートかまくら」が完成した。 だが、かまくらの外はマイナス100度を超える極寒の世界。咲姫の吐息すらダイヤモンドダストに変わる中、アリシアがバインダーを叩いた。
「あらあら、咲姫様が風邪を引いては『できる秘書』の名が廃りますね。...さらっと」 アリシアが書類をひと撫ですると、咲姫を包む空間の温度設定がさらっと書き換えられ、彼女の周囲だけが常に陽だまりのような暖かさに固定された。
「準備万端なのです! それじゃあ...うさちぁん、あれを出すのです!」 「まかせてよぉ! この星のために用意した、最高に滑る『特製ソリ』だよぉ!」
うさちぁんが五神の虚空ポーチから取り出したのは、以前創り出した『聖域の白パン』を巨大化させ、うさちぁんがシェーカーで「摩擦係数」を限界まで削ぎ落とした、【生産品:不垢のパン・ソリ】 雪が付着することさえ拒絶するこのパンは、どんな斜面も重力無視の速度で滑走する。
「いくのですー! ヒャッホーなのです!」 咲姫を乗せたパンが、雪原を弾丸のような速度で駆け抜ける。雪煙を巻き上げ、物理的な制動を一切受け付けないその滑りに、追走するテラは絶叫した。
「咲姫様! そのパン、摩擦がゼロすぎて止まれませんわよ!? ああ、そのままではウイスキー・オーシャンへ続く次元の境界に激突しますわ!!」 「大丈夫だよぉテラちゃん! 私がこの星の重力をシェイクして、全部上向きのジャンプ台にしちゃったから!」
うさちぁんの言葉通り、咲姫はパンと共に宇宙へ向かって大ジャンプ。 氷の惑星の空に、琥珀色の海を持つ次の星が近づいてくるのが見えた。
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【拓の章:進捗状況 5/8】
・咲姫:パン・ソリで惑星を一周し、宇宙への大ジャンプを決める。
・サヤ:「ささっと」移動可能な「豪華かまくら」を量産。
・アリシア:「さらっと」惑星全域の気温データを管理し、咲姫を寒さから守る。
・うさちぁん:重力をジャンプ台に変えて、次の目的地への「近道」を作る。
・テラ:雪まみれになりながら、パンの滑走速度(マッハ3)を記録して泣く。
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