ep.298 琥珀色の海と、酔いどれ魚のフルコース
氷の惑星から『パン・ソリ』で宇宙へと飛び出した一行は、うさちぁんが重力をシェイクして作った「見えないスロープ」に導かれ、琥珀色に輝く惑星『ウイスキー・オーシャン』へと着水した。
バシャーン!と上がった飛沫からは、芳醇な樽の香りとピートの燻香が立ち昇る。 「ふぇぇ...海が全部、最高級のシングルモルトなのです!」 「あははは! 最高でしょぉ? ここなら溺れても幸せだよぉ!」 うさちぁんは到着するなり海水をすくい、幸せそうに喉を鳴らしている。
だが、この星の「異常さ」は景色だけではなかった。 海面からパシャリと跳ねたのは、銀色に輝く立派な鯛――なのだが、その目は完全に据わっており、千鳥足ならぬ「千鳥泳ぎ」でふらふらと咲姫に近づいてくる。
「咲姫様、お気をつけください。この星の生態系は、成分の100%がアルコールに適応...いえ、完全にアルコール中毒状態で進化しておりますわ」 テラが分析ボードを片手に警戒する。その時、巨大な「酔っ払いマグロ」が、酒の勢いそのままに咲姫のソリ目がけて突進してきた。
「あらあら、元気な食材ですね。...さらっと」 アリシアがバインダーをひと撫ですると、マグロの突進コースの摩擦係数がさらっと書き換えられ、マグロは咲姫の横を滑るように通り過ぎ、そのまま空中に浮かび上がった。
「そこを...ささっと」 空中に放り出されたマグロを、サヤが銀の包丁を閃かせて一閃。 しれっと空間を切り取った一撃により、マグロは着地する頃には、骨も内臓も綺麗に取り除かれた「極上のサク」へと姿を変えていた。
「すごいのです! 釣る手間が省けたのです!」 「咲姫ちゃん、このお魚は身自体がウイスキーでマリネされてるから、焼くだけで最高のアテになるよぉ♪」
サヤがささっと設営したコンロの上で、ウイスキー味の魚がパチパチと焼ける。 アリシアがさらっと用意した「酔い覚ましのチェイサー水(最高級)」を片手に、咲姫たちは琥珀色の波打ち際で、宇宙一贅沢なバーベキューを始めた。
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【拓の章:進捗状況 6/8】
・咲姫:ウイスキー味の焼き魚に舌鼓。お酒はまだ早いので、匂いだけで「ほわわん」とする。
・うさちぁん:海に直接ストローを刺そうとして、サヤに全力で止められる。
・サヤ:「ささっと」酔っ払い魚を調理。皮目はパリッと、身はしっとりと。
・アリシア:「さらっと」魚の暴走を管理。ついでに海域ごとの「アルコール度数分布図」を作成。
・テラ:海水の引火点と爆発の危険性を計算し続け、恐怖で顔が真っ青になる。
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