ep.299 月面直結のメインタワー。猫二、次元の隙間に消ゆ
巨大森、氷の世界、そしてウイスキーの海。 三つの極端な惑星を『銀河しれっと特急』で遊び尽くした咲姫は、別荘宇宙の中心で満足げに頷いた。
「テラちゃん、最後の仕上げなのです! 地上の『月面拠点』からいつでも遊びに来れるように、大きな大きな別荘タワーを建てるのです!」 「...。現状でも空間は繋がっていますが、確かに『ランドマーク』がないと論理的な座標が安定しませんわね。承認しますわ」
テラの許可が出るや否や、サヤとアリシアが動いた。 「咲姫様、建築資材は既に『五神の虚空ポーチ』に満載しております。...ささっと」 「設計図の法規チェックと、重力バランスの最適化は完了しています。...さらっと」
サヤがポーチから「星の結晶」を取り出し、アリシアがバインダーで空間を固定する。そこへ咲姫が茶器で光を点てると、三つの惑星の重力場が収束する中心点に、月面まで貫通する黄金の【別荘・メインタワー】が、しれっとその姿を現した。
だが、タワーの最上階...月面拠点の「地下倉庫」と直結するゲートが完成した瞬間、向こう側から「にゃーーーっ!?」という、聞き覚えのある情けない絶叫が響いてきた。
「にゃ、にゃんだこの光の穴は!? テラの新しいお仕置き部屋かニャ!?」
転がり込んできたのは、派手なスカジャンに身を包んだ猫獣人、猫二だった。 テラに命じられた強制労働(月面拠点の清掃)の最中に、しれっと開通したばかりの次元ゲートへ、雑巾を持ったまま吸い込まれてしまったらしい。
「あ、猫二ちゃんなのです! ちょうどいいところに来たのです!」 「お嬢さん!? ...って、なんだここは! 海が全部ウイスキーの色をしてるにゃ! 夢の国にゃ!? 楽園にゃ!?」
猫二は窓の外に広がる琥珀色の海を見るなり、労働の疲れを忘れて窓ガラスに張り付いた。 「にゃっふっふ、これだけ酒があれば、新しい『銀河・酔いどれフェス』が開催できるにゃ...!」
「あらあら、また悪巧みですか? ...さらっと」 アリシアが冷ややかな笑みを浮かべ、バインダーで猫二の「入国許可証」を事務的に抹消する。
「ま、待つにゃ! 俺はただ、この星のポテンシャルをプロデュースしようと...」 「猫二ちゃん、お仕事の続きはあっちの『氷の惑星』でするのです! 涼しくて捗るのですー!」
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【拓の章:進捗状況 7/8】
・咲姫:メインタワー完成。迷い込んだ猫二を歓迎(?)する。
・サヤ:「ささっと」タワーの内装を整え、ゲストルームを用意。
・アリシア:「さらっと」猫二の身柄を確保し、不法侵入罪で書類を作成。
・うさちぁん:猫二と酒のプロデュース話で盛り上がりそうになり、テラに睨まれる。
・テラ:猫二の出現により、タワーのセキュリティを「猫避けモード」に急遽変更。
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