ep.300 拓の章(完結):銀河の祝宴。わがままが繋ぐ別荘宇宙
黄金の『別荘・メインタワー』が、月面拠点から宇宙へと真っ直ぐに伸び、三つの惑星を光の帯で繋ぎ止めた。 ここは、咲姫が点てた茶器の光とうさちぁんの酒気が混ざり合い、アリシアとサヤが「しれっと」整えた、物理法則の通用しない最高の遊び場。
「それでは皆様...別荘宇宙の開拓、完了なのです! お祝いのお茶会を始めるのです!」
咲姫の宣言と共に、メインタワーの最上階テラスで宴が始まった。 テーブルにはサヤがささっと用意した、ウイスキー味の魚のムニエルと、巨大な葉から採れた蜜をたっぷり塗った『聖域の白パン』が並ぶ。
「にゃっふっふ...このウイスキー魚、商売になるにゃ! 氷の惑星で冷凍して、銀河中に輸出するにゃ!」 氷の惑星での強制労働(雪かき)から解放された猫二が、懲りずに商談を持ちかける。
「あらあら、その事業計画書、私がさらっと検閲しておきましょうか? 利益の9割は咲姫様の別荘維持費に充当するという条件で」 「9割!? 鬼だにゃ! たぬきじゃなくて鬼がここにいるにゃ!」 アリシアの事務的な笑顔に、猫二の尻尾が恐怖でピンと直立した。
その横では、うさちぁんが琥珀色の海を見下ろしながら、特製シェーカーで最後の仕上げをしていた。 「仕上げだよぉ! この宇宙に、一生消えない『楽しさの泡』を混ぜちゃうよぉ!」
うさちぁんがシェーカーを振ると、メインタワーから虹色の泡が溢れ出し、三つの惑星を優しく包み込んだ。その泡に触れた者は、誰でも「わがまま」を一つだけ形にできるという、この宇宙だけの特別なルールが書き加えられたのだ。
「...。もはや管理官として申し上げることはありませんわ」 テラは、自分の計算式が書き換えられた事務ボードをそっと置き、サヤが淹れた温かい紅茶を口にした。 「咲姫様の『わがまま』は、宇宙を壊すのではなく、新しい居場所を『拓く』ための力...。論理的ではありませんが、非常に...心地よいですわね」
窓の外には、巨大な木々の間を縫って走る『銀河しれっと特急』と、氷の平原で楽しそうに遊ぶ小さな住人たちの姿があった。
「これからも、みんなでたくさん遊ぶのです! 私の別荘は、宇宙で一番楽しい場所にするのですから!」
咲姫の笑い声が、琥珀色の波の音と重なって、新しく拓かれた宇宙に響き渡った。
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【拓の章:最終進捗 8/8】
・咲姫:宇宙一の別荘を手に入れ、次なる「わがまま」を構想中。
・うさちぁん:別荘宇宙の「最高醸造責任者」に就任。毎日が試飲。
・アリシア:「さらっと」別荘宇宙の憲法を制定。猫二の自由を適度に制限。
・サヤ:「ささっと」タワーの全客室を清掃し、いつでもおもてなし可能な状態に。
・猫二:営業部長(仮)として、凍えながらも新しい金儲けの夢を見る。
・テラ:この宇宙の管理権を半分放棄し、別荘の「ゲスト第一号」として寛ぐことに決めた。
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