ep.223 二つの路、二つの響き
「レンさん、道を作るなら一本だけじゃダメなのです! エトスフェリアには、おっきな『表の本道』と、ちょっぴり小さな『内緒の地下道』が必要なのです!」
測量士のレンは、広げた地図を落としそうになりました。 「えっ、地下道!? まだ表の道すら繋がっていないのに、どうしてそんな二度手間なことを......」
「決まっているのです! 表の道は、お客さんが『こんにちはー!』ってやってくるための道。そして地下道は......」 咲姫は鼻をヒクヒクさせながら、ガラムの石窯と、地下の三連冷蔵庫を指差しました。 「美味しい匂いを閉じ込めて、お料理を冷まさずに運んだり、隠しておいたデザートをこっそりつまみ食い......じゃなくて、緊急時に食べ物を運ぶための『お腹の生命線』なのです!」
【エトスフェリア・ダブルロード計画】
表の本道(レン&ハク): 景色が一番綺麗に見えるように丘をなだらかに登る道。レンの計算で歩きやすく整えられ、ハクがその脇に「食べられる並木道(果樹園)」を整備。
秘密の地下道(ガラム&咲姫): ガラムが冷蔵庫の増築で培った「石積み技術」をフル活用。地下のひんやりした空気を保ちつつ、石窯の裏から各施設を繋ぐ物流ライン。 「これは便利だが......嬢ちゃん、これ絶対つまみ食い用だろ」とガラムは呆れ顔。
「うさちぁんも、地下道があったらお月様から降りてきた時、こっそりお酒の蔵まで行けるから喜ぶはずなのです!」
咲姫はそう言うと、魔法で地下の土を景気よくボボボン!と吹き飛ばし、ガラムとレンを大慌てさせました。
表の道からは、エトスフェリアの美しい景色と鐘の音が。 地下の道からは、焼き立てパンと熟成された焼酎の香りが。 二つの道が完成したことで、この街は「見せる顔」と「守るお腹」の両方を手に入れたのです。
「......できたのです。これでいつ、誰が、何百人やってきても、エトスフェリアのおもてなしは完璧なのです!」