ep.364 芋ネギの塔と、迷走する超高速輸送
「送(そう)の章」第4回。現場の混乱はさらなるカオスへ!ハヤテの超高速輸送が、咲姫の気まぐれな演出によって進路を変更させられ、現場は「新種誕生」と「空域汚染」の三重苦に陥ります。
「にゃうにゃあ! ハヤテさん! そこで地味に芋を運んでいる場合ではないのです! 今すぐこっちに来て、私のカメラの前で『残像』を見せるのですー!!」
咲姫の身勝手な指示が飛ぶ。最短ルートで効率よく芋を運んでいたハヤテは、ストップウォッチを止め、無表情のまま方向転換(ドリフト)を決めた。 「......了解。監督の元へ、0.03秒で到達する」 ハヤテが地面を蹴り、爆風を残して咲姫の至近距離へと肉薄する。しかし、彼女が本来運ぶはずだった大量の「砲弾用芋」が、現場のど真ん中に取り残されてしまった。
「チャンスなのです! この放置された芋に、私の『ネギ玉オーラ』を注入し、芋とネギのハイブリッド......『芋ネギ』を誕生させるのです!」 そこへ飛び込んできたのは超新人。彼はネギと玉葱の精霊の力を指先に集め、山積みの芋に突き立てた。瞬間、巨大芋の芽からネギが高速で生え、芋そのものが「緑色の筋」を纏った新種へと変異していく。
「......モグ。新素材、発見。この芋ネギ、繊維が強くて積みやすい......最高の『塔』が作れるモグ!」 積層狂のモグゾーがこれを見逃すはずがない。彼は超新人が生み出した「芋ネギ」を驚異的なスピードで積み上げ、高さ50メートルを超える『芋ネギ・バベルの塔』を瞬時に構築した。
「ひぎぃぃ! 監督! 目の前に突然、ネギが生えた山が現れましたぁー!!」 上空でカメラを回していたピジョンが悲鳴を上げる。モグゾーの塔が空路を塞ぎ、さらに超新人の魔力で変異した芋ネギからは、通常の3倍の濃度を持つ『紫の猛毒ネギガス』が噴出。ピジョンはガスに巻かれ、意識を失いかけながら塔のてっぺんへと墜落しそうになる。
「これなのですー!! 運搬の放棄が生んだ突然変異! そして空を汚染する新種の毒ガス! 苦しみもがくピジョンさんの表情......これこそが『送(そう)』の果てにあるカタルシスなのですー!!」
「あはは、ピジョンちゃんが燻製ネギ鳥になっちゃいそうだねぇ~。死ぬ前に、定価の1万倍の『解毒剤(という名のウォッカ)』を買わないと、そのまま墜落しちゃうよぉ~」 うさちぁんが、塔の麓でピジョンに向けて酒瓶を振り、現場の狂気はさらに加速していく。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
咲姫(総監督):演出のためにハヤテを呼び寄せ、結果として現場の物流を崩壊させて喜ぶ。
ハヤテ:咲姫の目の前で「残像」を維持するため、超高速で足踏みを継続中。
超新人:新種「芋ネギ」の量産に成功。時給がさらに上がることを期待してオーラを全開にする。
モグゾー:芋ネギタワーの頂上で、さらなる積層の極致を目指す。
ピジョン:猛毒ネギガスに直撃。墜落寸前で、カメラを死守しながら白目を剥く。
猫二:猫缶ボーナスのために、ガスマスクなしでピジョンの墜落現場へ走り出す。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━