ep.323 初陣!命懸けの「歩合制」
「戦わせろー!!」という咆哮とともに、遺跡の天井を突き破って、猫二を抱えた巨躯の怪獣が着地した。瓦礫が舞う中、時給1,000エトスの新人と、1,500エトスの騎士が身構える。
「ひ、ひえぇぇ!咲姫様ー!暴徒です!怪獣のストライキですニャー!」
怪獣の腕の中で猫二が叫ぶと、遺跡の壁に設置された巨大モニターに、ポップコーンを頬張る咲姫が「にゃうにゃ!」と映し出された。
「いいタイミングなのです!ちょうど『どん底からの逆転劇』が見たかったのです!」
咲姫は楽しげに指を鳴らした。
「でも、ただ戦うだけじゃつまらないのです。そこで新ルールなのです!怪獣を1体倒すごとに、時給を『1エトス』ずつ上げてあげるのです!」
「い、1エトス......!?100体倒しても、まだ1,100エトスじゃないか!」
新人が絶叫するが、横に立つ騎士は冷静に剣を抜き放った。
「......文句を言うな。俺は時給300エトスで1万体を斬ってきたんだ。それに比べれば、1体につき1エトス上昇など、破格のボーナスステージだ」
「さ、流石は先輩......!覚悟が違う!」
新人が騎士の背中に勇気をもらった瞬間、サヤが「ささっと」冷酷なアナウンスを被せる。
「ただし、遺跡の瓦礫1個につき『修繕費50エトス』を給料から天引きします。......ささっと」
「壊したらマイナス!?倒しても時給1アップなのに!?」
理不尽すぎる「歩合制」の戦場。一方、猫二を担いだ怪獣たちは、咲姫の視線を意識して「非効率な悪の美学」を守りつつ、一歩ずつじわじわと二人を追い詰めていく。
「いいかニャ!必殺技のチャージは3分待つ!でも攻撃は全力でやるニャ!」 猫二の泣き言のような指揮のもと、時給1,000エトスの命懸けの修行が幕を開けた。
【進捗状況7/12】
咲姫:
モニター越しに、新人が瓦礫の弁償に怯えながら戦う「卑屈なヒーロー像」を見て、最高のエンタメだと確信する。
うさちぁん:
戦場のすぐ脇で「投げ銭(エトス)機能」を搭載した応援メガホンを販売。利益の9割を自分の酒代に計上する。
サヤ:
「ささっと」飛んできた火の粉一つひとつに「環境汚染税」を課し、新人の給与明細を赤字に染める。
アリシア:
「さらっと」怪獣の襲来による損害を、すべて新人の「自己責任」とする免責事項を契約書に追記する。
わんわん:
「さくっと」騎士が戦いやすいように、怪獣の足元だけを狙って「落とし穴」を大量に掘削する。
果林:
「くいっと」戦場から逃げてきた猫二に「あんた、まだ指揮官やってるの?」と呆れながら酒を勧める。
猫二:
怪獣に振り回されながら「もっとカッコよくやられるニャ!」と、自分を守るための無茶振りを継続。