ep.285 究極の空間鍋!サヤの買い出しと限界の微笑み
地下500メートルの秘密指令所は、もはや「司令所」としての機能を失いつつあった。
咲姫が茶器で空間を点て、うさちぁんがシェーカーで座標を撹拌した結果、
この部屋の四方の壁は、物理法則を虚空へ放り投げ、特定の「美味しい場所」へ
直接繋がる『概念の窓』と化していた。
「テラちゃん、お取り寄せだけじゃ足りないのです!
今日はみんなで、あったか~い『お鍋』を食べたいのです!」
「...。もはや驚きも否定もしませんが、咲姫様。
ここには調理設備もなければ、排気システムも...」
テラが言いかけるが、うさちぁんが「お鍋いいじゃない!」と被せる。
「美味しいお鍋には、美味しいお酒が合うからねぇ!
テラちゃんも、お鍋なら静かに食べられるし、文句ないでしょぉ?」
うさちぁんの酒の誘惑と、咲姫のキラキラした視線に、
テラは「...。論理的に、本日の夕食メニューを鍋と承認しますわ」と静かに折れた。
その瞬間、咲姫の背後に控えていたサヤが、音もなく一歩前へ出た。
「咲姫様、お任せください。至高の鍋には、至高の具材が必要です。
私が『ささっと』世界中から最高の品を揃えてまいりますね」
サヤが廊下へ踏み出したかと思うと、次の瞬間には「北極圏の最高級蟹」を
抱えて戻り、また一歩踏み出したかと思えば「南方の幻のキノコ」を
手にしている。サヤの空間移動能力は、もはやお買い物マラソン状態だ。
しかし、その過酷な「お出かけ」の最中、事件は起きた。
うさちぁんが鍋の場所を確保しようと、シェーカーを片手に
「どっこいしょぉ!」とサヤが大切にしていたエルフの森の限定ハーブの鉢植えを
横にどかした際、その強大な握力で鉢を『パキッ』と割ってしまったのだ。
さらに、その割れた鉢の土が、サヤが用意した真っ白なテーブルクロスを汚す。
「あ、あはは...。サヤちゃん、ごめんねぇ、あとで新しいの買うからぁ...」
冷や汗を流すうさちぁん。
ちょうど戻ってきたサヤの足が、止まった。
その手には、伝説の龍の肉(霜降り)が握られている。
「...あらあら。ハーブの鉢が、無残な姿に。
お掃除、しなくてはいけませんね?」
サヤの微笑みは変わらない。だが、彼女の周囲の空気が「ミキミキ」と
軋み、テラのブリザードを物理的に押し返すほどのプレッシャーを放ち始めた。
「サ、サヤ...目が、笑ってないのです! 怒りのパワーで、
鍋の火力が勝手に上がっていくのです!!」
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【創の章:進捗状況 3/10】
・咲姫:秘密指令所を「全自動鍋会場」に指定。美味しいは正義を貫く。
・サヤ:空間移動で銀河中を買い出し。怒りゲージが爆発1分前。
・うさちぁん:謝りつつも、お取り寄せしたお酒の栓を抜き始める。
・テラ:サヤのプレッシャーに耐えきれず、静かに数式でバリアを張る。
・サヤの怒りゲージ:[■■■■■■■■■□](90%:鉢植えの恨みは深い)
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