ep.286 激突・四種の鍋!サヤの怒りと魔法のブローチ
地下500メートルの秘密指令所には、咲姫の「美味しいは正義」を具現化した四つの巨大な鍋が並んでいた。
一つは、サヤが調達した霜降りの【肉鍋】一つは、身の詰まった【カニ鍋】そしてピリッと辛い【キムチ鍋】
...しかし、最後の一つは異彩を放っていた。
「うさちぁん、準備はいいのですか?」「まかせてよぉ、いい出汁だしてあげるからぁ!」
咲姫の茶器魔法で空間を拡張された特大の鍋に、うさちぁんがお酒の樽を持って「入浴」する。
だが、その横でサヤの背負う「どす黒いオーラ」が、ついに沸騰した。
「...あらあら。メイド服を出汁にしようとしたり、鉢植えを割ったり...。
皆様、この『闇鍋』には、それ相応の具材が必要だと思いませんか?」
サヤが指をパチンと鳴らすと、しれっと移動の能力で空間が反転。
四つ目の鍋が、見るも恐ろしい紫色の湯気を噴き出す【真・闇鍋】へと変貌した。
具材はサヤが空間の裂け目から拾ってきた「概念のゴミ」や「テラのボツ計算式(物理的に痛い)」。
「サ、サヤ...! 怒りゲージが100%を超えて、エラーが出まくっていますわ!
このままでは地下500メートルがサヤ様の怒りで圧壊しますわよ!!」
テラがブリザードを忘れてガタガタと震える。
サヤの瞳から光が消え、まさに大爆発が起きようとしたその時。
咲姫がトコトコと歩み寄り、サヤのスカートの裾をぎゅっと握った。
「サヤ...いつも、わがままを聞いてくれてありがとうなのです。
これ、サヤに似合うと思って選んだのです」
差し出されたのは、小さくて、でもキラキラと輝く「星の結晶のブローチ」
メイドの激しい仕事の邪魔にならないよう、小ぶりで、それでいてサヤの銀髪に映えるデザインだった。
「...え?」
サヤの怒りが、真空に触れた熱湯のように一瞬で霧散した。
空間を歪ませていた黒いオーラが消え、サヤの頬がほんのりと赤らむ。
「...咲姫様。これ、私のために...?
...。...ふふ、そうですね。私は、咲姫様のメイドですから」
毒気を抜かれたサヤは、しれっと元の穏やかな微笑みに戻った。
「闇鍋」の中身も、彼女の空間魔法で一瞬にして「極上の海鮮つみれ」へと書き換えられる。
「よぉし! サヤちゃんの機嫌も直ったところで、乾杯しよぉ!」
鍋の中からお酒を振る舞う「だし汁(兼・参加者)」のうさちぁん。
「...。...寿命が1万年ほど縮まりましたわ。いただきますわよ」
秘密指令所の中心で、四つの鍋を囲む一行。
咲姫の輝く笑顔と、サヤの胸元で新しく輝くブローチが、
地下500メートルの空間をどこよりも温かく照らしていた。
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【創の章:進捗状況 4/10】
・サヤ:3年に一度の大爆発を「感謝のブローチ」で回避。忠誠心が∞に。
・咲姫:ブローチ一つで世界崩壊を救う。やはりこの世界の最強チート。
・うさちぁん:鍋に浸かりながらお酒を飲むという、新境地の宴会スタイルを確立。
・テラ:サヤの怒りが静まったことに安堵し、静かにカニを剥き始める。
・サヤの怒りゲージ:[□□□□□□□□□□](0%:向こう3年は安泰)
・リオ:出汁になりそうなところを回避できた喜びでむせび泣く
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