ep.294 巨木と氷とウイスキー。極端すぎる三惑星
アリシアが「しれっと」用意した月面拠点の庭先(という名の宇宙空間) そこには、咲姫の点てた茶器の光がカーテンのように揺らめき、真っ白なキャンバスが広がっていた。
「さあ、私の別荘を楽しくするのです! まずは、かくれんぼができるくらい大きな森が欲しいのです!」 「いいよぉ咲姫ちゃん! 成長のエネルギーをシェーカーで100倍にして、ドカンと混ぜちゃうからねぇ!」
うさちぁんが「命の躍動」を激しくシェイクし、咲姫がそれを虚空に撒く。 刹那、何もない空間から巨大な質量が膨れ上がり、【惑星:メガロ・フォレスト】が産声を上げた。
「...咲姫様。これ、木の一本一本が100メートルを超えていますわよ? 貴女の身長(145cm)なら、木の根っこの隙間だけで家が建ちますわ」 テラが呆れるが、咲姫は「見上げるのが楽しいのです!」と大はしゃぎ。アリシアは「この巨木なら、将来的に住宅資材として無限に切り出せますね」と、しれっと事務的な収益計算を始めた。
間髪入れず、咲姫は次の茶器を構える。 「次は、一年中雪合戦ができる、キラキラな場所なのです!」 「おっけー! 宇宙の冷気をギュギュッと絞って、ふわふわの結晶に変えちゃうよぉ!」
誕生したのは、【惑星:スノー・スフィア】 地表の100%がパウダースノーで覆われ、どこを掘っても最高の「かまくら」が作れる氷の楽園だ。テラが「寒冷化によるエネルギー効率が...」と言いかけるが、サヤが「咲姫様、特製の防寒着とホットココアの準備ができております」と、既に万全の体制を整えていた。
そして最後、うさちぁんの目が怪しく光った。 「最後は私が決めていいよねぇ? せっかく水惑星を作るなら、水なんて勿体ないよぉ!」 うさちぁんがシェーカーに自身の最高級ウイスキーを一滴垂らし、それを未完成の惑星へ投げ込む。
ゴボゴボという音と共に、琥珀色の海が惑星を覆った。 【惑星:ウイスキー・オーシャン】 大気には芳醇なピートの香りが漂い、海を泳ぐ魚たちは天然の「ウイスキー漬け」として、釣り上げた瞬間に極上の肴になるという。
「うさちぁん、これではお魚さんも酔っ払ってしまうのでは...?」 「大丈夫だよぉテラちゃん! ここの魚は肝臓が宇宙レベルで強いから!」 「...。論理が...論理がどこにもありませんわ...」
三つの極端な惑星が並び、別荘宇宙は一気に賑やかになった。 アリシアは満足げにバインダーへチェックを入れる。「巨木、雪、そして酒。...素晴らしいコンセプトの別荘地ですね」
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【拓の章:進捗状況 2/8】
・咲姫:メガロ・フォレストの巨大植物に大興奮。
・うさちぁん:ウイスキー・オーシャンの管理(という名の試飲)を自ら志願。
・アリシア:三惑星の「別荘登記」と「資源活用計画」を完了。
・サヤ:スノー・スフィア用のかまくらセットをポーチに完備。
・テラ:ウイスキーの蒸気で少し酔い、計算精度が0.5%低下。
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