ep.274 管理官の裁き!猫二、禁断のスイッチを押す
「......。私の不在中に、インフラの損壊率が400%を突破しています。
これはもはや事故ではなく、テロと定義するのが効率的ですね」
テラの事務ボードが青白く発光し、周囲の泡を瞬時に凍らせていく。
氷漬けになった泡の彫刻の中で、ずぶ濡れの猫二がガタガタと震えていた。
「にゃ、にゃー......にゃー(通りすがりの迷子だにゃ。優しくしてにゃ......)」
「その偽りの鳴き声、周波数が不快です。即刻、排除します」
テラが氷の拘束魔法を展開しようとしたその瞬間、猫二の野生(クズ)の勘が
爆発した。彼は凍りついた泡を蹴り飛ばし、テラの背後にある
『月面拠点・防衛システム』の緊急操作パネルへと飛び込んだ。
「にゃーっ! こうなったらヤケだにゃ!
全自動・ライブ演出モード、リミッター解除だにゃー!!」
猫二がデタラメに叩いたスイッチは、あろうことか『対彗星用・迎撃レーザー』を
『ライブ用・極太レーザー演出』に転用する禁断のモードだった。
ピコーン!という陽気な音と共に、月面拠点から宇宙へ向けて、
都市を焼き払うレベルの極太レーザーが、音楽に合わせて乱舞し始めた。
「わぁぁ! お空がとってもカラフルで、刺激的なのです!」
咲姫は空を切り裂くレーザーを見て拍手喝采だが、リオの顔は土気色だ。
「猫二ぃぃ! あれは演出用の光じゃない!
当たったら小惑星が蒸発するガチの兵器だぞ!!」
レーザーは音楽のリズムに合わせて、月面の観客席(という名の避難所)の
数メートル横を次々と薙ぎ払っていく。テラは即座に迎撃システムを
ハッキングして停止させようとするが、猫二が「にゃにゃにゃー!」と
デタラメなウイルスコード(猫の肉球スタンプ)をコンソールに叩き込み、
制御を上書きしてしまった。
「にゃっふっふ! 管理官もこれでお手上げだにゃ!
この隙に俺様は、今度こそ参加費を持って高飛び......」
「......。......。......。......キレました」
テラの背後に、巨大な皇帝ペンギンの幻影(スタンド)が立ち昇る。
彼女は事務ボードを投げ捨てると、そのフリッパー(翼)に
絶対零度の魔力を収束させた。
「猫二。あなたを『可燃ゴミ』として処理する手間すら惜しい。
今すぐその肉球をコンソールから離しなさい。さもなくば、
あなたの時間をマイナス273.15度で永久停止させます」
テラのガチすぎる殺気に、ようやく猫二も「これ、にゃーにゃー鳴いても
許されないやつだにゃ」と気づき、尻尾の毛を逆立たせた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【楽の章:進捗状況 4/6】
・猫二:防衛システムを暴走させ、全方位から恨みを買う。
・テラ:事務職の仮面を脱ぎ捨て、武力行使(物理)の準備完了。
・リオ:レーザーで焦げた事務所を見て、月面保険の破産を確信する。
・咲姫:レーザーの光で焼き芋を焼こうとして、うさちぁんに止められている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━