ep.275 身代わりの残像!猫二、最後の大博打
テラの絶対零度の殺気が月面拠点を凍りつかせる中、猫二は最後の悪知恵を
振り絞った。このままではペンギンに「効率的」に消される。ならば、
追っ手の目を逸らす「デコイ」を作るしかない。
「にゃっふっふ、これを使う時が来たにゃ!
超精密・自律型ホログラムロボ『偽・咲姫様(さきちゃま)』だにゃ!」
猫二がトランクの奥底から取り出したのは、咲姫の姿を完璧に模倣した
ブリキ製のロボットだった。猫二はこれに「わーい! 楽しいのですー!」
というボイスを吹き込み、テラの目の前へ突進させた。
「お嬢様が危ないにゃ! テラ、そっちの偽物...じゃなくて本物を
助けに行かないと、大変なことになるにゃ!」
猫二はロボをテラの方へ突き飛ばし、その隙に全速力で「一人用脱出ポッド」
へ駆け込んだ。しかし、テラは一歩も動かなかった。彼女の事務ボードには、
咲姫本人の生体波長(および、測定不能なバグ数値)がリアルタイムで
表示されていたからだ。
「...0.2秒で判別完了。咲姫様は現在、うさちぁん様とレーザーで
マシュマロを焼いて楽しんでおられます。そのブリキのゴミ、
即刻、シュレッダーにかけます」
パキィィィィン!
テラが指を鳴らした瞬間、偽咲姫ロボは瞬時に氷の塊となり、粉々に砕けた。
「にゃ、にゃにゃっ!? バレるのが早すぎるにゃー!!」
ポッドの扉を必死に閉めようとする猫二。だが、扉の隙間に
テラの冷たいフリッパーが差し込まれた。
「逃走ルート、および言い訳のパターンはすべて計算済みです。
猫二、あなたには『娯楽の真髄』を物理的に体験していただきます」
テラが背後から取り出したのは、月面拠点の修理用ロボを改造した
『全自動・猫二成敗マシーン:特製もずく酢シェイカー仕様』。
猫二を捕獲ネットでぐるぐる巻きにすると、そのままシェイカーの
中へと放り込んだ。
「にゃ、にゃー! にゃーにゃー(猫愛護団体に訴えるにゃー)!」
「鳴いても無駄です。これは、あなたが使い込んだ予算の1%分、
高速回転して目を回していただく『効率的な反省』装置ですから」
スイッチが押された瞬間、ポッドの中で猫二が遠心分離機のように
回り始めた。その光景を、ようやく駆けつけたリオが呆然と見守る。
「テラさん...それ、やりすぎじゃない?」
「リオ様、甘いです。彼はこの後、アンペリアの配管掃除(24時間労働)
が待っています。...もちろん、無給で」
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【楽の章:状況メモ 5/6】
・猫二:捕獲完了。シェイカーの中で「にゃにゃにゃー!」と絶叫中。
・テラ:事務ボードで「猫二の労働による損失回収プラン」を秒単位で策定。
・咲姫:マシュマロが美味しく焼けて大満足。「お祭りは最後が肝心なのです!」
・うさちぁん:猫二が回る姿を見て「新しいアトラクションだねぇ」と爆笑中。
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