ep.386 逆転の蒼穹、あるいは騎士の「聖域」
「にゃうにゃあ! 本星系の防衛の要、騎士の社宅も『普通』では許されないのです! 騎士という概念を再定義する、逆転の中華ドームを建設するのですー!!」
咲姫が誇らしげに指を差したのは、湖の底。猫二の沈島よりもさらに深い、漆黒の深淵だった。
「...さらっと。騎士様の社宅兼、撮影用セット『逆鱗の塔』の構造を説明します。
外見:水中に巨大な透明ドームを設置。
構造:ドームの天井(水面側)から、湖底に向かって『上下逆さま』に中華風の塔が生える設計。
コンセプト:西洋の騎士が、東洋の塔で、重力を無視して生活する演出美学」
「...な、何ということだ。名前こそ西洋の騎士だが、なぜ私が水底の中華楼閣で、逆さまに暮らさねばならんのだ...」騎士が頭を抱える横で、塔の入り口(ドームの頂点)では、煌びやかなチャイナドレスに身を包んだアリスとサヨが、慣れない手つきで扇子を広げていた。
「ニーハオ、なのです。騎士様、お帰りなさい、なのです」「パパ、このお洋服、裾がスースーして落ち着かないよ...」娘たちのあまりの可憐さと、それを台無しにする「逆さま」の居住空間に、騎士は眩暈を覚えた。これまでの人生、武官の平均給与500NkQを稼ぐ実直な生き方をしてきた彼にとって、この「極」まった演出は刺激が強すぎた。
「...ふむ。逆さまの騎士。これまた演出的に『極(Kiwami)』だ。...ズズッ」餡子熊王は、浮島の屋敷から水面下のドームを覗き込み、満足そうに餡子を啜っている。
「やぁやぁ騎士さん!上下逆転とは、まさに新しい視点!素晴らしいトレーニング環境ですね!」ポジティブ兎のぽぷらんが、西洋区画から運んだレンガを(逆さまに)積み上げ、天然の鷲獣人が「あ、そこにお洗濯物を干すと、湖の底に向かって落ちていきますよ?」と、物理法則が崩壊したアドバイスを送っていた。
「にゃうにゃあ!泣いている暇はないのです!20時の日没までにこの塔を完成させないと、騎士の家はただの『水没した柱』なのですー!!」
「...さらっと。超新人様、猫二部長。騎士様の家が逆さまなので、作業も逆立ちで行ってください。時給は変わらず3NkQ です」「血が頭に上って死ぬニャーー!!」白金貨(100,000NkQ)クラスの負債を抱えた猫二の絶叫が、水圧に押し潰されながら湖底へと沈んでいった 。
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咲姫(総監修):西洋騎士に中華風逆さ塔を与えるという「TRANSFORM」を完遂
騎士:武官の平均給与(500NkQ)を基準とした生活を重んじるが、逆さまの塔で愛娘たちとの新生活を強いられる。
アリス&サヨ:チャイナドレス姿でパパを迎える。逆さまの塔内では、アリスが「パパ、スカートがめくれるのです!」と困惑気味。
超新人:時給3NkQで逆立ち土木作業。逆流する鼻水と戦いながらレンガを積む。
猫二(総務部長):逆立ち作業という過酷な労働環境に、白金貨(100,000NkQ)の借金がさらに重くのしかかる。
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