ep.387 絶島に聳える「動物小屋」の洗礼
「にゃうにゃあ! 幹部たちの住処が決まったなら、次は拉致...もとい、期待の新スタッフたちの社宅なのです!湖のど真ん中に浮かぶ『スタジオ本島』に、彼らのポテンシャルを引き出す最高の『小屋』を作るのですー!!」
咲姫が不敵に笑いながら指差したのは、星系スタジオの心臓部となる巨大な絶島だった。切り立った山、深い森、そして勢いよく流れる川を備えたその島に、アリシアが冷徹なタクトを振るう。
「...さらっと。新スタッフ社宅群『アニマル・レジデンス』の建設プランを公開します。
鷲獣人(鳩小屋):山頂付近の垂直な崖に穴を掘った洞窟内。
兎獣人(兎小屋):森の巨木から頑丈な蔓で吊るされた空中回廊。
猫獣人(猫小屋):山から流れる急流の真上にせり出した高床式。なお、管理の都合上、これらもスタジオのセットとして兼用します」
「...あ、あの。私、鷲なのですが、なぜ『鳩小屋』と呼ばれているのでしょうか? しかもあの崖、お洗濯物を干しに行く途中で風に煽られて、湖まで真っ逆さまなのですが...」天然の鷲獣人の女性が、垂直の崖に掘られた「ただの穴」を見上げて首を傾げる。
「やぁやぁ皆さん!吊り下げ式の兎小屋!常に揺れていて、体幹が鍛えられますね!素晴らしいフィットネス環境だ!」ポジティブ兎のぽぷらんは、風に吹かれて激しくスイングする「空中兎小屋」を見て、目を輝かせて蔓を登り始めた。
「...うう、なんで川の上ニャ。湿気で毛がボサボサになるし、夜中に水音がうるさくて眠れないニャ...。お魚も、急流すぎて一匹も通らないニャ...」 猫獣人の女性は、足元を轟々と流れる川の飛沫に震えていた。彼女にとって、そこは「猫小屋」という名の拷問部屋に等しかった。
「にゃうにゃあ! 文句を言う暇があるなら、20時の日没までに内装を整えるのです!22時の消灯までに自分の寝床を確保できなかったら、野宿...いえ、『野外セットの小道具』として一晩中働いてもらうのですー!!」
「...さらっと。超新人様、猫二部長。新スタッフの社宅は『福利厚生』につき、建設作業はすべて無給です。時給3NkQは発生しませんので、慈悲の心で励んでください」
「福利厚生(タダ働き)ニャーー!!自分の沈島を修理する時間すら削られるニャーー!!」総務部長・猫二の悲鳴が、急流の水音にかき消されていく。
「あはは、過酷だねぇ~。はい、これ新築祝い。『安眠できる耳栓』さぁ。特別価格で 石貨80NkQ(初心者依頼報酬1.6回分)さぁ~。ツケなら1.1倍だよぉ~」うさちぁんが、パン1個=1NkQ の世界で、新スタッフたちの初任給を先食いするような暴利ビジネスを、笑顔で展開していた。
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咲姫(総監修):スタジオ本島の地形を活かし(?)、鷲・兎・猫に「鳩・兎・猫小屋」を割り当てる。
鷲獣人(鳩小屋):断崖絶壁の穴。天然すぎて、洗濯物と一緒に自分が墜落する未来が見える。
ぽぷらん(兎小屋):空中に吊るされた籠。激しい揺れを「アトラクション」として楽しむ狂気のポジティブ。
猫獣人(猫小屋):急流の上の高床式。湿気と騒音に耐えかね、初日からホームシックに陥る。
猫二(総務部長):福利厚生という名の無給残業(20時~22時)を押し付けられ、過労死の「極」へ。
うさちぁん:石貨80NkQ の耳栓を売りつけ、スタッフたちのわずかな希望を経済的に摘み取る。
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