ep.303 液体演算と、やりすぎな「水」の3Dプリンタ
地表には純度99.9%の超軟水、空には度数96%のウォッカ。 二つの巨大な液体層に挟まれた惑星アクア・ルナは、今や咲姫様の壮大な「実験場」と化していた。
「テラちゃん! せっかくこれだけお水があるのですから、もっと面白いことに使うのです! 例えば、私が『こんなのが欲しい!』って思ったら、すぐにお水が形になってくれるような仕組みなのです!」 「...。咲姫様、それはもはやバカンスではなく、創造主としての本格的な工業開発ですわ」
テラが呆れる中、アリシアがさらっと書類の束を整理して割り込んだ。 「あらあら、素敵なアイデアですね。...さらっと。地上のお水と空のウォッカ、この二つの比重差と屈折率の違いを利用して、惑星全域を『巨大な演算装置』として同期させておきました」
【生産品:惑星規模・液体演算システム(アクア・プロセッサ)】
・仕組み:水の分子一つ一つをナノ単位のメモリチップに見立て、空のウォッカ層を高速な光ファイバーとして利用。惑星規模の並列処理を行う。
・処理能力:咲姫の「わがまま(思考)」を0.00001秒で解析し、物理法則の再構築を予約する。
「すごいのです! 脳みそが惑星になった気分なのです! じゃあ次は、これを使ってお水で遊び道具を作るのです!」 「まかせてよぉ! 私がシェーカーで『硬度の概念』を水の中にブチ込んじゃうからねぇ!」
うさちぁんがウォッカの海から極冷のアルコールを汲み上げ、地上の水と激しくシェイク。 そこへサヤがささっと割って入る。 「出力先はこちらですね。...ささっと」
サヤが指を鳴らすと、水面から巨大な噴水が沸き上がり、空中で瞬時に凝固。 それは、咲姫が頭の中で思い描いた「宝石のように輝く透明なチェスセット」や「ダイヤモンドより硬い水の彫刻」へと姿を変えた。
【生産品:液体3Dプリンタ『ミナカタ』】
・仕様:惑星の水を素材に、あらゆる物体を生成。
・チート性能:本来なら数百年かかる精密加工を、液体演算によって一瞬で完了させる。生成された物は、咲姫が「元に戻れ!」と命じるまで、水の見た目のまま鉄より硬い強度を保つ。
「すごーい! お水でお城も、新しいドレスも、何でも作れるのですー!」 咲姫は水から生成された「透明なピアノ」を奏でながら、空中を浮遊する水の城のバルコニーへと飛び移った。
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【遊の章:進捗状況 3/8】
・咲姫:液体3Dプリンタを使い、惑星アクア・ルナを「水の魔法都市」へ変貌させる。
・うさちぁん:水の硬度を自在にシェイクし、お酒の海を泳ぐ「透明な酒造船」を完成させる。
・サヤ:「ささっと」水でできたドレスを咲姫に着せ、ティータイムの準備を完了。
・アリシア:「さらっと」惑星規模の演算リソースを管理。余った処理能力で銀河の経済予測まで行う。
・テラ:惑星そのものがスーパーコンピューター化したことに戦慄。自分の演算能力が負けていることに気づき、隅っこで膝を抱える。
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