ep.369 聖なるダンク、その軌跡と神へのパス
「にゃうにゃあ! 聖なるリングは一つ! 芋ラグビーボールも一つ! 魂をぶつけ合うのですー!!」
咲姫の絶叫が、スピリタスで満たされた惑星に響き渡る。 フィールド中央、硬質な芋ラグビーボールを奪い合った雷電とハヤテが、一瞬の静寂の後、互いに全力でぶつかり合った。 「がははは! ダンクなど、力で押しつぶしてくれるわ! どすこぉぉい!!」 雷電のぶちかましは大地を揺るがし、ハヤテを後方に吹き飛ばす。しかし、彼女の手には、まだ芋ラグビーボールが握られていた。 「...輸送。ダンクの成功確率は、3%。しかし、不可能ではない」
ハヤテは吹き飛ばされた勢いを加速に変え、そのまま聖なるリング(バスケットゴール)へと一直線に突進した。彼女の身体はまるで流星の如く宙を舞い、芋ラグビーボールをリングへ叩きつけようとする。 その瞬間、雷電が巨体を翻し、リングの下で両手を広げた。 「させん! どんなダンクも、この雷電が受け止める!」 もはやゴールキーパーではなく、人間障壁と化した雷電。
「...ふむ。愚かな争い。芋の魂は、そこにはない。...ズズッ」 餡子熊王が、再びインペリアルから餡子を啜り終えた。彼の瞳は、もはや勝敗ではなく「芋ラグビーボールがリングに吸い込まれる最も美しい軌道」を捉えていた。 彼の腰から、アダマンタイト刀が閃光を放つ。その刀身は、ダンクシュート寸前のハヤテと、それを阻止しようとする雷電の間を縫い、芋ラグビーボールの表面に軽く触れた。
「...なっ!?」 「...ぐっ!?」 球体に与えられたのは、極めて微細な、しかし決定的な「回転」だった。 芋ラグビーボールは、リングに叩きつけられる寸前で軌道を変え、雷電の頭上をかすめ、まるで磁石に吸い寄せられるかのように、リングのネットに触れることなく、真ん中を綺麗に通過した。
それは、ダンクシュートでもなく、ただのシュートでもない。ラグビーボールの形状を完全に無視した、餡子熊王による「神への奉納パス」だった。 「これなのですー!! 無駄な争いの先に生まれた、至高の『美』! 酒に酔い、愛に狂い、そして悟りを開いた者の究極のパス! ピジョンさん、この瞬間を切り取るのですー!!」
「ひぎぃぃ! 監督、聖なるリングのネットが、餡子熊王さんのパスで切断されましたぁー!!」 ピジョンの悲鳴も虚しく、祭壇のリングは崩れ落ちた。
「あはは、結局最後は破壊だねぇ~。でも、その壊れたリングも、定価の5000倍で『聖遺物』として売れるよぉ~?」 うさちぁんが、崩れ落ちたリングの破片を回収し始めた。
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咲姫(大司教):ラグビーバスケの結末を、物理的勝利ではなく「美の追求」で締めくくる。
雷電:ダンク阻止を狙うも、まさかの「回転パス」で回避され、プライドを折られる。
ハヤテ:ダンクは失敗したが、餡子熊王の「パス」により、芋がゴールするという結果は達成され、記録を更新。
餡子熊王:酒と餡子の境地で、スポーツの枠を超えた「悟りのパス」を成功させる。
騎士一家:餡子熊王のパスを「神業」と称賛し、壊れたリングの破片を聖遺物として崇め始める。
猫二:壊れたリングの修理費用と、聖遺物(ガラクタ)の売上交渉の責任を負わされる。
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