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第五十二話 誘導

 数ヵ月後。
 千佳伊ちかいの離婚と、仙せんの再婚を同時に発表することとなった。

「なんでウチまで全国ネットで......」

 記者会見は避けられず、巻き込まれる弧見こみ。
 そうして生放送の会見に挑んだ。

「各記者10分ずつでお願いします」

 想定問答も入念にシミュレーション済み。
 抜かりは無いはずだった。

「う、ウチ、手が震えて......頭も真っ白に......」

 あがり症の弧見がパニックを起こしてしまう。

「弧見さん、聞かせてください! 略奪愛なんですか!?」
「千佳伊さんのお腹には赤ちゃんがいたのに、良心は痛まないんですか!?」
「うぅ......」

 言葉に詰まる弧見。
 千佳伊と仙が小声でアドバイスする。

「(弧見、弧見! 離婚した後から愛を育みましたって、言え!)」
「(それから、千佳伊さんとは今でも仲良しです、だ!)」
「えとえと、離婚で愛を育み、千佳伊さんとは今でも仲良く三人で!」

 記者たちがざわつく。

「ということは今でも三人でプレイを? 答えてください!」
「(そんな事実はないって否定しろ!)」
「そんな事実はないって否定しろ! です!」

 誘導失敗に、仙が頭を抱える。
 千佳伊が仙の服の裾を引いた。

「(なんだよ、脇腹はやめろ)」

 無言で千佳伊がスマホの画面を見せる。
 ニュース速報で、〝ささやき前妻〟や〝ささやき旦那〟の文字が並ぶ。

「(え!? これ聞こえてんの!?)」

 千佳伊も、周辺の記者も全員が頷く。
 弧見に続き、仙もしどろもどろに。

 起死回生の一手。
 千佳伊が立ちあがった。

「私が創作論を語ってやろう!」

 とつぜん生放送で、伏線や報酬の回収について語りだす。

「は? そんなことよりも質問に答えてください!」
「いいからありがたく聞け!」

 マイクを振り回し、千佳伊が吠える。

「読者の期待が続いている間に回収しなければならない!」
「あの、千佳伊さん。それよりも......」
「だが! どこぞの小学生探偵みたく、期待を引っ張り続けるのは悪手だ!」

 千佳伊が稼いだ時間を使い、仙は模範解答を再構築。
 弧見にもスマホで共有。
 そこからはカンペを見ながらどうにか乗り切った。

 しかし、特大の事件は遅れてやってくる。

「フリージャーナリストの阿尾理あおりです。よろしくお願いします」
「うむ」
「期待されている間に答えるべきとの発言があったのですが......」

 千佳伊の作品を具体的にあげ、実践できていないことを突きつけ始めたのだ。

「世間は貴女たちの関係に興味があり、真実を......」
「あいわかった! ぶちまけてやる!」

 千佳伊の怒りで陽炎が浮かぶ。

「仙の███ピーーを私が█████ピーーーーで█████ピーーーーから█████ピーーーーだ。弧見と三人でいかがわしい██ピーは███████ピーピーピーーし、██ピーな関係だ! どうだこれで満足か!?」
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間違った創作論を語る作家の話作者:元毛玉(もとけだま)
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第五十二話 誘導

 数ヵ月後。
 千佳伊ちかいの離婚と、仙せんの再婚を同時に発表することとなった。

「なんでウチまで全国ネットで......」

 記者会見は避けられず、巻き込まれる弧見こみ。
 そうして生放送の会見に挑んだ。

「各記者10分ずつでお願いします」

 想定問答も入念にシミュレーション済み。
 抜かりは無いはずだった。

「う、ウチ、手が震えて......頭も真っ白に......」

 あがり症の弧見がパニックを起こしてしまう。

「弧見さん、聞かせてください! 略奪愛なんですか!?」
「千佳伊さんのお腹には赤ちゃんがいたのに、良心は痛まないんですか!?」
「うぅ......」

 言葉に詰まる弧見。
 千佳伊と仙が小声でアドバイスする。

「(弧見、弧見! 離婚した後から愛を育みましたって、言え!)」
「(それから、千佳伊さんとは今でも仲良しです、だ!)」
「えとえと、離婚で愛を育み、千佳伊さんとは今でも仲良く三人で!」

 記者たちがざわつく。

「ということは今でも三人でプレイを? 答えてください!」
「(そんな事実はないって否定しろ!)」
「そんな事実はないって否定しろ! です!」

 誘導失敗に、仙が頭を抱える。
 千佳伊が仙の服の裾を引いた。

「(なんだよ、脇腹はやめろ)」

 無言で千佳伊がスマホの画面を見せる。
 ニュース速報で、〝ささやき前妻〟や〝ささやき旦那〟の文字が並ぶ。

「(え!? これ聞こえてんの!?)」

 千佳伊も、周辺の記者も全員が頷く。
 弧見に続き、仙もしどろもどろに。

 起死回生の一手。
 千佳伊が立ちあがった。

「私が創作論を語ってやろう!」

 とつぜん生放送で、伏線や報酬の回収について語りだす。

「は? そんなことよりも質問に答えてください!」
「いいからありがたく聞け!」

 マイクを振り回し、千佳伊が吠える。

「読者の期待が続いている間に回収しなければならない!」
「あの、千佳伊さん。それよりも......」
「だが! どこぞの小学生探偵みたく、期待を引っ張り続けるのは悪手だ!」

 千佳伊が稼いだ時間を使い、仙は模範解答を再構築。
 弧見にもスマホで共有。
 そこからはカンペを見ながらどうにか乗り切った。

 しかし、特大の事件は遅れてやってくる。

「フリージャーナリストの阿尾理あおりです。よろしくお願いします」
「うむ」
「期待されている間に答えるべきとの発言があったのですが......」

 千佳伊の作品を具体的にあげ、実践できていないことを突きつけ始めたのだ。

「世間は貴女たちの関係に興味があり、真実を......」
「あいわかった! ぶちまけてやる!」

 千佳伊の怒りで陽炎が浮かぶ。

「仙の███ピーーを私が█████ピーーーーで█████ピーーーーから█████ピーーーーだ。弧見と三人でいかがわしい██ピーは███████ピーピーピーーし、██ピーな関係だ! どうだこれで満足か!?」
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間違った創作論を語る作家の話作者:元毛玉(もとけだま)
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