第六十五話 唐突
『ひどいな仙くん。いきなり切らなくても良いだろう?』
「ストーカーで訴えますよ!?」
「待て仙よ。私が代わろう」
再び古室から掛かってきた電話。
仙がスマホを千佳伊に投げ渡す。
「何が狙いだ? 金か?」
『お金だね。ぶっちゃけて言うと25億ほど貸して欲しいかな』
「ずいぶんだな。見返りは?」
『出版への口利きさ。僕は顔が広いんでね。保証はしないけど』
千佳伊はカッと目を見開いた。
「倍の50を出そう。交渉成立だ。追って詳しい契約書を送る。では」
老人暴走運転の展開。
仙と弧見は当社比三倍に目を見開く。
「何してんの千佳伊!?」
「また騙されちゃうよ!」
二人の猛抗議を千佳伊は涼風のように受け流す。
「私に考えがある。恋愛リアリティーショーに出るぞ!」
「「えーーー!?」」
恋愛リアリティーショーは、わずか一ヵ月でクランクアップを迎えた。
原作/脚本/演出:黄泉千佳伊
音楽:古室鉄矢
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「どんな変態プレイにでも応える自信がある」
「え!? そんなのアブノーマルすぎるよ!」
仙は二人を受けいれ、一緒に暮らし始める。
「実は籍を入れておいた」
翌日には千佳伊が結婚を報告。
「寝ぼけているときに署名を依頼したら快く受けてくれたぞ」
「逃れるためには背に腹を代えられない」
仙がウインクし、弧見もサムズアップを返した。
「俺、実は弧見のことを愛していたんだ! だから別れてくれ千佳伊!」
「なん......だ......と?」
「ウチ、いつの間に略奪愛してたの!?」
千佳伊と離婚し、弧見とはデキ婚へ。
「道理で......そっか。ウチの処女を奪った責任取ってよね」
「え? 何言ってんのお前?」
妊娠の事実を後から聞かされる仙。
「話題性のためにさっそく週刊誌へリークしてきた」
「まさかの本人からのリーク!?」
満面の笑みの千佳伊が告げる。
「まさかの3Pだぞ。喜べ!」
完。
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試写会当日。
謎すぎる内容に、仙は言葉を失った。
それを見て千佳伊がほくそ笑む。
「言葉もでんほどに感動したか?」
「ナニコレ? ちょいちょい合ってなくてモヤる~~!」
弧見も頭を抱えていた。
満足そうにしている千佳伊へ仙が尋ねる。
「ひょっとして何か創作論だったのか?」
「ほう? 聡いな」
千佳伊は驚きの表情をし、にやけ顔に戻す。
「脈絡のない謎展開へ急に飛ぶ作家を実演してみた。リアルだろう?」
「支離滅裂すぎだよチカチカ~。どこがリアルなの~?」
「......それから、カラー3ページで特集な。言葉は正確に使おうな」
ダメ出しをしてきた二人へ、千佳伊はダブルチョップを返した。