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挿絵AIで作った挿絵

第五幕 兵士とスライム大統領、急な仲間とゴンザレス

森を進むと、隣の城があった。

パンプキンがいた城下町と城は、アーイラル城下、アーイラル城という。本当は某乱闘ゲームにも出てきた城の名前だったが、大人の事情で少し名前を変えている。アーイは、あーいおじさんがいたからそれでいいやという安直な由来で、25年経っても決め方のノリは変わっていない。

しかし、城と城の距離が近すぎないか。当時は思いもしなかったが、大人になると良くも悪くも見方が変わってしまうものだ。

突然、一人の兵士に声をかけられた。

「門番の仕事飽きたべ。わてを仲間にするっぺ!」

......訛りの出どころが、まったく統一されていない。

この訛りが最初からの設定だったのか、途中で思いつきで付け加えたのかすら、当時の記憶にはもう残っていない。覚えているのは「ズラー」という、妙に耳に残る語尾だけである。彼の名前はマーフィー。なぜこの名前になったのか、今の今まで思い出せなかったが、急に舞い降りてきた。だけどその名前で呼んでいる人は、この世にもういないだろう。

「王様、門番の仕事飽きたので、辞めさせてもらうズラー」

......そもそも王様に仕える兵士が、そんな軽いノリで辞めていいのか。仲間に加わる経緯も、誰の発案だったのかはっきりしない。ただ、これだけ雑にパーティへ加入するキャラクターも、RPG史上なかなか珍しい。

一行はさらに進み、とある洋館にたどり着く。そこには、何やら困った様子の貴族が待っていた。

「うぬぬ、きゃつらめ......」

その名はゴンザレス。

本編に進める前に、蛇足をひとつ。RPGツクール3の説明書には、サンプルシーンがいくつか載っていた。そのシーンを勝手に借りて内容を膨らませようぜ、というノリで作られたキャラクターの一人がゴンザレスである。なぜその名前になったのかは、これも定かではない。ちなみに筆者は復元当時、橋の上で「うぬぬ、きゃつらめ」と言っているゴンザレスを思い浮かべていたのだが、実際は洋館の2階にいるとSに指摘され、ハッとした。その後、当時の記憶が芋づる式に戻ってきたのは言うまでもない。人とは、覚えているものらしい。

......以上、蛇足まで。

「最近、私の敷地内の洞窟に魔物が住み着いて困っとる。退治してくれたら褒美はたくさんやるぞ」

......さっきまで「うぬぬ」としか言っていなかった男が、依頼を持ちかけられた途端にやけに流暢に喋り出す。

半信半疑のまま洞窟に入ると、シャフトが早々にため息をついた。

「流石にスライムの気配しかないな」

「気をつけるっぺ。ここはやたらエンカウント率が高いズラー」

洞窟にはやけに強いカラフルなスライムたちが配置されていた。ダンジョンの中身については、正直まったく覚えていない。

兵士の忠告どおり、洞窟を抜けると、なぜか石造りの城の内部のような謎の空間に出た。玉座に座っていたのは、まさかの大統領である。

スライム大統領である。

青い顔で西洋鎧をまとったキャラクターで、どちらかと言えばこのデザインを見てから物語が膨らんでいった側である。大統領の左には青いスライムのカクさん、右にはスケさん。もはや、あの有名な時代劇である。

「やい、ゴンザレスの土地から出ていけ! 褒美が欲しいんだ!」

おい、シャフト。後半の欲望が隠せてなさすぎるだろ。

「吾輩たちは先にここに住んでいて、あの貴族が急に来て洞窟を荒らしにきてるんだ」

なんだ? 話の食い違いが激しいぞ。どちらが被害者なのか、早くも雲行きが怪しくなってきた。

「あいつを懲らしめてやろう!」

シャフトの一声で、標的はなぜかモンスター側ではなく、依頼主であるはずのゴンザレスに定まった。いいのか? そんなノリで決めてしまって。

......ちなみに、この「懲らしめる」という言葉の具体的な中身については、後になって誰も正確に説明できなくなる。当時のメモやSの記憶によると、ゴンザレスに対して物騒な手段が用意されていた気がするが、まあ大人の事情でマイルドな決着にしておこう。

「さて、どうやって懲らしめてやろうか......そうだ!」

......作戦会議など、本当は最初から存在しない。これは、当時のこの物語を1話ずつ投稿していた際、話数がずれてしまったため、話を強引に埋める目的で後から差し込んだシーンである。

洋館の裏に忍び込む。ゴンザレスは歴代ゴンザレスの肖像画を眺めていた。趣味なのか、周囲にはやたらと人形が並んでいる。

状況が飲み込めていなかったらしい梅太郎が、シャフトの背中を押してくる。

「(押すなよ!)」

声を殺して抗議したものの、その拍子に人形が一体倒れてしまった。幸い、ゴンザレスには気づかれていない。

シャフトが吹き矢を構え、狙いを定める。

「いまだ!!」

梅太郎の掛け声と共に、何かが飛ぶような効果音が流れた。この瞬間、当時の画面では画面が真っ赤に染まる派手なエフェクトが入っていたはずだ。今振り返ると、なかなか刺激の強い演出を好んで入れていたものである。Sによると、この直前に何かが倒れるシュールな演出もあったらしい。思い出さなければよかった。

「うっ......」

ゴンザレスが力なく倒れる。

「よし!」

......何が良しなのかはわからないが、ここはそっとしておくことにする。

事件が(よく分からないまま)解決すると、スライム大統領が当然の顔をして仲間に加わってきた。

「これで平和が訪れた、お礼に仲間になってやるぞ! よし兵士、もしスライムの祠で何かあったら、助けてくれ! スケさんとカクさんに伝えておくぞ」

「あい、承知したズラー」

......この一連の流れの中で、誰が実際に手を下し、誰が指示を出し、誰がただ巻き込まれていたのか、もはや誰にもはっきりと説明できない。

ただ、世界には「とりあえず平和が訪れた」ということになっている。

カオスを極めたパーティを背負い、梅太郎たちの旅は、さらに訳の分からない領域へと加速していくのだった。

最後に、もうひとつだけ蛇足を。

Sによると、本当はスライム大統領が仲間になる代わりに、兵士が大統領の座について統治する、という流れだったらしい。しかし別の投稿話を作りきってしまった手前、今さら変更するのも大変なので、あえて以上の流れのまま無理やり物語を繋ぎ合わせたのである。

とはいえ、それを知っているのはこの世でシャフトとSだけ。何も言わなければ、読者にとってはただの「ふーん」で終わる世界線である。

ただ、もしかしたら当時テストプレイに協力してくれた数人の猛者たちもいるはずなので、彼らへの敬意も込めて、蛇足としておく。
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梅太郎伝説作者:シャフト
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森を進むと、隣の城があった。

パンプキンがいた城下町と城は、アーイラル城下、アーイラル城という。本当は某乱闘ゲームにも出てきた城の名前だったが、大人の事情で少し名前を変えている。アーイは、あーいおじさんがいたからそれでいいやという安直な由来で、25年経っても決め方のノリは変わっていない。

しかし、城と城の距離が近すぎないか。当時は思いもしなかったが、大人になると良くも悪くも見方が変わってしまうものだ。

突然、一人の兵士に声をかけられた。

「門番の仕事飽きたべ。わてを仲間にするっぺ!」

......訛りの出どころが、まったく統一されていない。

この訛りが最初からの設定だったのか、途中で思いつきで付け加えたのかすら、当時の記憶にはもう残っていない。覚えているのは「ズラー」という、妙に耳に残る語尾だけである。彼の名前はマーフィー。なぜこの名前になったのか、今の今まで思い出せなかったが、急に舞い降りてきた。だけどその名前で呼んでいる人は、この世にもういないだろう。

「王様、門番の仕事飽きたので、辞めさせてもらうズラー」

......そもそも王様に仕える兵士が、そんな軽いノリで辞めていいのか。仲間に加わる経緯も、誰の発案だったのかはっきりしない。ただ、これだけ雑にパーティへ加入するキャラクターも、RPG史上なかなか珍しい。

一行はさらに進み、とある洋館にたどり着く。そこには、何やら困った様子の貴族が待っていた。

「うぬぬ、きゃつらめ......」

その名はゴンザレス。

本編に進める前に、蛇足をひとつ。RPGツクール3の説明書には、サンプルシーンがいくつか載っていた。そのシーンを勝手に借りて内容を膨らませようぜ、というノリで作られたキャラクターの一人がゴンザレスである。なぜその名前になったのかは、これも定かではない。ちなみに筆者は復元当時、橋の上で「うぬぬ、きゃつらめ」と言っているゴンザレスを思い浮かべていたのだが、実際は洋館の2階にいるとSに指摘され、ハッとした。その後、当時の記憶が芋づる式に戻ってきたのは言うまでもない。人とは、覚えているものらしい。

......以上、蛇足まで。

「最近、私の敷地内の洞窟に魔物が住み着いて困っとる。退治してくれたら褒美はたくさんやるぞ」

......さっきまで「うぬぬ」としか言っていなかった男が、依頼を持ちかけられた途端にやけに流暢に喋り出す。

半信半疑のまま洞窟に入ると、シャフトが早々にため息をついた。

「流石にスライムの気配しかないな」

「気をつけるっぺ。ここはやたらエンカウント率が高いズラー」

洞窟にはやけに強いカラフルなスライムたちが配置されていた。ダンジョンの中身については、正直まったく覚えていない。

兵士の忠告どおり、洞窟を抜けると、なぜか石造りの城の内部のような謎の空間に出た。玉座に座っていたのは、まさかの大統領である。

スライム大統領である。

青い顔で西洋鎧をまとったキャラクターで、どちらかと言えばこのデザインを見てから物語が膨らんでいった側である。大統領の左には青いスライムのカクさん、右にはスケさん。もはや、あの有名な時代劇である。

「やい、ゴンザレスの土地から出ていけ! 褒美が欲しいんだ!」

おい、シャフト。後半の欲望が隠せてなさすぎるだろ。

「吾輩たちは先にここに住んでいて、あの貴族が急に来て洞窟を荒らしにきてるんだ」

なんだ? 話の食い違いが激しいぞ。どちらが被害者なのか、早くも雲行きが怪しくなってきた。

「あいつを懲らしめてやろう!」

シャフトの一声で、標的はなぜかモンスター側ではなく、依頼主であるはずのゴンザレスに定まった。いいのか? そんなノリで決めてしまって。

......ちなみに、この「懲らしめる」という言葉の具体的な中身については、後になって誰も正確に説明できなくなる。当時のメモやSの記憶によると、ゴンザレスに対して物騒な手段が用意されていた気がするが、まあ大人の事情でマイルドな決着にしておこう。

「さて、どうやって懲らしめてやろうか......そうだ!」

......作戦会議など、本当は最初から存在しない。これは、当時のこの物語を1話ずつ投稿していた際、話数がずれてしまったため、話を強引に埋める目的で後から差し込んだシーンである。

洋館の裏に忍び込む。ゴンザレスは歴代ゴンザレスの肖像画を眺めていた。趣味なのか、周囲にはやたらと人形が並んでいる。

状況が飲み込めていなかったらしい梅太郎が、シャフトの背中を押してくる。

「(押すなよ!)」

声を殺して抗議したものの、その拍子に人形が一体倒れてしまった。幸い、ゴンザレスには気づかれていない。

シャフトが吹き矢を構え、狙いを定める。

「いまだ!!」

梅太郎の掛け声と共に、何かが飛ぶような効果音が流れた。この瞬間、当時の画面では画面が真っ赤に染まる派手なエフェクトが入っていたはずだ。今振り返ると、なかなか刺激の強い演出を好んで入れていたものである。Sによると、この直前に何かが倒れるシュールな演出もあったらしい。思い出さなければよかった。

「うっ......」

ゴンザレスが力なく倒れる。

「よし!」

......何が良しなのかはわからないが、ここはそっとしておくことにする。

事件が(よく分からないまま)解決すると、スライム大統領が当然の顔をして仲間に加わってきた。

「これで平和が訪れた、お礼に仲間になってやるぞ! よし兵士、もしスライムの祠で何かあったら、助けてくれ! スケさんとカクさんに伝えておくぞ」

「あい、承知したズラー」

......この一連の流れの中で、誰が実際に手を下し、誰が指示を出し、誰がただ巻き込まれていたのか、もはや誰にもはっきりと説明できない。

ただ、世界には「とりあえず平和が訪れた」ということになっている。

カオスを極めたパーティを背負い、梅太郎たちの旅は、さらに訳の分からない領域へと加速していくのだった。

最後に、もうひとつだけ蛇足を。

Sによると、本当はスライム大統領が仲間になる代わりに、兵士が大統領の座について統治する、という流れだったらしい。しかし別の投稿話を作りきってしまった手前、今さら変更するのも大変なので、あえて以上の流れのまま無理やり物語を繋ぎ合わせたのである。

とはいえ、それを知っているのはこの世でシャフトとSだけ。何も言わなければ、読者にとってはただの「ふーん」で終わる世界線である。

ただ、もしかしたら当時テストプレイに協力してくれた数人の猛者たちもいるはずなので、彼らへの敬意も込めて、蛇足としておく。
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