ホーム›星降る街の薬種商〈碧猫屋〉~薬師マリノアの仕入帳控え~›第32話 子猫と弟子
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第32話 子猫と弟子




 大市場グランバザールの北西口近くに停まる1頭立ての軽馬車クーペ。
 サッと馭者席から降りた初老の男が キャビンの扉を開ける。

 軽やかに石畳に立つ身分の高そうな少年。
 薄緑のサーコートに 大きな白い羽根飾りのついた これまた薄緑の鍔広帽子。
 腰には上品な装飾の施された細剣レイピア。
 短めの髪は濃緑色マラカイト・グリーン。

 馭者に軽く手を振って見送ると 大市場のグランバザール方へと向き直る。
 小声で なにやら呟きながら。
 

「母様も頭が硬いのであります......。最近の女の子は ズボン履いて サーコート着るのもカッコいいのであります。ボンネットにロングスカートの女の子など 大市場グランバザールで見たことも無いのでありますのに......」

 
 男装の少女は 小首を傾げた後 少し背筋を伸ばし 東の大通りを大桟橋方面に向けて歩み始める。
 革鎧を着込んだ普段の巡視時とは違う華やかな装いに 顔見知りの商店主達も気づかぬ様子で声を掛けてくる者は少ない。
 
 だが それでも特に親しい者は 私服姿の騎士見習いに目を留め会釈や挨拶をしてくる。
 声を掛けてきた者とは 少し立ち話をし 笑顔で応対。 
 王国最強の王都騎士団アークナイツの一員でありながら 表情豊かで明るく朗らかな新任の巡察者は 街でも人気だった。
 彼女が店先にいると気づいて さらに周りの商店主達も話の輪に加わる。
 それに今日は立っているだけで威圧感十分の巨漢の分隊長もいない。
 『任務中ですから』と話を打ち切られることもないのだ。
 
 なかなか目的の場所に 辿り着けぬ 17歳。
 濃緑髪マラカイト・グリーンの少女が冬宿木アイシャングラド小路を南へと曲がることができたのは 予定よりも半刻以上も後のことだった。
 

── カランッ カラン... カラン...... ──

「マリノアさん。お邪魔するであります」

「あら リアン いらっしゃい」


 〈碧猫屋あおねこや〉に入ってきた騎士団見習いに挨拶を返す水碧髪アクア・マリンの店主。


「伊達っぽい格好して どーしたの? これから フォージとデート?」

「何度も申し上げてるでありますが 自分とフォージ分隊長は そういう関係ではないのであります」


 騎士団の先輩である歳上の分隊長を持ち出して揶揄からかうと あからさまに動揺するのが常のリアン・ペイジだったが 今日は落ち着いた対応。


「今日は ちょっと大人っぽいじゃない」

「そーでありましょー? このサーコートと羽根帽子なのでありますが この前 巡察中に見つけた 西大通りのお店でオーダーして作ってもらったのであります。実は自分が初めてお給金で買った服なのでありますよ」


 大人っぽいと言われた対象が自らの態度ではなく服装の話だと思ったのか 少し自慢気な騎士見習い。


「それだけでは無いのでありますよ? なんと自分 初めての鍛練期間を頂いたのであります!」

「へー。鍛練期間ねぇ......。そう言や リアン ここら辺の担当になって そろそろ1年経つんだっけ」

「奉職して ちょうど10ヶ月であります。という訳で10日間ほど 時間があるのでありますので 紅瑠石ガーネットししょ~に 稽古を着けてもらおうと... そして あわよくば正式に弟子にして頂こうと思っているのであります」


 天井まである背の高い薬箪笥をはじめ 所狭しと物品が詰め込まれた整頓されてはいるが狭く薄暗い店内。
 その店内をキョロキョロと見回しながらリアンが尋ねる。


「で 今日は紅瑠石ガーネットししょ~は いらっしゃらないのでありますか?」

「最近 アタシ 調合ばっかやってたから そう言えば 顔見てないわね。そろそろジャイン牝蛎 採りに行く時期だし 顔出してくれると助かるんだけど......」


 噂をすれば影。

── カランッ カラン... カラン...... ──

 ウィンドチャイムが鳴り 入り口の扉へと向く海碧色マリン・ブルーと濃緑色マラカイト・グリーンの瞳。
 その前に現れる 白銀髪プラチナ・ブロンドに褐色肌の闇エルフ。

 ............と 豪奢な金髪シャイン・ゴールドを高く1つ括りにしたスリットの深いロングスカートに緑碧瞳エメラルド・ブルーの美少女。


「久しぶり 紅瑠石ガーネット。その娘は 新しい子猫ちゃん恋人?」

「......子猫ちゃん ではあらへんな。なんちゅーか まぁ 簡単に言ゆうたら弟子かいなぁ......」

「でっ 弟子っ!? しっ ししょ~は 以前に弟子は取らないと仰ってたのであります。そっ それなら 自分も弟子にっ 自分も弟子にして頂きたいのであります!」


 弟子という言葉に反応し リアンが素頓嬌な声をあげる。
 顔を痙攣ひきつらせる闇エルフ。


「いや~ 弟子って言ゆうか 初歩のとこを手解きしたったってくらいの話やし......」

「やっぱ 子猫ちゃんじゃない」
「それを弟子って言うんであります!」


 普段ならツッコミ役の紅瑠石ガーネットは 同時に二方向から入る自分へのツッコミに 端正な美貌を さらに痙攣ひきつらせる。
 周りの女達の微妙な空気感を感じ取った 緑碧瞳エメラルド・ブルーの美少女が さらに煽りにかかる。
 

「えー なーに? お姉さん モテるんだー? カッコいいし美人だもんねー」


 そう言いながら わざとらしく白銀髪プラチナ・ブロンドに しなだれ着く豪奢な金髪シャイン・ゴールド。


「......あのなぁ シノン。オマエ こういう時に 煽りにいくような根性しとるし 闇ギルド狂い牙に追われるようなことになんねんで? 反省しとらへんやろ?」

「べつに 煽ったりしてへんから。キモいことしてきたから 金玉 蹴り潰したっただけじゃん」

「ねぇ 紅瑠石ガーネット その子 結局なんなの?」


 マリノアの問いかけに 答える金髪碧眼の美少女。
 見た目の印象より 少しハスキーな声。


「アタシの名前はシノン。見ての通り 踊り子よ。ちょっと 悪いヤツら追われてて...さ。このお姉さんに助けてもらったってゆーわけ。なんか この薬屋さんに来たら お金貰えるって聞いたしさー」

「ハァ? うちの店からお金? そんなの出る訳ないでしょ。紅瑠石ガーネット アンタ どんな話 吹き込んだのよ?」


 空になった薬瓶を取り出しながらの闇エルフの返答。


「コレコレ。コレさー 例のコウト百合の変身薬やねんけどさー。コレ シノンに飲ませたら ちゃ~んとムキムキの大猿に変身しよって〈狂い牙闇ギルド〉のチンピラ2人 拳でブチのめしよってん。記憶も残ってんのやろ シノン?」

「うん。殴ったとこも覚えてるし その後 逃げたりとか 隠れ家でのこととかも......」


 少し はにかんだようなシノンの答え。
 それを受けて ニンマリと笑みを浮かべて 手を出す紅瑠石ガーネット。


「薬の効果 確かめてきたら 銀貨100枚っていう話やったやろ? しっかり効果あったで。さすがマリノアやな! ほら100枚 ちょーだいや」

「ハァ? どっちかって言うとアタシの方が 請求したいくらいなんだけど? 効果確かめてこいって言ったの10日も前の話でしょ? とっくの昔に 納品済んでるし。そろそろジャイン牝蠣の採集いかなきゃなんないのに 何処 ほっつき歩いてたのよ?」

「へ? 効果 確かめたん? まさかジーナに飲ましたん?」

「それがさーっ。アンタが3日経っても帰って来ないから ジーナに声掛けたんだけど アリシアのヤツが高額の報酬渡したばっかだとかで ジーナのヤツにも断られて......」


  マリノアの白い額に走る青筋。

 
「しょうがないから 部屋に鍵掛けて 自分で飲んだわよッ。完璧に記録も取ったし アンタに渡した 試作品サンプル代 丸損よッ」

「男に なったん? それとも 大猿に......?」

「言う訳ないでしょッ! それより ジャイン牝蠣の採集行くから 付き合いなさいよねッ」

「わかった わかった やるやる。付き合えば ええんやろ......」


 有無を言わせぬ薬師の剣幕に 闇エルフは思わず頷きで返す。


「なになにー? 儲け話? アタシも混ぜてー」
「紅瑠石ガーネットししょ~が 参加されるなら 自分も同行させて頂きたいのであります!」

「ハァ? アンタ達の出る幕ないわ。この件 アンタ達の賃金出すほど 儲からないし」

「連れってたら ええやん。ヤクの代わりに荷物運びさせたら?」


 ソバカスの顔の眉を寄せ 人差し指を尖らせた唇に当てて 思案顔の薬師。
 指を口許から外し 暗紅色ガーネットの瞳に視線を合わせて海碧色ディープ・マリンの瞳が口を開く。


「......やっぱり 止めといた方がいいと思うわ。紅瑠石ガーネット アンタ 万が一の時に3人護りながら戦闘なんて 無理でしょ? そもそもアリシアに頼もうかっていうくらいの仕事だし......」

「......ウソやろ? そんなヤバい案件ヤマなん?」


 水碧髪アクア・マリンを猫目石キャッターズ・アイのように煌めかせ 〈碧猫屋あおねこや〉の店主は静かに頷いた。
 
 
 


 
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星降る街の薬種商〈碧猫屋〉~薬師マリノアの仕入帳控え~作者:金星タヌキ
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 大市場グランバザールの北西口近くに停まる1頭立ての軽馬車クーペ。
 サッと馭者席から降りた初老の男が キャビンの扉を開ける。

 軽やかに石畳に立つ身分の高そうな少年。
 薄緑のサーコートに 大きな白い羽根飾りのついた これまた薄緑の鍔広帽子。
 腰には上品な装飾の施された細剣レイピア。
 短めの髪は濃緑色マラカイト・グリーン。

 馭者に軽く手を振って見送ると 大市場のグランバザール方へと向き直る。
 小声で なにやら呟きながら。
 

「母様も頭が硬いのであります......。最近の女の子は ズボン履いて サーコート着るのもカッコいいのであります。ボンネットにロングスカートの女の子など 大市場グランバザールで見たことも無いのでありますのに......」

 
 男装の少女は 小首を傾げた後 少し背筋を伸ばし 東の大通りを大桟橋方面に向けて歩み始める。
 革鎧を着込んだ普段の巡視時とは違う華やかな装いに 顔見知りの商店主達も気づかぬ様子で声を掛けてくる者は少ない。
 
 だが それでも特に親しい者は 私服姿の騎士見習いに目を留め会釈や挨拶をしてくる。
 声を掛けてきた者とは 少し立ち話をし 笑顔で応対。 
 王国最強の王都騎士団アークナイツの一員でありながら 表情豊かで明るく朗らかな新任の巡察者は 街でも人気だった。
 彼女が店先にいると気づいて さらに周りの商店主達も話の輪に加わる。
 それに今日は立っているだけで威圧感十分の巨漢の分隊長もいない。
 『任務中ですから』と話を打ち切られることもないのだ。
 
 なかなか目的の場所に 辿り着けぬ 17歳。
 濃緑髪マラカイト・グリーンの少女が冬宿木アイシャングラド小路を南へと曲がることができたのは 予定よりも半刻以上も後のことだった。
 

── カランッ カラン... カラン...... ──

「マリノアさん。お邪魔するであります」

「あら リアン いらっしゃい」


 〈碧猫屋あおねこや〉に入ってきた騎士団見習いに挨拶を返す水碧髪アクア・マリンの店主。


「伊達っぽい格好して どーしたの? これから フォージとデート?」

「何度も申し上げてるでありますが 自分とフォージ分隊長は そういう関係ではないのであります」


 騎士団の先輩である歳上の分隊長を持ち出して揶揄からかうと あからさまに動揺するのが常のリアン・ペイジだったが 今日は落ち着いた対応。


「今日は ちょっと大人っぽいじゃない」

「そーでありましょー? このサーコートと羽根帽子なのでありますが この前 巡察中に見つけた 西大通りのお店でオーダーして作ってもらったのであります。実は自分が初めてお給金で買った服なのでありますよ」


 大人っぽいと言われた対象が自らの態度ではなく服装の話だと思ったのか 少し自慢気な騎士見習い。


「それだけでは無いのでありますよ? なんと自分 初めての鍛練期間を頂いたのであります!」

「へー。鍛練期間ねぇ......。そう言や リアン ここら辺の担当になって そろそろ1年経つんだっけ」

「奉職して ちょうど10ヶ月であります。という訳で10日間ほど 時間があるのでありますので 紅瑠石ガーネットししょ~に 稽古を着けてもらおうと... そして あわよくば正式に弟子にして頂こうと思っているのであります」


 天井まである背の高い薬箪笥をはじめ 所狭しと物品が詰め込まれた整頓されてはいるが狭く薄暗い店内。
 その店内をキョロキョロと見回しながらリアンが尋ねる。


「で 今日は紅瑠石ガーネットししょ~は いらっしゃらないのでありますか?」

「最近 アタシ 調合ばっかやってたから そう言えば 顔見てないわね。そろそろジャイン牝蛎 採りに行く時期だし 顔出してくれると助かるんだけど......」


 噂をすれば影。

── カランッ カラン... カラン...... ──

 ウィンドチャイムが鳴り 入り口の扉へと向く海碧色マリン・ブルーと濃緑色マラカイト・グリーンの瞳。
 その前に現れる 白銀髪プラチナ・ブロンドに褐色肌の闇エルフ。

 ............と 豪奢な金髪シャイン・ゴールドを高く1つ括りにしたスリットの深いロングスカートに緑碧瞳エメラルド・ブルーの美少女。


「久しぶり 紅瑠石ガーネット。その娘は 新しい子猫ちゃん恋人?」

「......子猫ちゃん ではあらへんな。なんちゅーか まぁ 簡単に言ゆうたら弟子かいなぁ......」

「でっ 弟子っ!? しっ ししょ~は 以前に弟子は取らないと仰ってたのであります。そっ それなら 自分も弟子にっ 自分も弟子にして頂きたいのであります!」


 弟子という言葉に反応し リアンが素頓嬌な声をあげる。
 顔を痙攣ひきつらせる闇エルフ。


「いや~ 弟子って言ゆうか 初歩のとこを手解きしたったってくらいの話やし......」

「やっぱ 子猫ちゃんじゃない」
「それを弟子って言うんであります!」


 普段ならツッコミ役の紅瑠石ガーネットは 同時に二方向から入る自分へのツッコミに 端正な美貌を さらに痙攣ひきつらせる。
 周りの女達の微妙な空気感を感じ取った 緑碧瞳エメラルド・ブルーの美少女が さらに煽りにかかる。
 

「えー なーに? お姉さん モテるんだー? カッコいいし美人だもんねー」


 そう言いながら わざとらしく白銀髪プラチナ・ブロンドに しなだれ着く豪奢な金髪シャイン・ゴールド。


「......あのなぁ シノン。オマエ こういう時に 煽りにいくような根性しとるし 闇ギルド狂い牙に追われるようなことになんねんで? 反省しとらへんやろ?」

「べつに 煽ったりしてへんから。キモいことしてきたから 金玉 蹴り潰したっただけじゃん」

「ねぇ 紅瑠石ガーネット その子 結局なんなの?」


 マリノアの問いかけに 答える金髪碧眼の美少女。
 見た目の印象より 少しハスキーな声。


「アタシの名前はシノン。見ての通り 踊り子よ。ちょっと 悪いヤツら追われてて...さ。このお姉さんに助けてもらったってゆーわけ。なんか この薬屋さんに来たら お金貰えるって聞いたしさー」

「ハァ? うちの店からお金? そんなの出る訳ないでしょ。紅瑠石ガーネット アンタ どんな話 吹き込んだのよ?」


 空になった薬瓶を取り出しながらの闇エルフの返答。


「コレコレ。コレさー 例のコウト百合の変身薬やねんけどさー。コレ シノンに飲ませたら ちゃ~んとムキムキの大猿に変身しよって〈狂い牙闇ギルド〉のチンピラ2人 拳でブチのめしよってん。記憶も残ってんのやろ シノン?」

「うん。殴ったとこも覚えてるし その後 逃げたりとか 隠れ家でのこととかも......」


 少し はにかんだようなシノンの答え。
 それを受けて ニンマリと笑みを浮かべて 手を出す紅瑠石ガーネット。


「薬の効果 確かめてきたら 銀貨100枚っていう話やったやろ? しっかり効果あったで。さすがマリノアやな! ほら100枚 ちょーだいや」

「ハァ? どっちかって言うとアタシの方が 請求したいくらいなんだけど? 効果確かめてこいって言ったの10日も前の話でしょ? とっくの昔に 納品済んでるし。そろそろジャイン牝蠣の採集いかなきゃなんないのに 何処 ほっつき歩いてたのよ?」

「へ? 効果 確かめたん? まさかジーナに飲ましたん?」

「それがさーっ。アンタが3日経っても帰って来ないから ジーナに声掛けたんだけど アリシアのヤツが高額の報酬渡したばっかだとかで ジーナのヤツにも断られて......」


  マリノアの白い額に走る青筋。

 
「しょうがないから 部屋に鍵掛けて 自分で飲んだわよッ。完璧に記録も取ったし アンタに渡した 試作品サンプル代 丸損よッ」

「男に なったん? それとも 大猿に......?」

「言う訳ないでしょッ! それより ジャイン牝蠣の採集行くから 付き合いなさいよねッ」

「わかった わかった やるやる。付き合えば ええんやろ......」


 有無を言わせぬ薬師の剣幕に 闇エルフは思わず頷きで返す。


「なになにー? 儲け話? アタシも混ぜてー」
「紅瑠石ガーネットししょ~が 参加されるなら 自分も同行させて頂きたいのであります!」

「ハァ? アンタ達の出る幕ないわ。この件 アンタ達の賃金出すほど 儲からないし」

「連れってたら ええやん。ヤクの代わりに荷物運びさせたら?」


 ソバカスの顔の眉を寄せ 人差し指を尖らせた唇に当てて 思案顔の薬師。
 指を口許から外し 暗紅色ガーネットの瞳に視線を合わせて海碧色ディープ・マリンの瞳が口を開く。


「......やっぱり 止めといた方がいいと思うわ。紅瑠石ガーネット アンタ 万が一の時に3人護りながら戦闘なんて 無理でしょ? そもそもアリシアに頼もうかっていうくらいの仕事だし......」

「......ウソやろ? そんなヤバい案件ヤマなん?」


 水碧髪アクア・マリンを猫目石キャッターズ・アイのように煌めかせ 〈碧猫屋あおねこや〉の店主は静かに頷いた。
 
 
 


 
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星降る街の薬種商〈碧猫屋〉~薬師マリノアの仕入帳控え~作者:金星タヌキ
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