ホームSOUL TR@DEEpisode 3 RETURN
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Episode 3 RETURN

ORPHANへ戻った頃には、空はすっかり夜へ変わっていた。
街には、いつも通りの灯りが並ぶ。

子供達の笑い声。
屋台から漂う香ばしい匂い。
OBLIVIONの静寂とは違う、生きた街の音。

「やっぱ落ち着くわー」

ノアが大きく伸びをする。

「OBLIVIONって息苦しいんだよねー」

「空気じゃない」

クランツが淡々と歩く。

「街そのものだ」

レートも小さく頷いた。

「あそこは、生きてる感じがしない」

三人は孤児院の隣にある小さな管理棟、ゼロの執務室に向かった。

――コンコン――

「入れ」

低い声。
扉を開けると、ゼロは机へ向かったまま端末を操作していた。

「戻った」

レートが回収ケースを机へ置いた。
ゼロは一枚ずつSBTを確認していく。

――ピッ――

「登録済み」

――ピッ――

部屋には端末の電子音が響く。

「これで全部だ」

レートがそう言った時だった。

「......ゼロ」

クランツが自分のポケットから差し出した。

――コトッ――

静かに机へ置く。

銀色のSBT。
番号も刻印も存在しない。

ゼロの手が止まる。

「......これは?」

「OBLIVIONで見つけた。検索したら――」

ノアが肩を竦める。

「UNREGISTEREDだった」

クランツが静かに頷く。

「俺も同じ結果だ」

「......」

ゼロは無言のまま銀色のSBTを手に取った。

「ふむ......」

表面をゆっくり眺める。

――ピッ――

─────────────────
>> TOKEN SEARCH

SEARCHING...
SEARCHING...
─────────────────
>> TOKEN SEARCH

STATUS : ERROR

RESULT : UNREGISTERED
─────────────────

ゼロが端末をスライドする。

「依頼書では」

─────────────────
>> RECOVERY REQUEST

TARGET
UNKNOWN TOKEN

LOCATION
04 DISTRICT : OBLIVION
─────────────────

画面を最後までスクロールする。
銀色のSBTについての記載はない。

「......対象外だな」

レートが口を開く。

「どうする?」

「一旦、こちらで預かる」

ゼロは保管ケースを取り出し、銀色のSBTを静かに収めた。

「ZIGZAGへ渡す物じゃない」

「了解」

レート達も特に異論はなかった。

「そういやさー」

ノアが椅子へ腰掛ける。

「最近、ZIGZAGの依頼多くない?」

――ピッ――

ゼロは端末を閉じた。

「ああ」

「儲かってんの?」

「違う」

「違う?」

「......戦力を集めている」

ノアの表情から笑みが少しだけ消える。

「へぇ」

クランツが静かに尋ねた。

「理由は?」

「まだ分からん」

ゼロはそれ以上続けなかった。

「少なくとも――」

保管ケースへ視線を向ける。

「面倒事の匂いはする」

いつもの三人。
いつもの帰り道。
夜風が街を吹き抜ける。

「お腹空いたー」

ノアがボソリと言う。

「さっきポテチ食ってただろ」

「ポテチはノーカロリー」

「お前なあ......」

レートが苦笑する。
クランツも小さく息を吐いた。

管理棟。
静かな執務室の保管ケースの中。
銀色のSBTが、何も語らず眠っていた。

それが何を意味するのか。
まだ、誰も知らない。
あとがき朔來 織
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 『SOUL TR@DE』は毎日18:00更新予定です。 面白いと思っていただけましたら、 評価・ブックマークで応援いただけると励みになります。 "SEE YOU AT THE NEXT MARKET."
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SOUL TR@DE作者:朔來 織
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街には、いつも通りの灯りが並ぶ。

子供達の笑い声。
屋台から漂う香ばしい匂い。
OBLIVIONの静寂とは違う、生きた街の音。

「やっぱ落ち着くわー」

ノアが大きく伸びをする。

「OBLIVIONって息苦しいんだよねー」

「空気じゃない」

クランツが淡々と歩く。

「街そのものだ」

レートも小さく頷いた。

「あそこは、生きてる感じがしない」

三人は孤児院の隣にある小さな管理棟、ゼロの執務室に向かった。

――コンコン――

「入れ」

低い声。
扉を開けると、ゼロは机へ向かったまま端末を操作していた。

「戻った」

レートが回収ケースを机へ置いた。
ゼロは一枚ずつSBTを確認していく。

――ピッ――

「登録済み」

――ピッ――

部屋には端末の電子音が響く。

「これで全部だ」

レートがそう言った時だった。

「......ゼロ」

クランツが自分のポケットから差し出した。

――コトッ――

静かに机へ置く。

銀色のSBT。
番号も刻印も存在しない。

ゼロの手が止まる。

「......これは?」

「OBLIVIONで見つけた。検索したら――」

ノアが肩を竦める。

「UNREGISTEREDだった」

クランツが静かに頷く。

「俺も同じ結果だ」

「......」

ゼロは無言のまま銀色のSBTを手に取った。

「ふむ......」

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銀色のSBTについての記載はない。

「......対象外だな」

レートが口を開く。

「どうする?」

「一旦、こちらで預かる」

ゼロは保管ケースを取り出し、銀色のSBTを静かに収めた。

「ZIGZAGへ渡す物じゃない」

「了解」

レート達も特に異論はなかった。

「そういやさー」

ノアが椅子へ腰掛ける。

「最近、ZIGZAGの依頼多くない?」

――ピッ――

ゼロは端末を閉じた。

「ああ」

「儲かってんの?」

「違う」

「違う?」

「......戦力を集めている」

ノアの表情から笑みが少しだけ消える。

「へぇ」

クランツが静かに尋ねた。

「理由は?」

「まだ分からん」

ゼロはそれ以上続けなかった。

「少なくとも――」

保管ケースへ視線を向ける。

「面倒事の匂いはする」

いつもの三人。
いつもの帰り道。
夜風が街を吹き抜ける。

「お腹空いたー」

ノアがボソリと言う。

「さっきポテチ食ってただろ」

「ポテチはノーカロリー」

「お前なあ......」

レートが苦笑する。
クランツも小さく息を吐いた。

管理棟。
静かな執務室の保管ケースの中。
銀色のSBTが、何も語らず眠っていた。

それが何を意味するのか。
まだ、誰も知らない。
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