Episode 4 HOME TOWN
朝のORPHANは騒がしい。
市場には朝早くから人が集まり、屋台では湯気が立ち上る。
野菜を並べる者。
荷物を運ぶ者。
笑い声と威勢のいい呼び声が、朝を包んでいた。
「おー」
パン屋の前を通りかかったノアが目を輝かせる。
「焼きたてー!」
「お前、朝飯食っただろ」
レートが呆れたように言う。
「パンは別腹」
「何腹あるんだ」
クランツが静かに呟く。
「全部」
レートの声が重なった。
ノアが頬を膨らませる。
「ひどくない?」
パン屋の店主が笑った。
「朝から仲良いねぇ」
「仲良くない」
「仲良し」
レートとノアが同時に言う。
――ピッ――
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>> COST PAYMENT
COST : 5
STATUS : COMPLETE
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「はい、クランツ。チャイラテ」
「ありがとう」
短い一言。
店主は苦笑する。
「相変わらずだねぇ」
「レート!」
八百屋の主人が手を振った。
「昨日ありがとうな!」
「いや」
「孫が泣いてたろ?」
「あれぐらい気にすんな」
「助かったんだって」
レートは照れ臭そうに頭を掻いた。
「......また何かあったら呼んでくれ」
「おう!」
「ノア姉ちゃーん!」
子供達が走ってくる。
「んー?」
「鬼ごっこしよ!」
「今?」
「今!」
ノアはレートを見る。
「仕事あったっけ?」
「今日は休み」
「じゃー」
ノアは笑顔で腕まくりした。
「本気出しますかー!」
「逃げろー!」
子供達が一斉に散る。
「待てぇ!」
市場中へ笑い声が広がった。
「元気だな」
レートが苦笑する。
「元気だけが取り柄だろ」
クランツがチャイラテを一口飲む。
「否定しないのな」
「事実だからな」
ノアがベンチへ倒れ込む。
「......はぁはぁ......子供は......怪物......」
「お前も大概だ」
レートが笑う。
クランツは静かに市場を眺めていた。
人々が笑う。
店が並ぶ。
子供達が走る。
いつものORPHAN。
「......平和だ」
小さく呟く。
レートも街を見渡した。
「ああ」
「守れてる」
――キイッ――
ゼロがゆっくり外へ出てきた。
市場の人々が自然と道を開ける。
「ゼロさん」
「おはようございます」
「ああ」
軽く頷くだけ。
それでも皆の表情は安心していた。
ノアが小さく笑う。
「相変わらず人気者ー」
「信頼だ」
クランツが答える。
「人気とは少し違う」
ゼロは三人へ近付く。
「休みを邪魔する」
「依頼か?」
レートが尋ねる。
「いや」
ゼロは首を横へ振った。
「まだ違う」
短く答える。
「近いうちに動く」
三人の表情が変わる。
「―― ZIGZAGか」
クランツの言葉にゼロが頷く。
「ああ。準備だけはしておけ」
そう告げ、再び管理棟へ戻っていった。
「......なんだろ」
ノアが小さく呟く。
クランツは静かにチャイラテを啜る。
「嵐の前ほど、静かなものだ」
レートは賑やかな市場を見つめた。
笑い声。
焼きたてのパンの香り。
走り回る子供達。
街は今日も平和そのもの。
レートたちは小さく笑った。