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Episode 8 DETOUR

輸送車は静かに街道を進んでいた。

一定の速度。
一定の間隔。

荷台へ腰掛けたノアが、退屈そうに空を見上げている。

「平和じゃん」

「そう思えるなら何よりです」

クロスは小さく笑った。

「前方、異常」

運転手の声が響く。
輸送車がゆっくりと速度を落とした。

――バタン――

レート達の目の前には、大量の瓦礫。
崩れ落ちた高架道路の残骸が、街道を完全に塞いでいた。
ノアが思わず声を上げる。

「あらー......完全に通れないねー」

レートは崩落現場を見つめる。

「自然崩落か」

返事をしたのはクランツだった。

「いや」

警戒しながら瓦礫へ近付く。
一つのコンクリート片へ手を添えた。

表面を指先でなぞる。
削れた跡。
押し潰された形状。

周囲へ視線を走らせる。

「壊されている」

ノアが目を丸くする。

「え?」

「崩れたんじゃない。崩した」

レートも瓦礫へ近付く。

「分かるのか」

クランツは小さく頷いた。

「自然なら散り方が違う。これは、道を塞ぐために作られている」

――ピッ――

─────────────────
>> ROUTE CHECK

CURRENT LOCATION

04 DISTRICT : OBLIVION

PRIMARY ROUTE

STATUS : UNAVAILABLE

SEARCHING ALTERNATE ROUTE...

SEARCHING...
─────────────────
>> ROUTE UPDATE

NEW ROUTE

BYPASS : CONFIRMED

STATUS : ACTIVE
─────────────────

「予定ルートは使えませんね」

クロスは端末を操作する。
青いルートが消え、新しい道が表示された。

「こちらへ迂回します」

ノアが画面を覗き込む。

「結構遠回りだね」

「はい」

クロスは淡々と答えた。

「ですが、ここを通るしかありません」

クランツは地図を見つめたまま呟く。

「......誘導されてるな」

「ああ。俺もそう思う」

レートも同じ結論へ辿り着いていた。

「私もそう思います」

全員が理解していた。
誰かがこの輸送隊を見ている。

――ピッ――

端末から地図が消える。

「それでも進みます」

レートがクロスに視線を向ける。

「積荷には期限があります。物流は止められません」

その言葉に迷いはなかった。

「分かった。護衛を続行する」

輸送車はゆっくりと方向を変える。
本来の街道を離れ、新たなルートへ入っていく。

その姿を、遠くの丘から見下ろす影があった。

『対象、迂回ルートへ移行』

黒いフードの人物は双眼鏡を下ろし、通信機へ口を開く。

『――続けろ』

通信機の向こうから、低い声が返る。

フードの人物は小さく頷く。
誰にも気付かれることなく、輸送隊とは別の道を歩き始めた。

護衛任務は確実に――
誰かの描いた盤面へと導かれ始めていた。
あとがき朔來 織
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 『SOUL TR@DE』は毎日18:00更新予定です。 面白いと思っていただけましたら、 評価・ブックマークで応援いただけると励みになります。 "SEE YOU AT THE NEXT MARKET."
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SOUL TR@DE作者:朔來 織
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一定の間隔。

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「平和じゃん」

「そう思えるなら何よりです」

クロスは小さく笑った。

「前方、異常」

運転手の声が響く。
輸送車がゆっくりと速度を落とした。

――バタン――

レート達の目の前には、大量の瓦礫。
崩れ落ちた高架道路の残骸が、街道を完全に塞いでいた。
ノアが思わず声を上げる。

「あらー......完全に通れないねー」

レートは崩落現場を見つめる。

「自然崩落か」

返事をしたのはクランツだった。

「いや」

警戒しながら瓦礫へ近付く。
一つのコンクリート片へ手を添えた。

表面を指先でなぞる。
削れた跡。
押し潰された形状。

周囲へ視線を走らせる。

「壊されている」

ノアが目を丸くする。

「え?」

「崩れたんじゃない。崩した」

レートも瓦礫へ近付く。

「分かるのか」

クランツは小さく頷いた。

「自然なら散り方が違う。これは、道を塞ぐために作られている」

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「予定ルートは使えませんね」

クロスは端末を操作する。
青いルートが消え、新しい道が表示された。

「こちらへ迂回します」

ノアが画面を覗き込む。

「結構遠回りだね」

「はい」

クロスは淡々と答えた。

「ですが、ここを通るしかありません」

クランツは地図を見つめたまま呟く。

「......誘導されてるな」

「ああ。俺もそう思う」

レートも同じ結論へ辿り着いていた。

「私もそう思います」

全員が理解していた。
誰かがこの輸送隊を見ている。

――ピッ――

端末から地図が消える。

「それでも進みます」

レートがクロスに視線を向ける。

「積荷には期限があります。物流は止められません」

その言葉に迷いはなかった。

「分かった。護衛を続行する」

輸送車はゆっくりと方向を変える。
本来の街道を離れ、新たなルートへ入っていく。

その姿を、遠くの丘から見下ろす影があった。

『対象、迂回ルートへ移行』

黒いフードの人物は双眼鏡を下ろし、通信機へ口を開く。

『――続けろ』

通信機の向こうから、低い声が返る。

フードの人物は小さく頷く。
誰にも気付かれることなく、輸送隊とは別の道を歩き始めた。

護衛任務は確実に――
誰かの描いた盤面へと導かれ始めていた。
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