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Episode 9 DEAD ANGLE

輸送車は迂回路へ入る。
速度を落としながら山間の道路を進んでいく。
陽は差しているはずなのに、どこか薄暗い。
ノアが辺りを見回す。

「......何かやな感じ」

レートも周囲へ視線を走らせる。

「見通しが悪いな」

クランツは返事をしない。
スピードを緩めた車内から周囲を見渡す。
その目線が止まる。

「......」

「どうした」

レートはクランツへ声をかけた。
クランツはゆっくりと顔を上げる。

視線の先は高架橋。
さらに、その奥。

「静かすぎる」

鳥の声も。
瓦礫が転がる音も。
何一つ音がしない。

「......確かに」

ノアも笑顔を消した。

「停止しろ」

レートは運転手へ声をかける。

――キイッ――

運転手がブレーキを踏み、エンジンだけが低く唸っていた。

――パァン――

乾いた銃声が谷へ響く。

輸送車の前方数メートル。
アスファルトを砕き、小さな火花を散らした。

弾丸は誰にも当たらない。

「狙撃っ!」

ノアが身を低くする。
レートは即座に外へ飛び出す。

「違う。威嚇だ」

クランツも頷く。

「ああ。当てる気なら、今ので終わってる」

誰も姿を見せない。

――バタン――

クロスはゆっくりと輸送車から降りた。

「出るな。危険だ」

レートが制止する。

「......いいえ」

クロスは首を横に振った。
静かに前方を見る。

「これは交渉です」

「交渉?」

レートは眉をひそめた。

「道を塞ぎ。迂回させ、そして撃たない」

クロスは銃痕へ目を向ける。
クランツも同じ結論へ至る。

「目的は荷じゃない。俺たちを止めてる」

「はい。本当に襲うなら、もっと前に終わっています」

「――っ!?」

ノアの視線の先。
一瞬、その姿を捉える。

黒いフード。
仮面。

「――2時の方向っ!」

ノアが叫ぶ。

「――っ!!」

レートが振り返る。
しかし、そこにはもう誰もいない。

誰かの姿があった高架橋の上。
壁に一枚の黒いカードが突き刺さっていた。

レートが近付く。

黒いカードには白い文字。

WELCOME

「......パーティーの招待だな」

クランツが小さく呟く。

「ああ」

レートはカードを見つめたまま答える。

「せっかくの招待だ。顔見せに行くか」
あとがき朔來 織
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 『SOUL TR@DE』は毎日18:00更新予定です。 面白いと思っていただけましたら、 評価・ブックマークで応援いただけると励みになります。 "SEE YOU AT THE NEXT MARKET."
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ノアが辺りを見回す。

「......何かやな感じ」

レートも周囲へ視線を走らせる。

「見通しが悪いな」

クランツは返事をしない。
スピードを緩めた車内から周囲を見渡す。
その目線が止まる。

「......」

「どうした」

レートはクランツへ声をかけた。
クランツはゆっくりと顔を上げる。

視線の先は高架橋。
さらに、その奥。

「静かすぎる」

鳥の声も。
瓦礫が転がる音も。
何一つ音がしない。

「......確かに」

ノアも笑顔を消した。

「停止しろ」

レートは運転手へ声をかける。

――キイッ――

運転手がブレーキを踏み、エンジンだけが低く唸っていた。

――パァン――

乾いた銃声が谷へ響く。

輸送車の前方数メートル。
アスファルトを砕き、小さな火花を散らした。

弾丸は誰にも当たらない。

「狙撃っ!」

ノアが身を低くする。
レートは即座に外へ飛び出す。

「違う。威嚇だ」

クランツも頷く。

「ああ。当てる気なら、今ので終わってる」

誰も姿を見せない。

――バタン――

クロスはゆっくりと輸送車から降りた。

「出るな。危険だ」

レートが制止する。

「......いいえ」

クロスは首を横に振った。
静かに前方を見る。

「これは交渉です」

「交渉?」

レートは眉をひそめた。

「道を塞ぎ。迂回させ、そして撃たない」

クロスは銃痕へ目を向ける。
クランツも同じ結論へ至る。

「目的は荷じゃない。俺たちを止めてる」

「はい。本当に襲うなら、もっと前に終わっています」

「――っ!?」

ノアの視線の先。
一瞬、その姿を捉える。

黒いフード。
仮面。

「――2時の方向っ!」

ノアが叫ぶ。

「――っ!!」

レートが振り返る。
しかし、そこにはもう誰もいない。

誰かの姿があった高架橋の上。
壁に一枚の黒いカードが突き刺さっていた。

レートが近付く。

黒いカードには白い文字。

WELCOME

「......パーティーの招待だな」

クランツが小さく呟く。

「ああ」

レートはカードを見つめたまま答える。

「せっかくの招待だ。顔見せに行くか」
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