Episode 29 PRICE
「ま、待て......!」
ARKの銃口は額から一ミリも動かない。
「頼む......!命だけは......!」
レートは静かに見下ろしている。
「......」
ZIGZAGの構成員たちは、その圧で動けない。
クランツも。
ゼロも。
ノアも。
誰も口を挟まない。
レートの仕事。
暗黙の了解がそこにあった。
「金なら払う!情報でも何でもやる!だから――」
「勘違いするな」
レートは小さく息を吐いた。
「......え......」
「お前はもう、売られる側だ」
レートは静かに言う。
「あ......うぁ......」
表情から血の気が引く。
レートは銃口を押し当てる。
――グリッ――
「ひっ......」
「選べ」
静かな声が戦場全体へ響く。
「売られるか」
感情のない声。
「従うか」
銃口は動かない。
「選べ」
レートの瞳が相手を見据えている。
「お前の価値を俺に示せ」
誰もその声には逆らえない。
敵対するすべての敵が――
レートの重圧に震えていた。