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Episode 38 BAD FRIEND

「ねえねえ!」

「ここに穴掘ろうよー!」

「僕もやるー!」

子ども達は思い思いに遊び回っていた。

そこから少し離れた場所。

クランツは縁側へ腰を下ろしている。

「今日は外に出られたね」

隣へステラがゆっくりと座った。

「......うん」

クランツは小さく頷く。

「......レートが」

ポツリと呟く。

「あいつ、僕のこと弱いって言った」

ステラは何も言わない。

「レートらしいわねえ」

ステラは笑いながら呆れる。

「あいつ、嫌いだ」

その言葉に。
ステラは少しだけ目を細めた。

「男の子ねぇ」

「......」

クランツが不満そうに眉を寄せる。

「でも」

ステラが悪戯っぽく微笑む。

「レートの名前、覚えたんだ?」

「......」

言葉に詰まった。

「......あいつ、バカそうだから覚えただけ」

その瞬間。

「レートはねー!」

近くで遊んでいたライラが――
パッと顔を上げた。

「......?」

「バカじゃないよ!」

クランツが少しだけ目を丸くする。
ライラは胸を張った。

「おバカさんなの!」

「......」

クランツがライラを見る。

「............ふふっ」

笑った。

自分でも驚くほど自然に。

「......」

ステラはその小さな笑顔を見つめる。

「ライラー?」

聞き慣れた声。
庭を歩いていたレートが、こちらへ近付いてくる。

ライラが嬉しそうに手を振った。

「レート!」

「......なんだよ」

レートが三人を見回す。

「......」

クランツはレートを見上げた。

少しだけ考える。

そして口を開いた。

「弱いか強いかは分からない」

「あん?」

レートが首を傾げる。

「だって僕ら、まだ子どもだし」

「強いって言えねぇやつは弱いんだよ」

即答だった。

「でも」

クランツは引かない。
レートを見据える。

「僕は、お前より頭いい」

「......んだと?」

レートが鼻で笑った。

「お前、生意気だな」

「お前、バカだな」

「はぁ?」

「事実」

「テメエ」

「......」

「......」

二人が睨み合う。

けれど――
殴らない。

言葉をぶつけ合っている。

ライラは二人を交互に見た。

「仲良し?」

「「違う」」

「......?」

声が重なった。
ライラがキョトンと首を傾げる。

「ふふっ」

ステラが堪えきれずに笑った。

「二人とも、そっくりね」

「「違う」」

また重なった。

「やっぱり仲良し!」

ライラが嬉しそうに笑う。

「仲良しじゃねぇ」

「......僕も違う」

そう言いながら。

胸の奥には、不思議な感覚が残っていた。

昨日まで――
知らなかった少年。

今日、二度。
言葉を交わした。

「はぁ......ったくよー」

レートは頭を掻きながら再び歩き出した。

――ズボッ――

「ぬぁっ!?」

――ドシャッ――

「レート......大丈夫?」

ライラが心配そうにレートを眺めている。

「誰だぁぁぁ!こんなとこに穴掘ったやつっ!?」

レートはギャーギャーと騒いでいる。

その姿をクランツは見ていた。
一つだけわかったことがある。

「あいつ、バカだ」

クランツの中でハッキリと――
レートを認識した。
あとがき朔來 織
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 『SOUL TR@DE』は毎日18:00更新予定です。 面白いと思っていただけましたら、 評価・ブックマークで応援いただけると励みになります。 "SEE YOU AT THE NEXT MARKET."
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SOUL TR@DE作者:朔來 織
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Episode 38 BAD FRIEND

「ねえねえ!」

「ここに穴掘ろうよー!」

「僕もやるー!」

子ども達は思い思いに遊び回っていた。

そこから少し離れた場所。

クランツは縁側へ腰を下ろしている。

「今日は外に出られたね」

隣へステラがゆっくりと座った。

「......うん」

クランツは小さく頷く。

「......レートが」

ポツリと呟く。

「あいつ、僕のこと弱いって言った」

ステラは何も言わない。

「レートらしいわねえ」

ステラは笑いながら呆れる。

「あいつ、嫌いだ」

その言葉に。
ステラは少しだけ目を細めた。

「男の子ねぇ」

「......」

クランツが不満そうに眉を寄せる。

「でも」

ステラが悪戯っぽく微笑む。

「レートの名前、覚えたんだ?」

「......」

言葉に詰まった。

「......あいつ、バカそうだから覚えただけ」

その瞬間。

「レートはねー!」

近くで遊んでいたライラが――
パッと顔を上げた。

「......?」

「バカじゃないよ!」

クランツが少しだけ目を丸くする。
ライラは胸を張った。

「おバカさんなの!」

「......」

クランツがライラを見る。

「............ふふっ」

笑った。

自分でも驚くほど自然に。

「......」

ステラはその小さな笑顔を見つめる。

「ライラー?」

聞き慣れた声。
庭を歩いていたレートが、こちらへ近付いてくる。

ライラが嬉しそうに手を振った。

「レート!」

「......なんだよ」

レートが三人を見回す。

「......」

クランツはレートを見上げた。

少しだけ考える。

そして口を開いた。

「弱いか強いかは分からない」

「あん?」

レートが首を傾げる。

「だって僕ら、まだ子どもだし」

「強いって言えねぇやつは弱いんだよ」

即答だった。

「でも」

クランツは引かない。
レートを見据える。

「僕は、お前より頭いい」

「......んだと?」

レートが鼻で笑った。

「お前、生意気だな」

「お前、バカだな」

「はぁ?」

「事実」

「テメエ」

「......」

「......」

二人が睨み合う。

けれど――
殴らない。

言葉をぶつけ合っている。

ライラは二人を交互に見た。

「仲良し?」

「「違う」」

「......?」

声が重なった。
ライラがキョトンと首を傾げる。

「ふふっ」

ステラが堪えきれずに笑った。

「二人とも、そっくりね」

「「違う」」

また重なった。

「やっぱり仲良し!」

ライラが嬉しそうに笑う。

「仲良しじゃねぇ」

「......僕も違う」

そう言いながら。

胸の奥には、不思議な感覚が残っていた。

昨日まで――
知らなかった少年。

今日、二度。
言葉を交わした。

「はぁ......ったくよー」

レートは頭を掻きながら再び歩き出した。

――ズボッ――

「ぬぁっ!?」

――ドシャッ――

「レート......大丈夫?」

ライラが心配そうにレートを眺めている。

「誰だぁぁぁ!こんなとこに穴掘ったやつっ!?」

レートはギャーギャーと騒いでいる。

その姿をクランツは見ていた。
一つだけわかったことがある。

「あいつ、バカだ」

クランツの中でハッキリと――
レートを認識した。
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