Episode 22 EXECUTION
ゼロが、真っ直ぐレートを見つめている。
「......本気か」
レートは一度だけ頷く。
「ああ」
その答えに迷いはない。
ゼロは視線を逸らさない。
「ゼロ。問題ない」
クランツが重い空気を破る。
「......聞かせろ」
ゼロは小さく顎を引いた。
――ピッ――
クランツは端末を操作する。
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ORPHAN : AREA MAP
ZIGZAG ACTIVITY SITES : 04
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画面に簡易地図が表示された。
赤い印が、四か所。
「確認出来ているZIGZAGの活動拠点だ。これを潰す」
ノアが画面を覗き込む。
「連絡網は?」
「ある」
クランツは答えた。
「同時に動く必要がある」
「......」
ノアは少しだけ考える。
「......通信、切れるね」
「いけるか?」
「うん。昨日の奴らの端末と規格が同じなら大丈夫」
「了解」
クランツが地図を見たまま頷く。
「制圧は数分で終わらせる」
「問題ない」
レートが力強く応える。
レートが方向を示す。
クランツが形にする。
ノアが道を見つける。
「......」
ゼロは三人を静かに見渡した。
誰かに指示されて動いているわけじゃない。
自分達で考え、自分達で進もうとしている。
不意に、妻の笑顔が脳裏を過った。
(この子達なら、大丈夫よ)
あの日。
笑ってそう言った懐かしい声。
「......いいだろう」
短い言葉だった。
「ただし、やるからには徹底的にだ」
「了解」
レートが応える。
――ピッ――
クランツは端末を閉じる。
「よーし!朝ご飯食べよー!」
ノアは勢いよく立ち上がった。
レートが思わず振り返る。
「そこなのか」
「空腹じゃ頭回らないもん!」
「そこは同意だ」
クランツが笑う。
緊張が少しだけ和らぐ。
ゼロも口元を僅かに緩めた。
「十分後、出るぞ」
「「「了解」」」
三人の声が重なる。
窓の外。
市場がゆっくりと目を覚まし始めていた。
人が行き交い、店が開く。
今日という一日が動き出す。
その喧騒の裏側。
HODL BOLLINGERもまた、動き始める。
依頼を待つためではない。
誰かに動かされるためでもない。
自らの意思で。
ORPHANへ牙を剥いた組織へ。
その答えを返すために。