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Episode 42 RAVEN

──ピピッ――

レイヴンは机へ置かれた端末へ視線を向けた。
ルークがコーヒーを飲みながら振り返る。

「嫌な予感がするんだが?」

――ピッ――

─────────────────
FROM : BLACK VARIANCE
STATUS : EMERGENCY
─────────────────

物流施設。
建物一部損壊。
負傷者数名。
原因。

VARGEN KAIN

レイヴンが目を細める。

「......お前の予感が当たった」

「今回は何だ?」

「ビールらしい」

ルークが天井を見上げた。

「PRADO行けよ......」

レイヴンは立ち上がる。

「行くぞ」

「始末書、大変だろうなあ」

「今回は何枚だろうな」

「もう慣れてんだろ、あいつらも」

「残業嫌いのお前には合わない職場だろうな」

「間違いない」

「さて、迎えに行くか」

「保護者かよ......」

ルークは大きく溜息を吐いた。

大型車両が物流施設へ到着する。
コンテナが吹き飛んだ跡。

警備員達が呆然と立ち尽くしていた。

その中央。
ビールを片手に街を眺める男。
ヴァーゲン・カイン。

「おー」

ヴァーゲンが片手を上げる。

「遅かったな。飲むか?」

「職務中だ」

ルークが即座に返す。

「仕事した」

周りにはビール缶が散乱していた。

「何の仕事だ」

「酒盛り」

「羨ましい仕事だねえ」

「お前もウチに来るか?」

「給与次第で考えてやる」

視線の先では始末書部隊が騒いでいた。

「飲まなきゃやってらんねえだろ!?」

「ルークさーん!俺たちが飲んでるビールも始末書出しますんでー!」

「キンキンに冷えてやがりますよー!!!」

「......あいつらのメンタルどうなってんだ?」

ルークは呆れながら淡々と現場検証を進めた。
レイヴンは周囲を見回す。

警備員。
隊員。

散らばっているコンテナの残骸。

「......怪我人は」

「七名ほど」

「重傷者は」

「爆風で飛んできた破片が当たったりした程度で、全員軽傷です」

BLACK VARIANCE隊員が答えた。

「誰も殺してねぇぞ」

ヴァーゲンが笑う。

「お前の基準は何なんだよ」

ルークは頭を抱えた。

「楽しけりゃそれでいいだろ」

ヴァーゲンは笑いながら缶を放る。

──カラン──

「帰るか」

「帰る前に謝れ」

「嫌だ」

「謝れ」

「嫌だ」

「ガキか」

「一応、大人だ」

レイヴンが二人の間へ入る。

「ヴァーゲン」

「何だ?」

「帰るぞ」

「暇だ」

「だから帰る」

「つまらん」

「知ってる」

雲一つない青空。
少しだけ空を見上げる。

「......どうした」

「やっぱり」

ヴァーゲンが呟く。

「全部弱ぇな」

ルークの表情から笑みが消えた。

「お前には――」

レイヴンも空を見上げる。

「この世界は退屈か?」

「......わかんねえ」

ヴァーゲンはポケットへ手を入れ、そのまま歩き出す。

「もっと面白ぇ奴、どっかにいねぇかな」

その背中はどこか寂し気だった。
あとがき朔來 織
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 『SOUL TR@DE』は毎日18:00更新予定です。 面白いと思っていただけましたら、 評価・ブックマークで応援いただけると励みになります。 "SEE YOU AT THE NEXT MARKET."
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SOUL TR@DE作者:朔來 織
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──ピピッ――

レイヴンは机へ置かれた端末へ視線を向けた。
ルークがコーヒーを飲みながら振り返る。

「嫌な予感がするんだが?」

――ピッ――

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物流施設。
建物一部損壊。
負傷者数名。
原因。

VARGEN KAIN

レイヴンが目を細める。

「......お前の予感が当たった」

「今回は何だ?」

「ビールらしい」

ルークが天井を見上げた。

「PRADO行けよ......」

レイヴンは立ち上がる。

「行くぞ」

「始末書、大変だろうなあ」

「今回は何枚だろうな」

「もう慣れてんだろ、あいつらも」

「残業嫌いのお前には合わない職場だろうな」

「間違いない」

「さて、迎えに行くか」

「保護者かよ......」

ルークは大きく溜息を吐いた。

大型車両が物流施設へ到着する。
コンテナが吹き飛んだ跡。

警備員達が呆然と立ち尽くしていた。

その中央。
ビールを片手に街を眺める男。
ヴァーゲン・カイン。

「おー」

ヴァーゲンが片手を上げる。

「遅かったな。飲むか?」

「職務中だ」

ルークが即座に返す。

「仕事した」

周りにはビール缶が散乱していた。

「何の仕事だ」

「酒盛り」

「羨ましい仕事だねえ」

「お前もウチに来るか?」

「給与次第で考えてやる」

視線の先では始末書部隊が騒いでいた。

「飲まなきゃやってらんねえだろ!?」

「ルークさーん!俺たちが飲んでるビールも始末書出しますんでー!」

「キンキンに冷えてやがりますよー!!!」

「......あいつらのメンタルどうなってんだ?」

ルークは呆れながら淡々と現場検証を進めた。
レイヴンは周囲を見回す。

警備員。
隊員。

散らばっているコンテナの残骸。

「......怪我人は」

「七名ほど」

「重傷者は」

「爆風で飛んできた破片が当たったりした程度で、全員軽傷です」

BLACK VARIANCE隊員が答えた。

「誰も殺してねぇぞ」

ヴァーゲンが笑う。

「お前の基準は何なんだよ」

ルークは頭を抱えた。

「楽しけりゃそれでいいだろ」

ヴァーゲンは笑いながら缶を放る。

──カラン──

「帰るか」

「帰る前に謝れ」

「嫌だ」

「謝れ」

「嫌だ」

「ガキか」

「一応、大人だ」

レイヴンが二人の間へ入る。

「ヴァーゲン」

「何だ?」

「帰るぞ」

「暇だ」

「だから帰る」

「つまらん」

「知ってる」

雲一つない青空。
少しだけ空を見上げる。

「......どうした」

「やっぱり」

ヴァーゲンが呟く。

「全部弱ぇな」

ルークの表情から笑みが消えた。

「お前には――」

レイヴンも空を見上げる。

「この世界は退屈か?」

「......わかんねえ」

ヴァーゲンはポケットへ手を入れ、そのまま歩き出す。

「もっと面白ぇ奴、どっかにいねぇかな」

その背中はどこか寂し気だった。
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