Episode 44 WATCH
街は今日も動き始めていた。
パン屋。
市場。
子供達。
笑い声が響くいつもの朝。
屋根の上。
風が髪を揺らす。
誰も気付かない。
少年が、街全体を静かに見渡していた。
視線が止まる。
ORPHAN。
子供達。
レート。
ライラ。
ステラ。
遠すぎて、声は聞こえない。
少年は少しだけ首を傾げた。
「............」
感情が見えない。
興味なのか。
退屈なのか。
それすら分からない。
――バサバサッ――
一羽の鳥が近くへ降りる。
「............」
少年は鳥を見つめていた。
――バタバタッ――
「............」
鳥は――
羽を失っていた。
少年は、そのまま歩き出す。
屋根から屋根へ。
軽く跳ぶ。
音もなく着地する。
――ゴーン――
――ゴーン――
遠くの鐘の音。
街に響く日常。
少年には何一つ。
響かない。
世界はまだ――
その存在を見つけていない。