2
そのしゅくだいが出来なかったのは、わたしだけでした。
「まだしゅくだいが出ていないのは、あなただけです」
しゅうぎょうしきの日に呼び出され、しょくいんしつでびくびくしていたわたしに、せんせいは一枚の紙をわたしました。
「どれだけじかんがかかってもかまいません。あなたの答えが見つかったら、せんせいにおしえてください」
そこには、せんせいこじんのじゅうしょとでんわばんごうが書いてありました。
「ほかのみんなにはヒミツですよ」
声をひそめたせんせいに、わたしは怒られなかったことにホッとむねをなで下ろしながら、コクリとうなずきました。
そして、だいじにズボンのポケットにしまいました。
せんせいの「もう行っていいですよ」という声で、わたしはしょくいんしつを出ていきます。
たいしゅつする時に「しつれいしました」とおじぎをしてかおを上げたわたしを、せんせいはほほえみながら手をふってくれました。
「すてきな春休みにしてくださいね」
と、言葉をそえながら。
りにんしきの日、たいちょうをくずして学校に行けなかったわたしにとって、これがせんせいとのお別れでした。