第十一話:プレイタイム
「リュウもいないし、裏ダンジョンは後にして、そろそろ昼飯食うか」
フレンド登録をした後。
ノクスがまた、ぼくからは見えないウィンドウにふれながら言う。
お腹空いてないけど、もうお昼なのかな?
「もうそんな時間?」
「ステータスウィンドウ開いて、右下を見てみな。現実世界での時刻が表示されてるから」
ノクスに言われて、ぼくはステータスウィンドウを開いてみた。
デジタル時計みたいな数字が出ている。
何月何日何時何分何秒まで分かる時計を見ると、お昼の12時過ぎになっていた。
ログインしたのは朝8時くらいだったから、いつの間にか4時間が経っていたんだね。
「フルダイブゲームにログインすると、現実世界の身体の感覚が無くなってるからな。メシ食わずにゲームしてて死んだヤツがいたから、時刻を表示するようになったんだ」
「ケームに夢中になってて死んじゃったら大変だね」
「ああすごく大変だ。本人よりも、家族とゲーム会社が、な」
ノクスはそう言って、フッとため息をついた。
ごはん食べずに遊んでて死んだ人がいるのって、お兄ちゃんの会社のゲームだったのかな?
ぼくはそうならないように気をつけよう。
「ログアウトは、その時計の右横にある【ログアウト】ボタンをおすだけだ。やってみな」
「はーい」
ぼくはログアウトボタンをおしてみた。
身体がスーッと持ち上がる感じがした後、背中に布団が当たっている感じがした。
となりにいるお兄ちゃんが、ムクッと起き上がったのが見える。
「ゲームすっごくおもしろかった」
「困ったこととか無かったか?」
「なかったよ」
ぼくはすぐにゲームの感想を言った。
これまでにいろんなゲームをしたけど、これが一番面白い。
今のところ不具合(バグ)は見つからなかった。
「そうかそうか。メシ食って一休みしたら、続きをするか?」
「うん!」
お兄ちゃんはヘアバンドをはずして枕の上に置いた。
ぼくも真似して、はずしたヘアバンドを枕の上に置いた。
「じゃあ、メシ作ってくるよ」
「ぼくも手伝う!」
お兄ちゃんはベッドから降りて、キッチンの方へ歩いていく。
ぼくはその後ろに続いて、キッチンへ歩いていった。
学校が休みの日には、ぼくもごはん作りをしているよ。
「昼メシはツナコーンおろしパスタだ。オレがパスタをゆでるから、真昼は大根をすりおろしてくれ」
「おっけー」
スパゲッティをゆでて、水で冷やして、ツナとマヨネーズとしょうゆで味付けして、スイートコーンを散らして、大根おろしを乗せる。
あればきゅうりやトマトを乗せたりもする。
食べるときに大根おろしをスパゲッティに混ぜて、しょうゆをちょい足しすると美味しいよ。
ツナコーンおろしパスタは、お兄ちゃんが夏によく作るもので、ぼくたちの大好物だった。