第十話:フレンド登録
買い物が終わった後、ノクスが言った。
「装備も変えたし、初心者ダンジョンの裏モードいっとこうか」
「裏モードってなに?」
「ふつうのダンジョンをクリアした後に開放されるハードモードだよ」
ダンジョンにはノーマルモードとハードモードがあるらしい。
どのくらい強さが変わるかは、行ってみてのお楽しみだって。
ノクスに教えられて、ぼくたちは再び街はずれの森の洞窟へ向かった。
またバフもらえるかな? って期待したんだけど。
洞窟の入口に着くと、リュウさんはどこかへ行ってしまったのか、だれもいなかった。
「残念、またバフをもらおうと思ったけど、ログアウトしたみたいだな」
ノクスも残念がっている。
ぼくからは見えないけど、なにかウィンドウを開いて調べているみたい。
「ノクスはリュウさんがログアウトしたのが分かるの?」
「フレンド登録しておけば、ログイン中かログアウト中かは分かるよ」
フレンド登録ってなんだろう?
よく分からなくてキョトンとしていたら、空中に小さなウィンドウが現れた。
そこには『ノクスがフレンド登録をリクエストしています。許可しますか?』と書いてある。
「メリディエスともフレンド登録しておこう。はいをおしてくれ」
「わかった」
言われるままにウィンドウの「はい」をおしてリクエストを許可する。
オルゴールみたいな音が鳴って、メッセージが流れた。
『ノクスとフレンドになりました。ステータスウィンドウのフレンドタブを確認してみよう』
「ステータス開いて右上のタグをおしてみな」
ノクスに言われて、ぼくはステータスを開いてみた。
右上に少し出っ張ったところがあって、「フレンド」の文字がチカチカ光ってる。
これがタグかな?
文字を指先でおしてみたら、フレンドリストのページが開いて、ノクスの名前と「NEW」の文字があった。
「フレンドになると、相手がログイン中ならリストにある名前が白く光る。ログアウト中だと灰色になってるから分かるよ」
「そっか、これがあれば友達になった人がゲームの世界に来ているか分かるんだね」
「うん。ログイン中ならリストの名前をおして【ささやきチャット】で会話もできるんだ」
ぼくとノクスの場合は同じ部屋にいて同時にログインしたから、リストを見なくても分かる。
他の人とフレンドになったら役立つ機能かな。
っていうか、ぼくまだこの世界で仲良くなった人いないけど。
ささやきチャットは、他の人に聞かれたくない話をするときに役に立ちそうだね。