第十三話:レアボス
初心者ダンジョンのハードモードは、ダンジョンの中にノーマルモードとちがう部分があった。
ノクス、リュウさん、ぼくの順で洞窟の中を進んでいたら、広くなっている場所に着いた。
広間みたいなところに、大きな木のオバケみたいなのがいる。
なんか強そうなやつだ。
「お、レアボスがいる。運がいいね」
「レアボスがいると、何かいいことがあるの?」
「たおせばレアアイテムが手に入るよ」
リュウさんが教えてくれた。
大きな木のオバケは、たまにしか出てこないレアボスらしい。
レアアイテムが手に入るなら、たおしたいね。
「リュウが来てたのも運が良かったな。例のアレ、ぶっぱなしてくれよ」
「任せとけ。メリディエスくん、隠し宝箱から手に入る魔法をお見せするよ」
これからリュウさんが使うのは、特別な魔法みたいだ。
隠し宝箱の魔法、ぼくもいつか見つけたいな。
「じゃあノクス、タゲとりよろ」
「おっけー」
リュウさんがオンラインゲーム言葉でノクスに言う。
タゲとりっていうのは、敵に自分を狙わせること。
よろっていうのはヨロシクを短く言った言葉だよ。
ぼくはオンラインゲームはこれが初めてだから、お兄ちゃんに教えてもらった。
ノクスが木のオバケに切りかかる。
枝を何本か切られて、木のオバケがキシャーッておこった声をあげた。
木のオバケはノクスめがけて枝をふってくる。
ノクスは平気な顔して、それをヒョイヒョイよけている。
「いくぜ!」
リュウさんが杖を掲げると、ノクスはサッと飛んで離れる。
木のオバケの上に、ポッカリ大きな穴が開いた。
「メテオリーテース!」
リュウさんが起動言語を叫んだら、上に開いた穴から大きな石が落ちてきた。
バスケットボール5個くらいの大きい石が、燃えながら木のオバケめがけて落ちてくる。
ドーンっていう大きな音がした後、木のオバケが火につつまれた。
木のオバケが、うらめしそうにリュウさんの方を見る。
「はい、トドメ」
ノクスがサッと走ってきて、燃えている木のオバケに剣をふりおろす。
木のオバケは真っ二つになった後、黒い煙になって、天井の穴に吸いこまれて消えていった。
「すごい! カッコイイ!」
「うんうん、もっとほめていいよ」
ぼくが言ったら、リュウさんは胸を張って笑って言う。
いいなあ、必殺技みたいに大きな魔法。
ぼくもいつか手に入れたいな。
「天井に穴が開くようになってよかったな」
「うんうん、最初は煙がすごくてヤバかったもんな」
ノクスとリュウさんが、笑いながら話している。
やっぱりリュウさんは、ゲーム会社の人かもしれない。