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第三話 合格者発表


 キラは「熱い熱い熱い!」と言いながら例によって競歩の速度で足早に戻ってきた。3分ギリギリくらいだ。セーフ。
 
 キラはサイドテーブルの上に買ってきた缶を急いでゴゴン! と置いた。しかし......

「はぁはぁ、ただいま。呼ばれた?」
「まだ」
「そか、あのさ、言いづらいんだけど、コンポタ売り切れてた......」
「そ、そんなあ。...って、ならそれは?」
「おしるこ。コンポタ売り切れで他に空腹感を紛らわすとしたらこれしかないかなって」
「おしるこかぁ~。実は子供の頃に家で出されてあまり好きな味じゃなかったから、それ以来おしるこって飲んだことないんだよね。もう味も憶えてないくらい小さな頃の記憶なんだけど......缶のおしるこって、おいしい?」
「めっちゃうめーよ、丁度いい甘さで、なんていうか、優しい味? だまされたと思って飲んでみ」
「う、うん。わかった」

ゴクッ......ゴクッ

プハ

「んまい! おしるこ、うんまい!」

「そこ! 何度も同じことを注意されるな。私語は慎むように」

「(あっ、ヤバ)すいません」
「失礼しました」

(ごめん、キラ。ちょっと感動してしまって)
(いや仕方ないさ。おしるこはうまいからな)

 するとついに合格発表をするようでミカゲがマイクを手に取りスイッチを入れた。

ブゥン......

『あー あー マイクテストマイクテスト......ん......それでは、合格者の発表を行う。呼ばれた者は返事をし、仮ライセンスを受け取りにカウンターまで来なさい。............首位。受験番号11番、井之上士郎!』

「シロー! お前トップかよ! すげえな! おめでとう!」
「首位はまぐれさ。でも、ありがとう」

 合格者の名前が次々と呼ばれる。10位......15位......20位と しかし、キラの名前は呼ばれない。そして――

『22位......』
(ゴクリ......)

『受験番号25番、安藤優雅。合格者は以上だ。おめでとう! 正規合格者の22名は登録用紙を受け取ること。続いて研修生の発表をする――』

(あーーー......やっぱダメだったかあ)

はぁーーーーーーーーーーーーーーーーー

 分かっちゃいたけど落胆した。最終局に雑な麻雀をしていなければおそらく首位合格は自分だったと思うと悔し過ぎて、そういう自分が許せなくて、その目は見開いて、天井を見つめて瞬きもできないでいた。

 するとそこに小走りで俳優顔負けの色男がやってきてミカゲプロに何か報告をしていた。それを聞いたミカゲプロは驚いたあとに何か満足げにニヤリと笑ってもう一度マイクを握った。

『あー、待たせてすまない。ちょうど今、とてもめでたい報告があった。一昨年結婚したC1リーグ所属の和泉亜紀いずみあきプロを知らない者はこの中にはいないだろう。彼女がこの度妊娠したと報告があった。ちょうど今、SNSでも公表した所だ』

 和泉亜紀とは元アイドルの麻雀プロでそのビジュアルと人柄の良さで一気にTUIKAの知名度を上げてくれた、団体の貢献度ランキング1位かもしれない女性だ。ちなみに、結婚しているという事実は人気商売であるため、なるべく隠していた。

「えっ、和泉亜紀が?」
「てか結婚してたんだね」
「良かったじゃない!」
「そりゃめでたいな」

ザワザワ ザワザワ

『静かに、静かに。......コホン。でだな。その都合でC1リーグに空きが1つ出来た。そうしたら今期C2の選手順位1位だった者はC1へと繰り上がる。つまり、言いたいことは分かるだろう? 吉良』

「? あ、次点が正規合格になる!」

『そうだ! 23位......受験番号12番! 吉良義慶、合格おめでとう!』

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真心雀士キラ ☆ 4つヨシのVery Good!作者:彼方
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 キラはサイドテーブルの上に買ってきた缶を急いでゴゴン! と置いた。しかし......

「はぁはぁ、ただいま。呼ばれた?」
「まだ」
「そか、あのさ、言いづらいんだけど、コンポタ売り切れてた......」
「そ、そんなあ。...って、ならそれは?」
「おしるこ。コンポタ売り切れで他に空腹感を紛らわすとしたらこれしかないかなって」
「おしるこかぁ~。実は子供の頃に家で出されてあまり好きな味じゃなかったから、それ以来おしるこって飲んだことないんだよね。もう味も憶えてないくらい小さな頃の記憶なんだけど......缶のおしるこって、おいしい?」
「めっちゃうめーよ、丁度いい甘さで、なんていうか、優しい味? だまされたと思って飲んでみ」
「う、うん。わかった」

ゴクッ......ゴクッ

プハ

「んまい! おしるこ、うんまい!」

「そこ! 何度も同じことを注意されるな。私語は慎むように」

「(あっ、ヤバ)すいません」
「失礼しました」

(ごめん、キラ。ちょっと感動してしまって)
(いや仕方ないさ。おしるこはうまいからな)

 するとついに合格発表をするようでミカゲがマイクを手に取りスイッチを入れた。

ブゥン......

『あー あー マイクテストマイクテスト......ん......それでは、合格者の発表を行う。呼ばれた者は返事をし、仮ライセンスを受け取りにカウンターまで来なさい。............首位。受験番号11番、井之上士郎!』

「シロー! お前トップかよ! すげえな! おめでとう!」
「首位はまぐれさ。でも、ありがとう」

 合格者の名前が次々と呼ばれる。10位......15位......20位と しかし、キラの名前は呼ばれない。そして――

『22位......』
(ゴクリ......)

『受験番号25番、安藤優雅。合格者は以上だ。おめでとう! 正規合格者の22名は登録用紙を受け取ること。続いて研修生の発表をする――』

(あーーー......やっぱダメだったかあ)

はぁーーーーーーーーーーーーーーーーー

 分かっちゃいたけど落胆した。最終局に雑な麻雀をしていなければおそらく首位合格は自分だったと思うと悔し過ぎて、そういう自分が許せなくて、その目は見開いて、天井を見つめて瞬きもできないでいた。

 するとそこに小走りで俳優顔負けの色男がやってきてミカゲプロに何か報告をしていた。それを聞いたミカゲプロは驚いたあとに何か満足げにニヤリと笑ってもう一度マイクを握った。

『あー、待たせてすまない。ちょうど今、とてもめでたい報告があった。一昨年結婚したC1リーグ所属の和泉亜紀いずみあきプロを知らない者はこの中にはいないだろう。彼女がこの度妊娠したと報告があった。ちょうど今、SNSでも公表した所だ』

 和泉亜紀とは元アイドルの麻雀プロでそのビジュアルと人柄の良さで一気にTUIKAの知名度を上げてくれた、団体の貢献度ランキング1位かもしれない女性だ。ちなみに、結婚しているという事実は人気商売であるため、なるべく隠していた。

「えっ、和泉亜紀が?」
「てか結婚してたんだね」
「良かったじゃない!」
「そりゃめでたいな」

ザワザワ ザワザワ

『静かに、静かに。......コホン。でだな。その都合でC1リーグに空きが1つ出来た。そうしたら今期C2の選手順位1位だった者はC1へと繰り上がる。つまり、言いたいことは分かるだろう? 吉良』

「? あ、次点が正規合格になる!」

『そうだ! 23位......受験番号12番! 吉良義慶、合格おめでとう!』

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