過去の傷
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「えっとこの傷ですよね、これは幼少期にファイアーベアーに付けられた傷です」
「ファイアーベアーってAランクモンスターだろ!」
「1匹村に入り込むだけでその村は壊滅するとまで言われてる超危険モンスターだね」
「ええ、あれはまだ僕が師匠の弟子になる前でした」
~10年前~
平民だった僕は両親の手伝いをするために畑に来ていた
「えらい今日は森が騒がしいな」
「お父さんそうなの?」
「ああ、こういう日は良いことが起こらない、はやく畑仕事やって家に戻ろう」
「うん、わかった」
僕たちは畑仕事を終え家に帰ろうとした瞬間森からファイアーベアーがこちらに向かって突進してきた
「なっ!ファイアーベアー!なんでこんなところに!逃げなさい!」
お父さんは僕たちを逃がそうとファイアーベアーに立ち向かったが鍬しか持ってないお父さんはファイアーベアーの爪の一撃で倒れた
「あなた!」
「お父さん!」
お父さんを倒したファイアーベアーはこちらを向いた
「逃げるわよ、ウィン!」
「う、うん!」
僕たちは急いで走ったがファイアーベアーが火の玉を放ってきた
「ウィン!」
お母さんは僕を横に突き飛ばしてニッコリ笑ってこう言った
「あなたは生きて」
そして炎に包まれた
「お母さん!」
そうして僕に突撃してきた
「う、うわぁぁ!」
僕は逃げたが背中を思い切り爪で切り裂かれた
「痛い!痛い!だれか助けて!」
このまま死ぬのかと思ったそのとき僕の目の前に女性が降り立った
「ファイアーベアーね、最近の王国騎士団はなにをやってるのかしら」
女性は僕の傷に何かをふりかけた
「低級ポーションしか持ってなかったから傷跡はのこるけどそこは我慢してね」
そういって女性はファイアーベアーと対峙した
「お、お姉さん逃げて」
「心配してくれるのね、ありがとう、でも大丈夫よ、一瞬で片付くから」
そういって手のひらをファイアーベアーに向けた
「『ウィンドストーム』!」
するとファイアーベアーは宙に浮き、そのまま切り刻まれた
「す、すごい」
そしてそのまま地面に叩きつけられたファイアーベアーは動かなくなり倒れた
「そ、そうだ、お父さんとお母さん!」
僕はまだ痛む体をむりやり動かしお母さんに近寄った
「お願いします!両親を助けてください!」
「残念だけどすでに亡くなってる、亡くなっている者は助けようがない」
「そんな!うぁぁぁ!」
僕はその場で大声で泣いた。
そんな僕をお姉さんは優しく背中を撫でてくれた
「しかし、ファイアーベアーがこんな所に出るなんて聞いたこないわ」
お姉さんがそう呟くと森の中から重装備の兵士たちがたくさん現れた
「これは、ファイアーベアーが死んでいる?そこにいるのは暴風の魔女では?」
「あら?私を知ってるのかしら?」
「ええ、申し遅れました、私は王国第三騎士団の団長をしております、マーク・ロードウェイと申します」
「それでこのファイアーベアーはあなた達が逃がしたのかしら?」
「逃がしたといえばそうなりますね、我が隊の新人がビビりまして包囲網が出来ずそこから逃げられたましたから、まぁ平民2人が犠牲になった程度で済んだので良かったですよ」
その言葉を聞いた瞬間僕の中で何かが弾けた
「良かった?僕の両親が死んだのになにが良かっただ!」
「これは!魔力の奔流!この子なんて魔力なの!」
「許さない!許さない!」
「な、なんだこれは!平民の癖になんて魔力を!」
僕は体の中から涌き出てくる力を貴族に向けた
「駄目よ!ここで殺しては!」
すると僕にお姉さんが抱きついてきた
「落ち着いて、深呼吸をするのよ」
「離して!僕の両親の死を犠牲が2人で良かったなんて!」
「ここであれを殺しても貴方の両親は喜ばないわ!落ち着いて!」
お姉さんの言葉はゆっくりと僕の中に染み込んでいった
「このガキ!貴族に魔力を向けるなぞ!」
そういって兵士の一人が僕に剣を向けてきたがそれをお姉さんが魔法で防いだ
「この子は目の前で両親を失った、そんな状態で冷静で居られると?」
「ちっ!平民ごときが貴族に逆らうのが悪いんだろ!」
「あら、なら私とやりあう?暴風の魔女である私と」
「くそ!このファイアーベアーだけ貰っていく、ガキ!命拾いしたな!」
そう言って貴族の人達は去っていった
「さて、貴方、名前を教えてくる?」
「ウィン」
「そう、良い名前ね、貴方はこれからどうするのかしら?」
「・・・・」
「もし、良かったら私の弟子にならない?」
「弟子?」
「ええ、貴方は間違いなく魔法の資質があるわ、それも私の魔法と相性のいい風魔法の素質がね、私の弟子になったらこここには墓参りぐらいしか帰ってこれないわ、ただし、貴方次第で私の究極魔法も教えてあげるわ、衣食住も保証するわ」
「わかりました、あなたの弟子になります」
「今日からあなたは、ウィン・テンペストと名乗りなさい、両親のお墓を作って荷物を持って私の家に行くわよ」
こうして僕は背中に大きな傷を付けたまま師匠の弟子になった