プシュケーの手紙
『拝啓 麟君 アイちゃんへ
雪で凍える季節となりました。そちらは夏でしょうか?
二人とも、身体の具合は?私はとても調子が良いわ。
香水をまた買いに来てね。天使の薔薇、お気に入りなのよ。使ってくれているかしら?
いつでも二人を思っているわ 薫』
そして糊付けされていた方の面見る。
『前置きはここまでにして、本題です。
麟くん、貴方とんでもないことをしたわね。
神を攫う
前代未聞の大騒ぎとして今国中が捜索しているわ。
きっと前に一緒に来た透明の髪の子でしょう。
でも、私は情報を一切渡してやらなかった。
この手紙が読まれる可能性もないわ。二重にさせてもらったからね。
見られたら君のせいよ、麟くん。
麟くん、貴方に言っておくことがある。
一度護ると決めたなら、死ぬ時まで護りなさい
アイちゃんに伝えておいて。
離れていても、この薔薇の匂いが、私を思い出させてくれるって。
また二人に会うのを本当に、楽しみにしているわ。
それから最後に、
最近、異能を操る異質な存在が辺りを彷徨いているらしい。貴方じゃないのなら注意して。
手紙の返事もいらないわ。
暫くは此処に送り続ける。貴方達が此処を離れる時だけ手紙を出してちょうだい』
手紙を読み終えた後、リンは少しだけ手紙を強く握った。紙を握る音が静かに響く。
「...してやられたな」
その言葉に、アイは稀有で美しい虹の宝石を見え隠れさせるばかりだった。
アイが寝静まった後、リンは暗闇の中で一人思案していた。
――異能を操る...そして惹かれるように出会った天使と悪魔の絵本。調べる必要があるな。
そんな事を考えながら、眠りについた。