月野姫は月が嫌い④
だけど、成長していくにつれて
かぐやとの間に小さなすれ違いが重なっていく。
部活や、友達との付き合いなど
日常生活を送る上で欠かせない要素が
かぐやと姫の時間を奪っていった。
それでも姫は、かぐやと過ごす
十五夜だけは何の予定もいれずに
彼女の帰りを待ち侘びていた。
人気者の妹は帰ってこないと
分かっていても、待ち続けていた。
深夜になり、母に「早くお風呂入りなさい」と
叱られるまで、待つことをやめずにいる日常。
初めは忙しさの合間を縫ってかぐやは
月見に付き合ってくれた。
けれど、中学生になってから、
お互いが忙しくなり、時間が取れなくなると
段々とかぐやの帰宅は遅くなっていった。
そして、あの日の幼い夢を
まるで忘れてしまったかのように
十五夜を一緒に過ごすことがなくなった。
裏切られた気持ちになって、
学校で笑顔を振り撒く妹に唇を噛み締めた。
まるで、自分とかぐやは違うのだと
格の違いを見せつけられているような
気がしたから。
あの日、あたし達は一緒だったはずだ。
それなのに、なんでこんなにも
違いが生まれているのか自分でもわからない。
姫は、その翌年から
十五夜にかぐやを待たなくなった。
期待しても何も返ってこないと
逆に腹が立つだけだからと学んだからだ。