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月野姫は月が嫌い③



十五夜のささやかな楽しみは
毎年父が買ってくれる
ホールのチーズケーキを月に見立てて
家族で月見を楽しむことだった。

姫とかぐやはチーズケーキが大好きだった。

姉妹の唯一の共通点がチーズケーキ。
それが幼心に嬉しくて、2人で
「美味しいね」と言い合いながら
チーズケーキを食べていた。

「私、お月様に行きたい」

フォークを手に持ったまま、
目を輝かせる妹に姫は眉を寄せた。

「かぐやってば、お月様はもうないんだよ?
月には行けないんだよ」

「わからないじゃん。
お月様は隠れてるだけかもしれない。
私、姫と一緒にお月様に行きたいの」

にっこり笑うかぐやはやっぱり可愛かった。

「どうして、月に行きたいの?」

「だって、チーズケーキにかぐや姫は
月面着陸できないんだよ?」

かぐやの言葉は、意味深で姫には
その意味がよく分からなかった。

首を傾げているとかぐやは優しい目を細めて
姫の手と自分の手を合わせた。

「かぐやと姫。2人合わせてかぐや姫。
私達は、月に行けるくらいに最強の双子ってこと」

ニヒヒと笑うかぐやに釣られて笑顔になる。

「いつか、チーズケーキじゃない
本物のお月様に月面着陸できたらいいな」

「きっとできるよ!私達は最強の双子だから」

笑い声が月のない住宅街に響く。

その頃の姫は、いつか
かぐやと一緒に月面着陸できることを
信じて疑わなかった。




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月野姫は月が嫌い④
チーズケーキにかぐや姫は月面着陸できない作者:藤川みはな
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十五夜のささやかな楽しみは
毎年父が買ってくれる
ホールのチーズケーキを月に見立てて
家族で月見を楽しむことだった。

姫とかぐやはチーズケーキが大好きだった。

姉妹の唯一の共通点がチーズケーキ。
それが幼心に嬉しくて、2人で
「美味しいね」と言い合いながら
チーズケーキを食べていた。

「私、お月様に行きたい」

フォークを手に持ったまま、
目を輝かせる妹に姫は眉を寄せた。

「かぐやってば、お月様はもうないんだよ?
月には行けないんだよ」

「わからないじゃん。
お月様は隠れてるだけかもしれない。
私、姫と一緒にお月様に行きたいの」

にっこり笑うかぐやはやっぱり可愛かった。

「どうして、月に行きたいの?」

「だって、チーズケーキにかぐや姫は
月面着陸できないんだよ?」

かぐやの言葉は、意味深で姫には
その意味がよく分からなかった。

首を傾げているとかぐやは優しい目を細めて
姫の手と自分の手を合わせた。

「かぐやと姫。2人合わせてかぐや姫。
私達は、月に行けるくらいに最強の双子ってこと」

ニヒヒと笑うかぐやに釣られて笑顔になる。

「いつか、チーズケーキじゃない
本物のお月様に月面着陸できたらいいな」

「きっとできるよ!私達は最強の双子だから」

笑い声が月のない住宅街に響く。

その頃の姫は、いつか
かぐやと一緒に月面着陸できることを
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