ホーム›チーズケーキにかぐや姫は月面着陸できない›お月見
← 次の話目次前の話 →

お月見



「ねぇ、姫......」

懲りもせずにまたかぐやが話しかけてくる。
無視していると、小さなため息が聞こえてイラっとした。

「何? わざとらしくため息なんかついてそこまで大事な用があるわけ?」

かぐやは動揺して瞳を泳がせる。

「ご、ごめん......。
でも......私、どうしても姫と
やりたいことがあって......」

「はぁ? やりたいこと?
そんなの、友達とやればいいじゃん」

席を立つと、かぐやの華奢な手が
姫の腕を掴んだ。

「待って!!
友達とじゃダメなの。
姫とだからやりたいの」

かぐやの力強い眼差しに幼い頃の
彼女を思い出した。

今更なんでそんな目を向けるのだ。

腹が立つ。

「......何よ。あたしがいくら待っても
帰ってこなかったくせに......」

「......ごめん......。
でも、今度こそはちゃんと帰ってくるって約束する。だから、一緒にお月見しよう?」

潤んだ瞳に誰もが健気だと宣うことだろう。
けれど、もう騙されない。

「バカにしないで」

そう言い放ち、放課後の教室を後にした。
シェア
前の話 →
月野姫は月が嫌い④
← 次の話
お月見②
チーズケーキにかぐや姫は月面着陸できない作者:藤川みはな
目次を見る
コメント0件
ログインしてコメントする
まだコメントがありません
ホーム›チーズケーキにかぐや姫は月面着陸できない›お月見
← 前の話目次次の話 →

お月見



「ねぇ、姫......」

懲りもせずにまたかぐやが話しかけてくる。
無視していると、小さなため息が聞こえてイラっとした。

「何? わざとらしくため息なんかついてそこまで大事な用があるわけ?」

かぐやは動揺して瞳を泳がせる。

「ご、ごめん......。
でも......私、どうしても姫と
やりたいことがあって......」

「はぁ? やりたいこと?
そんなの、友達とやればいいじゃん」

席を立つと、かぐやの華奢な手が
姫の腕を掴んだ。

「待って!!
友達とじゃダメなの。
姫とだからやりたいの」

かぐやの力強い眼差しに幼い頃の
彼女を思い出した。

今更なんでそんな目を向けるのだ。

腹が立つ。

「......何よ。あたしがいくら待っても
帰ってこなかったくせに......」

「......ごめん......。
でも、今度こそはちゃんと帰ってくるって約束する。だから、一緒にお月見しよう?」

潤んだ瞳に誰もが健気だと宣うことだろう。
けれど、もう騙されない。

「バカにしないで」

そう言い放ち、放課後の教室を後にした。
シェア
← 前の話
月野姫は月が嫌い④
次の話 →
お月見②
チーズケーキにかぐや姫は月面着陸できない作者:藤川みはな
目次
コメント0件
ログインしてコメントする
まだコメントがありません