お月見②
帰宅すると食卓に見慣れたチーズケーキが置いてあった。
あれから、チーズケーキは買わなくなっていたのにかぐやの仕業だろうか。
どうでもいい。
疲れたから寝よう。
姫が階段を登り、自分の部屋に入ると
小さなメッセージカードが机に
置かれているのが目に入った。
花があしらわれている可愛らしい
メッセージカードに綴られていたのは
『今夜9時に三日月公園で待っています』
という短い文章。
癖のある丸文字はかぐやのものだと
容易に推察できた。
......かぐやは何をしたいのだろうか。
全くもって意味がわからない。
姫は小さく息を吐いて、額に手を当てた。
本当は自分でも分かっている。
こんなの、ただの八つ当たりだと。
かぐやが帰ってこないからと
子供のようなワガママで、
かぐやに卑屈な態度を取り続けていた。
でも、かぐやのあの笑顔が
作り物だと分かっているからこそ
腹が立っていたのだ。
片割れだからこそ分かってしまう。
平気なフリをして、頼まれたことを引き受ける。
体調が悪くても笑顔を浮かべる。
そんな優等生を演じるかぐやが
ずっと、嫌いだった。