2話 その名をモデルモンスター、略してモデモン!!
機械と動物が混ざった生き物、モデルモンスター。略してモデモン。(たまに機械でない動物もいる)
この世界は人とモデモンが共存して生きる世界。
町には人とモデモンが。海や空にはモデモンが、生き生きとしている。
青空を軽快に飛ぶジェット機のようなリスのような。
モモンガ戦闘機が、海の上をビューンと飛ぶ。
海の中には、七色に点滅するイカLEDライトや電動ノコギリの付いたチェンソーザメが優雅に泳ぎ。
無人の船、カジキ船が大海原を漂う。
そんな、モデモンで溢れた世界――――。
◆◆◆
ここに一つの町があった。
綺麗な外観の家が立ち並ぶ。大きな池があったり、スーパーがあったり。
町の入口に立った看板には、こう書かれていた。
『ラサシトタウン』
◆◆◆
友達との約束があり、家から出ようとする俺に母が話しかけてきた。
「新しくできたモデモンセンターの所ね、景色が凄く良かったわよ」
「ふーん、そうなんだ」
そんな、普通の会話を母とはする。
「言ってきまーす!」
俺は玄関のドアを開けて外に出る。家のネームプレートには『囚覚』と書かれている。
今日もネックウォーマーにショルダーバッグは欠かせない。
私服で待ち合わせ場所まで行く。
俺は高校一年生になったばかり。
桜の季節だよなー。
桜の木が満開の桜を咲かせる。
サイドリルを連れた人や、ミシンネズミや、カピパラ風呂など様々なモデモンが姿を見せてくれる。
ちょっと涼しい風が吹く気持ちの良い日だった。
行きの途中に、パン屋がある。俺はそこのパンが好きだった。
特に好きなのがこの、ラサシト揚げパン!
◆◆◆
俺は買ったラサシト揚げパンを片手に、食べながら待ち合わせ場所まで進む。
十字路の端に立つ男が一人。
友達の法根だ。
「おはー十恕」
「おはよう法根」
俺たちはなんてことない挨拶を交わす。
突然、法根が聞いてきた。
「良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?」
「重要な方から教えて」
こういう良いニュースと悪いニュース系は、事態を早く解決に導かなければならない方を、早く聞いた方がいい。
「良いニュースは、ハンバーガーが半額になるクーポンを入手した」
「そっか......良かったな」
「で、悪いニュースは、俺の使っていた鉛筆が折れたことだ。おっと芯だけじゃないぞ、腹からだぞ!」
道の端で焼却炉を備えたカラス、カラス焼却炉がゴミを拾って食べる。
法根には悪いが、正にゴミのような会話だったな......。
「そっか」
俺は空を見上げて気分を変える。
「で、今日はどうしたの?」
「昨日は今日ダベろうと思ったんだが、今日になってそんな気分でもなくなってきたところだ」
「気分屋だな。まあ、そんな時あるよね」
近くにあった公園を俺たちは見る。
公園に付いているモデモン同士を戦わせるバトルフィールドに男の子が二人がいた。
「モデモンバトルする気なのかな......」
「そうだろうな」
俺は少し青い気持ちが広がる。
「モデモンバトルは生き物同士を戦わせるもので、モデモンセンターだって普通の病院。一瞬で怪我を回復してくれるところでもないんだ」
俺はショルダーバッグのショルダーストラップを握る。
「それなのに、自分の大切なモデモンを戦わせ合おうなんて、人としてどうかと思う」
「お前、モデモンバトルは超否定派だよな」
「理に適ってないと思うもん」
法根は優しそうな目を俺に向ける。
「それを言うのがどれくらいいるかだな」
よく見ると公園には亀型の金庫が歩いていた。
「何あのモデモン?」
スマホを取り出し調べた。
「亀金庫って言うんだー」
「知らなかったのか?」
「知らなかったよ。知ってたなら教えてくれてもよかったのに......」
「悪い悪い」
会話をしていると、公園にいた子供たちがこちらに走ってきた。
片方の子が口を開いた。
「僕たち今からモデモンバトルしようと思ってるんですけど良かったら......」
話しかけてきた方の子供は緊張しているのか、手をもじもじさせる。
「審判やってくれませんか?」
うっ......。
凄く反応し辛い話が来た。
俺が法根の方を見る。
法根は迷わず言った。
「このお兄さんがやるって」
「は?」
「俺は用事があるから、それじゃあまた学校で会おうな十恕」
「待て行くな法根」
俺の制止など知らんぷい。早足で逃げて行った友達。
......。
俺はいなくなった法根のあとを見続ける。
だからあいつは親友とは呼べない友達なんだ......。
俺は心で愚痴り子どもたちに向かい直った。