ホーム最後の悪魔は生き残りたい権能
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権能

唾を飲んだ。
空気は少し乾燥している。

「この領域と言われる場所から、地上に影響を与えるとAPを獲得できると言ったよね?今の地上の様子はどんな感じ?この世界の人はどんな生活をしているの?」
「詳しいことは分かりません。ですが、人間の生活圏は広くないみたいですね。」
「それってどういうこと?」

蛇は答える。
・人間の生活は狩猟や漁、採取で生活を維持している。
・魔獣と呼ばれる通常の生物よりも生命力が強い生物が食物連鎖の頂点に位置している。
・魔獣の存在によって、人間は集落を広げられず、集落同士は互いに離れている。

「じゃあさ、この人たちのために魔獣を退治したらどう?」
「はい、その方法でもAPは獲得出来ます。」
「どのくらい?」
「人間を殺すよりはるかに少ないです。」
「魔獣を退治して、人の生活圏を広げたら、それは領域の上に住む人を支配してるってことにはならない?」
「うーん。それは確かに...。」

蛇はとぐろを巻きながら頭を揺らし、考えているみたいだ。

「アンドロマリウス様!その方法ならそこそこのAPを獲得できるかもしれません!」
「さっきから少ないとかそこそこって言うけどAPって数値じゃないの?」
「いいえ、違いますよ。APが溜まるとその水晶の中が色濃くなるのです。」
「...随分アバウトだな。どれくらい溜まったかは分からないってこと?」
「大まかには分かりますよ。色が濃くなればなるほど、APが多いということですから。ほら、今も少しずつ色が濃くなっていってますよ。」

水晶玉をジーッと眺める。
「変わってないよね?」
「いいえ、多分少しずつは濃くなっていってるはずですよ。」

「多分って...」
思わずため息が出る。

「ところで、アンドロマリウス様。いつ私に名をつけてくれるのでしょうか。」

蛇はとぐろを巻きながら尻尾を左右に振る。

「名前無いの?」
「ありません。」
「なんで?」
「分かりません。」
「どうしたらいいの?」
「アンドロマリウス様の名前の一部をお与えください。」
「じゃあ、ン」
「真面目にお願いします。」

ちょっとは仕返しが出来たかな。
正直、この蛇は怪しい。
言ってることも適当、人間を殺せっていうし。

──でも。

悪いやつって感じはしない。

蛇に向き直り、唇を抓りながら考える。
たしか、僕の名前の一部を欲しがってたよな。

「──マリ
お前の名前、マリってのはどう?」

「ありがとうございます。アンドロウス様」

青白かった蛇の鱗がほんのり光る。
僕となにかが繋がって、ビリっとした。

「アンドロウス様、これで権能が使用可能になりました。」
「権能?」
「少し前にもお伝えしましたが、私はアンドロウス様の権能の一部でございます。名前を頂き、正式にアンドロウス様との繋がりを持つことが出来ました。アンドロウス様の権能は、看破でございます。」

権能?看破?もっと色々質問したい。
だけど、先にこっちが気になる。

「急に僕への呼び方変えた?」
「はい、マリというお名前を与えてくださったので。」

ふむ。どうやらそういうことらしい。
急に呼び方が変わったから、すごく違和感がある。

「あのさ、これからは僕のことアドって呼んでくれない?」
「かしこまりました。アド様」
「うん。なんだかスッキリした。それで権能って?」
「簡単に言えば特別な力ですね。」

その言葉を聞いて、前のめりになってマリに顔を寄せる。

「へー!手から炎とか出したり!」
「でません。」
「じゃあ、雷を纏ったり!」
「できません。」
「空気を凍らせたり!」
「特別じゃなくて別の意味ではできるかもしれませんね。」

思ってた特別な力と全然違う。

「じゃあなにができるのさ。」
「先程もお伝えしたようにアド様の権能は看破です。探し物を見つけやすくしたり、相手の弱点に気がつきやすくなる力です。」
「ははは...。思ってたより地味だね...」
「挙げたのはあくまで一例です。本質は物事を見抜く能力ですので、そのうち権能も成長しますよ。」

話もひと段落ついて、少しだらける。
そういえば、目が覚めてからずっと喋りっぱなしだ。喉も乾いてきた。

「あのさ、喉乾いたんだけど、水ってどこで飲めるかな?」
「ここで飲めますよ。」

マリは当たり前に答える。

「じゃあお水ちょうだい。」
「...??APを使って出したらどうです?」

声じゃないなにかが頭に囁く。
僕は水晶に触れて、コップ一杯の水。と念じる。
すると、コップが手元に現れた。中には、念じた通りの水が入っている。

「流石です。アド様。」
「え?」

「今、どうやって水を出したのか分かりましたか?」
「......いや。水が欲しいって思ったら、なんとなく頭の中にやり方が浮かんだだけだけど。」

「それは恐らく権能の影響です。」
「え?」

「看破とは、隠されたものや、分からないものを見抜く力です。先ほどの水を出す方法も、アド様は知らないはずでした。」

マリは尻尾を揺らす。

「それを、アド様は自然と見つけられたのです。」
「......なるほど。」


「では、次は何をしましょうか?」

「いや、その前に水飲ませてよ」

「そうでした」

僕はコップに口をつけた。
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唾を飲んだ。
空気は少し乾燥している。

「この領域と言われる場所から、地上に影響を与えるとAPを獲得できると言ったよね?今の地上の様子はどんな感じ?この世界の人はどんな生活をしているの?」
「詳しいことは分かりません。ですが、人間の生活圏は広くないみたいですね。」
「それってどういうこと?」

蛇は答える。
・人間の生活は狩猟や漁、採取で生活を維持している。
・魔獣と呼ばれる通常の生物よりも生命力が強い生物が食物連鎖の頂点に位置している。
・魔獣の存在によって、人間は集落を広げられず、集落同士は互いに離れている。

「じゃあさ、この人たちのために魔獣を退治したらどう?」
「はい、その方法でもAPは獲得出来ます。」
「どのくらい?」
「人間を殺すよりはるかに少ないです。」
「魔獣を退治して、人の生活圏を広げたら、それは領域の上に住む人を支配してるってことにはならない?」
「うーん。それは確かに...。」

蛇はとぐろを巻きながら頭を揺らし、考えているみたいだ。

「アンドロマリウス様!その方法ならそこそこのAPを獲得できるかもしれません!」
「さっきから少ないとかそこそこって言うけどAPって数値じゃないの?」
「いいえ、違いますよ。APが溜まるとその水晶の中が色濃くなるのです。」
「...随分アバウトだな。どれくらい溜まったかは分からないってこと?」
「大まかには分かりますよ。色が濃くなればなるほど、APが多いということですから。ほら、今も少しずつ色が濃くなっていってますよ。」

水晶玉をジーッと眺める。
「変わってないよね?」
「いいえ、多分少しずつは濃くなっていってるはずですよ。」

「多分って...」
思わずため息が出る。

「ところで、アンドロマリウス様。いつ私に名をつけてくれるのでしょうか。」

蛇はとぐろを巻きながら尻尾を左右に振る。

「名前無いの?」
「ありません。」
「なんで?」
「分かりません。」
「どうしたらいいの?」
「アンドロマリウス様の名前の一部をお与えください。」
「じゃあ、ン」
「真面目にお願いします。」

ちょっとは仕返しが出来たかな。
正直、この蛇は怪しい。
言ってることも適当、人間を殺せっていうし。

──でも。

悪いやつって感じはしない。

蛇に向き直り、唇を抓りながら考える。
たしか、僕の名前の一部を欲しがってたよな。

「──マリ
お前の名前、マリってのはどう?」

「ありがとうございます。アンドロウス様」

青白かった蛇の鱗がほんのり光る。
僕となにかが繋がって、ビリっとした。

「アンドロウス様、これで権能が使用可能になりました。」
「権能?」
「少し前にもお伝えしましたが、私はアンドロウス様の権能の一部でございます。名前を頂き、正式にアンドロウス様との繋がりを持つことが出来ました。アンドロウス様の権能は、看破でございます。」

権能?看破?もっと色々質問したい。
だけど、先にこっちが気になる。

「急に僕への呼び方変えた?」
「はい、マリというお名前を与えてくださったので。」

ふむ。どうやらそういうことらしい。
急に呼び方が変わったから、すごく違和感がある。

「あのさ、これからは僕のことアドって呼んでくれない?」
「かしこまりました。アド様」
「うん。なんだかスッキリした。それで権能って?」
「簡単に言えば特別な力ですね。」

その言葉を聞いて、前のめりになってマリに顔を寄せる。

「へー!手から炎とか出したり!」
「でません。」
「じゃあ、雷を纏ったり!」
「できません。」
「空気を凍らせたり!」
「特別じゃなくて別の意味ではできるかもしれませんね。」

思ってた特別な力と全然違う。

「じゃあなにができるのさ。」
「先程もお伝えしたようにアド様の権能は看破です。探し物を見つけやすくしたり、相手の弱点に気がつきやすくなる力です。」
「ははは...。思ってたより地味だね...」
「挙げたのはあくまで一例です。本質は物事を見抜く能力ですので、そのうち権能も成長しますよ。」

話もひと段落ついて、少しだらける。
そういえば、目が覚めてからずっと喋りっぱなしだ。喉も乾いてきた。

「あのさ、喉乾いたんだけど、水ってどこで飲めるかな?」
「ここで飲めますよ。」

マリは当たり前に答える。

「じゃあお水ちょうだい。」
「...??APを使って出したらどうです?」

声じゃないなにかが頭に囁く。
僕は水晶に触れて、コップ一杯の水。と念じる。
すると、コップが手元に現れた。中には、念じた通りの水が入っている。

「流石です。アド様。」
「え?」

「今、どうやって水を出したのか分かりましたか?」
「......いや。水が欲しいって思ったら、なんとなく頭の中にやり方が浮かんだだけだけど。」

「それは恐らく権能の影響です。」
「え?」

「看破とは、隠されたものや、分からないものを見抜く力です。先ほどの水を出す方法も、アド様は知らないはずでした。」

マリは尻尾を揺らす。

「それを、アド様は自然と見つけられたのです。」
「......なるほど。」


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「いや、その前に水飲ませてよ」

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