ホーム最後の悪魔は生き残りたいアンドロマリウス
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アンドロマリウス

目を覚ました。
なんだかうるさい。

「アンドロマリウス様、アンドロマリウス様」

誰かが誰かを呼んでいる。
無駄に豪華な椅子に座ったまま、ふと口に出す。

「アンドロマリウス?」

誰かを呼ぶ声の主が分からないが聞き返す。

「そうですよ!アンドロマリウス様!」

足元を見ると僕の腕よりも少し長い青白とした蛇がいた。首輪のように首元の鱗だけ少し色が違う。
青白い鱗は、薄暗い部屋の中でも妙に鮮明だった。

「うわっ!」
「ようやく起きてくださいましたね。」

一気に眠気が飛び、距離を取ろうとして、椅子ごと倒れる。

「僕を食べても美味しくないよ。」

情けない常套句を口に出す。
そして、蛇と目が合った。
思ったよりも蛇は人間くさい目をしている。

「私はアンドロマリウス様の権能の一部。共にこの領域を発展させるナビゲーターみたいなものですよ。」
「噛み付いたりしない?」

「......。」

「えっ。」

蛇は呆れたように答える。

「私はアンドロマリウス様の権能の一部。共にこの領域を発展させ――」

「また?!」

まさかの返答に堪らず声を出す。

「大事なことなので二回言いました。権能は権能の持ち主に害を与えることはできません。ですので、この領域発展のために私はアンドロマリウス様を精一杯お支えしますよ。」

「そもそも領域ってなんなのさ。」

そう聞くと蛇は張り切って答える。


「アンドロマリウス様は偉大なるソロモン王によって、領域を与えられました。」

どこからともなく蛇は地図を出し、説明を始める。

ソロモン王によって、僕はこの世界に転生?させられたこと。

どうやら僕は大陸の東側の半島の一部を領域として与えられたこと。

この半島は意外にも広く、僕に与えられた領域を含めて四つの領域が割り振られたこと。

その内の二つの領域が隣接していること。

そして、地上では人間やエルフ、ドワーフといった種族が暮らしており、悪魔の持つ領域はその地下にあること。
ここでふと疑問に思い口に出す。

「あれ?僕も人間だよね?」

「いいえ、アンドロマリウス様は悪魔でございます。悪魔故に今のアンドロマリウス様では、地上に出ることはできません。」

「僕が悪魔...?」

思わず聞き返した。

「はい。」

当然のように蛇は答える。

「この姿で?」
「はい。」

「冗談だよね?」
「いいえ。」

うん。僕はどうやら悪魔になったみたいだ。
そもそもよくよく考えれば蛇が話すことも変だ。

「これは夢かな。まだ僕は寝てるとか。」
「いいえ。アンドロマリウス様はバッチリと目覚めていらっしゃいます。」

「......そう」

もう一度、部屋を見渡す。

見覚えのない場所。
喋る蛇。
そして、その蛇は僕のことを悪魔だと言う。

考えれば考えるほど、現実味がない。

うん。今は話を前に進めよう。

「まあ、いいや。それより、さっき領域って言ってたよね。」
「はい!」

蛇が待っていましたとばかりに顔を上げる。

「それ、もう少し詳しく教えてよ。」
「もちろんです!」

蛇は舌をチロチロすると、口から水晶玉を取り出した。

「アンドロマリウス様、水晶玉に触れてください。」
「汚くない?」
「アンドロマリウス様、水晶玉に触れてください。」
「はいはい、分かったよ。」

水晶玉に触れると半透明のホログラムのようなものが浮かび上がる。

「これがアンドロマリウス様の領域の情報です。」
「いや、何も書いてないけど...。」
「そうですよ。この部屋は領域の最奥です。水晶玉に触れると領域の全貌が確認できます。まだ初期状態なので、領域内には何も配置していないのですよ。APを利用して、領域内に部屋を作ったり、自分を成長させたり、配下や装備、食料などの物資を生成することができます。」

どうやらAPなるもので生活を維持するらしい。
「APってなに?」
「APとはAkuma Pointの略ですよ。主に領域から地上への支配行為を行うと貯まります。要は、人間やエルフやドワーフをぶっ殺せばいいんですよ。血祭りです。」

うん、今は余計なツッコミは控えよう。

「とは、言っても僕は悪魔で地上に出ることは出来ないんだろ?」
「はい、そうです。ですので、配下を生成して、配下に地上を襲わせるのが基本ですね。また、領域を成長させることでアンドロマリウス様も地上に出向いて地上の種族を蹂躙することが可能になります。」

「うーん...」
僕はまだ自分のことを完全に悪魔だと割り切れていない。だから、僕が生きるために人間を殺戮するのはどうしても出来そうにない。

どうやら僕は、悪魔になったらしい。
これは、認めたくないけど認めることはできる。

そして、この領域や生活を維持するためにはAPというものが必要らしい。
これも分かった。

そのAPを得る方法は――人間たちを殺すこと。
これはやっぱり認められない。

「......本当に、それしかないの?」

「基本的にはそうですね。」

蛇は首を傾げる。

「ですが、別に殺さなければならないというわけではありませんよ。」

「え?」

「地上の生物に影響を与え、支配する。それがAPの獲得条件ですから」

「じゃあ、例えば......」

少し考える。

「脅すとか?」
「可能です。」

「物を盗むとか?」
「可能です」

「なるほど。」
少しだけ光が見えた気がした。

「じゃあ、人を殺さずにAPを稼ぐ方法もあるんだね。」
「もちろんです。」

蛇は得意げに答える。

「ただし、殺戮が最も効率的です。」
「効率で人殺しを勧めるなよ。」

「はい!」
「なんでそこは元気がいいんだよ。」

頭を抱えた。
殺す以外にも方法がある。

それなら、まだ何とかなるかもしれない。
そもそも僕は、自分が悪魔だということすら受け入れきれていない。

だったら――

「人を殺さない領域にしてみようかな。」
「承知しました。では、その方針で領域を発展させましょう。」

蛇は嬉しそうに即答した。

「......いいの?」
「もちろんです。」

蛇は舌をチロチロと出しながら、僕を嬉しそうに見る。
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目を覚ました。
なんだかうるさい。

「アンドロマリウス様、アンドロマリウス様」

誰かが誰かを呼んでいる。
無駄に豪華な椅子に座ったまま、ふと口に出す。

「アンドロマリウス?」

誰かを呼ぶ声の主が分からないが聞き返す。

「そうですよ!アンドロマリウス様!」

足元を見ると僕の腕よりも少し長い青白とした蛇がいた。首輪のように首元の鱗だけ少し色が違う。
青白い鱗は、薄暗い部屋の中でも妙に鮮明だった。

「うわっ!」
「ようやく起きてくださいましたね。」

一気に眠気が飛び、距離を取ろうとして、椅子ごと倒れる。

「僕を食べても美味しくないよ。」

情けない常套句を口に出す。
そして、蛇と目が合った。
思ったよりも蛇は人間くさい目をしている。

「私はアンドロマリウス様の権能の一部。共にこの領域を発展させるナビゲーターみたいなものですよ。」
「噛み付いたりしない?」

「......。」

「えっ。」

蛇は呆れたように答える。

「私はアンドロマリウス様の権能の一部。共にこの領域を発展させ――」

「また?!」

まさかの返答に堪らず声を出す。

「大事なことなので二回言いました。権能は権能の持ち主に害を与えることはできません。ですので、この領域発展のために私はアンドロマリウス様を精一杯お支えしますよ。」

「そもそも領域ってなんなのさ。」

そう聞くと蛇は張り切って答える。


「アンドロマリウス様は偉大なるソロモン王によって、領域を与えられました。」

どこからともなく蛇は地図を出し、説明を始める。

ソロモン王によって、僕はこの世界に転生?させられたこと。

どうやら僕は大陸の東側の半島の一部を領域として与えられたこと。

この半島は意外にも広く、僕に与えられた領域を含めて四つの領域が割り振られたこと。

その内の二つの領域が隣接していること。

そして、地上では人間やエルフ、ドワーフといった種族が暮らしており、悪魔の持つ領域はその地下にあること。
ここでふと疑問に思い口に出す。

「あれ?僕も人間だよね?」

「いいえ、アンドロマリウス様は悪魔でございます。悪魔故に今のアンドロマリウス様では、地上に出ることはできません。」

「僕が悪魔...?」

思わず聞き返した。

「はい。」

当然のように蛇は答える。

「この姿で?」
「はい。」

「冗談だよね?」
「いいえ。」

うん。僕はどうやら悪魔になったみたいだ。
そもそもよくよく考えれば蛇が話すことも変だ。

「これは夢かな。まだ僕は寝てるとか。」
「いいえ。アンドロマリウス様はバッチリと目覚めていらっしゃいます。」

「......そう」

もう一度、部屋を見渡す。

見覚えのない場所。
喋る蛇。
そして、その蛇は僕のことを悪魔だと言う。

考えれば考えるほど、現実味がない。

うん。今は話を前に進めよう。

「まあ、いいや。それより、さっき領域って言ってたよね。」
「はい!」

蛇が待っていましたとばかりに顔を上げる。

「それ、もう少し詳しく教えてよ。」
「もちろんです!」

蛇は舌をチロチロすると、口から水晶玉を取り出した。

「アンドロマリウス様、水晶玉に触れてください。」
「汚くない?」
「アンドロマリウス様、水晶玉に触れてください。」
「はいはい、分かったよ。」

水晶玉に触れると半透明のホログラムのようなものが浮かび上がる。

「これがアンドロマリウス様の領域の情報です。」
「いや、何も書いてないけど...。」
「そうですよ。この部屋は領域の最奥です。水晶玉に触れると領域の全貌が確認できます。まだ初期状態なので、領域内には何も配置していないのですよ。APを利用して、領域内に部屋を作ったり、自分を成長させたり、配下や装備、食料などの物資を生成することができます。」

どうやらAPなるもので生活を維持するらしい。
「APってなに?」
「APとはAkuma Pointの略ですよ。主に領域から地上への支配行為を行うと貯まります。要は、人間やエルフやドワーフをぶっ殺せばいいんですよ。血祭りです。」

うん、今は余計なツッコミは控えよう。

「とは、言っても僕は悪魔で地上に出ることは出来ないんだろ?」
「はい、そうです。ですので、配下を生成して、配下に地上を襲わせるのが基本ですね。また、領域を成長させることでアンドロマリウス様も地上に出向いて地上の種族を蹂躙することが可能になります。」

「うーん...」
僕はまだ自分のことを完全に悪魔だと割り切れていない。だから、僕が生きるために人間を殺戮するのはどうしても出来そうにない。

どうやら僕は、悪魔になったらしい。
これは、認めたくないけど認めることはできる。

そして、この領域や生活を維持するためにはAPというものが必要らしい。
これも分かった。

そのAPを得る方法は――人間たちを殺すこと。
これはやっぱり認められない。

「......本当に、それしかないの?」

「基本的にはそうですね。」

蛇は首を傾げる。

「ですが、別に殺さなければならないというわけではありませんよ。」

「え?」

「地上の生物に影響を与え、支配する。それがAPの獲得条件ですから」

「じゃあ、例えば......」

少し考える。

「脅すとか?」
「可能です。」

「物を盗むとか?」
「可能です」

「なるほど。」
少しだけ光が見えた気がした。

「じゃあ、人を殺さずにAPを稼ぐ方法もあるんだね。」
「もちろんです。」

蛇は得意げに答える。

「ただし、殺戮が最も効率的です。」
「効率で人殺しを勧めるなよ。」

「はい!」
「なんでそこは元気がいいんだよ。」

頭を抱えた。
殺す以外にも方法がある。

それなら、まだ何とかなるかもしれない。
そもそも僕は、自分が悪魔だということすら受け入れきれていない。

だったら――

「人を殺さない領域にしてみようかな。」
「承知しました。では、その方針で領域を発展させましょう。」

蛇は嬉しそうに即答した。

「......いいの?」
「もちろんです。」

蛇は舌をチロチロと出しながら、僕を嬉しそうに見る。
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