第2話 弾が足りない
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突如として荒野を埋め尽くしたエミューの群れは、何故かオーストラリア西部に飛ばされた米海兵隊シエラ中隊と対峙し......戦いの幕が開かれようとしていた。
一方その頃、左翼を担当するカスガ大尉たちは......。
「キャプテン、エミュー戦争はご存知かしら?」
「サマーフィールド伍長、エミュー戦争ってなんだ?」
「そうね、今からおおよそ100年前の話ね。エミューは繁殖期になると、群れを作って大移動するのよ。その途中で農作物を食い荒らすものだから、困り果てた農家の人たちが、オーストラリア軍に害獣駆除を依頼したのよ」
「へぇ、相変わらず勉強熱心で感心するよ。それでサマーフィールド伍長、結果は?」
「キャプテン、人類は敗北したわ。機関銃まで持ち込んでエミューに負けた我々人類が、どうやって対抗しようって言うのよ?」
「そうだよなミッキー。俺たちが撃っても金かかるだけだぜ!」
「おうよ、ボブ。キャプテンしかまともに当てられないからね!」
「ああ、まるで弾が足りないぜ?」
「キャプテンだけカラシニコフよ? 撃たない方がマシな私たちの弾も融通出来ないわね」
「キャプテン、なんで俺たちと同じM4カービンを使わないんですか?」
「おいボブ、キャプテンは敵から奪うからって話、忘れたのか?」
「おぅミッキー、死ぬほど聞いてたから忘れてたぜ」
「だろ? キャプテン、他に新鮮なネタは無いかい?」
「ミッキー、ボブ、今度寿司バーに行くわよ。もちろんキャプテンの奢りね?」
「ああ、お前らが生き残ってくれたからネタ切れなんだよ!」
「「「「HAHAHA!」」」」
エミューの群れが迫りつつある状況下、ハンヴィーの車中で冗談を言い合う彼らは、ひとしきり笑い倒したのであった。
緊張感はバカンスへと旅立ったものの、それでも戦場慣れした彼らは、迫りくるエミューの群れから目を離すことなく、引き続き監視を続けたのだ。
だが、かつて機関銃を持ち出してまでエミューに負けた人類たちが、今度はどうやったら勝てるのか?
小銃弾をばら撒いたところで焼け石に水だろう。
そうして有効な対処方法が思い浮かぶことなく、時間ばかりが過ぎ、エミューの群れは刻一刻と迫りつつあった。
ついに観念したのか、自分たちの力ではどうにもならないと悟ったカスガ大尉は、トム中尉に無線を繋いでからこう言ったのだ。
「おいトム、エリート気取りの空軍に支援を要請しろ」――――。
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